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1740号 2018年11月22日

「エシカル・ジレンマ」に対峙したとき、自分はどうするのだろうか、という考えてみる

(本日のお話 2163字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は5件のアポイント

ならびに夜は、尊敬する友人であり、
英語塾の先生でもある藤田勝利さんとミーティング。

彼は、米クレアモント大学院大学P.Fドラッカー経営大学院にて、
生前のピーター・ドラッカーに師事し、MBAを取得されました。

現在リーダーシップ教育に携わっており、
立教大学の講師や、日経ビジネスに連載をするなど、

もう私が逆立ちしても勝てないような能力、
そして「人格」を持つ素晴らしい方です。

※藤田さんプロフィール
http://project-initiative.com/katsutoshifujita/#fujitakatsutoshi


ちなみに彼は

「リーダーが、英語とリベラルアーツを学ぶ塾(IELLA)」という、
なんとも濃密かつ学びが深い英語塾もやっています。
最高に良い学びの環境です。

ご興味がある方はぜひ!(見学も可能です)
http://project-initiative.com/iella/



さて、そんな藤田さんと
今後「リベラルアーツ」について企業でのワークショップを実施するため
色々とディスカッションをしていたのでした。

その中で、最近のカルロス・ゴーン氏の話題を始め、
話が盛り上がったのですが、その中で彼から聞いた、


『エシカル・ジレンマ』
(=倫理的なジレンマ)

なる話が、大変印象的、かつ考えさせられる話で、
大いなる学びになったのでした。

本日はそのお話について、思ったこと、
感じたことを皆さまにご共有させて頂きたいと思います。


タイトルは、



「エシカル・ジレンマ」に対峙したとき、自分はどうするのだろうか、と考えてみる 】


それでは、どうぞ。


■以前、『半沢直樹』なるドラマが流行りました。

「倍返しだ!」

で有名なあのドラマですね。


大筋のストーリーとしては、

”腐った銀行(組織)に対して、
半沢直樹が、その正義感を元に戦っていく”

というお話でした。

皆さまもお感じ(かもしれない)組織あるあるの、

「なんだか、間違っている気がする、、、」
「上がやっていることはおかしい」

と感じる”倫理観・正義感”を大切に、
下剋上のように、上に噛み付いていく姿勢は、

現実においては正直難しい故に、
痛快で、惹きつけられたドラマになっていたのでは、

とも感じます。


■と、このお話を突然出したのは、

先日、上記でご紹介した藤田氏から聞いた話で
「エシカル・ジレンマ」という言葉を聞く中で、
ふと思い出したお話だったからです。


リベラルアーツ(教養)について学ぶ
ドラッカースクールにおいては、

『エシカル・ジレンマ』

というケースを、自分ごととして考える授業があるそう。


『エシカル・ジレンマ』とは、そのまま訳すと、

「エシカル(倫理的な)・ジレンマ(板挟み)」

という意味になります。

すなわち、

「倫理的にはNGかもしれない。
 でも、やってもバレないだろう、、、」

みたいなシチュエーションで、
どのような選択を自分ができるか、

これを考えてみよう、という話なのです。


■他人事だったら、なんとでも言えるもの。

ことスキャンダルが起きたとき、

「あのやり方は卑怯だ」
「結局汚い奴なのだ」
「もっと信念を持って、仕事に取り組むべきだ」
「社内でも、間違っていることは
 間違っていると言うべきなのに、残念だ」

、、、そう、”他人事”としては言えるのです。


しかし、

「もし自分だったらどうか?」

、、、それを深く考えてみたいのです。


■仮に、自分が、大手上場企業の、
「執行役員」だとします。

そして、おそらく自分が、
次の「常務取締役候補」として、
有望視されているようす。

しかし、ライバルもいるのです。
気は抜けない。

家では、尊敬する両親から

「◯◯会社の常務なんてすごいポジションが、
 うちの家から出るなんて、本当に嬉しいわ」

と期待の声がある。

妻も、息子も、
お父さんの活躍を期待をしている。

自分も、この瞬間を目指して、
ずっと何十年も頑張ってきた。

、、、なんとしてでもこのチャンスは掴みたい。

専務からは、

「この仕事さえ上手くやり遂げたら、常務も確実だ。
 役員も、皆そう思っているようだぞ」

と言われる。



そんな中で、上からある”お願い”が来た。
専務から、こう言われるのです。

「ちなみにね、この決算の数字なんだけど、なんとかならんだろうか?
 あとは、君もいよいよ常務だな」

、、、と。


■例えばですが、そんな状況を想像してみたとき

「自分だったら、どうするか?」

を考えるのです。


自分のポジションが吹き飛ぶ可能性がある、
積み上げてきたものがなくなる可能性もある。

そんな中、倫理感に従って、


『社長、それは間違っています』


と言えるのだろうか。

そんな「エシカル・ジレンマ」に向き合ったとき、
本当に自分は、どんな行動を取るのだろうか?

倫理観を保てるのだろうか?

それとも、流されるのだろうか?


そんな答えなき問いを考えてみる。

それが、「ドラッカースクール」での、
『リベラルアーツ』での学びだった、

そんな話を、藤田氏から教えてもらったのでした。


■この話を聞いたとき、
正直、私も頭を抱えてしまいました。

(自分だったら、流されてしまうだろう)

そう思って、自分の卑怯さに、
なんだか残念な気持ちがしたのでした。



今、世を騒がすニュースで、

「どこまで求めればいいんだ」
「内部の自浄作用が働かないのは問題」
「経営陣は、社長の犬だ」

など、色々な声が上がったりします。



しかし、例えば上記のような
葛藤が起こりうるケースを考えたとき、

組織の構造として、
そして人間の真理として、


『エシカル・ジレンマ』


なるものが起こりうることを知り、
その時どうするかを深く考えること。

このことも、

”問題の本質を考える”

という上で、
大変重要なことではなかろうか、
と思うのです。



■いい、悪いで
シンプルに考えられたとしたら、
本当に素晴らしい。

でも人間は、色々な顔を持つ生き物で、
複雑な気持ちの中で揺れ動くというのも、
一つ事実です。


物事を単純化して、
安易に切り捨てるだけでは
解決にならないことだって、ある。


人の心を深く知ること。

深く探求すること。

それこそが、「過ち」を侵さないための工夫なのかもしれない。

ゆえに、


【「エシカル・ジレンマ」に対峙したとき、自分はどうするのだろうか、という究極の問い】


を自問し、自分を律する、律しようとすることが
とても大事なのではなかろうか、

そのように思った次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も皆さまにとって、素晴らしい1日になりますように。


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<本日の名言>

平和を欲するなら、戦争を理解せよ。

リデル・ハート

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