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1782号 2019年1月3日

「ストーリー学習」は、”記憶力”と”伝える力”を劇的に向上させる

(本日のお話 2545字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

年末年始は、歴史のお勉強。

昨日は、妻の高校時代の
「世界史の資料集」を見ながら、

・フランス王国の歴史
・スペインの歴史
・ヒンドゥー教の歴史
・タバコの歴史

などを見て、面白いなあ、と唸っておりました。

当時は全く気づかなかったのですが、
学校の歴史の教科書は、結構うまく出来ているんだな、
(モノによるでしょうが)

と感動しました。

見るときが変わると、
感じ方も変わるものです。



さて、本日のお話です。

今、ひたすら歴史のまとめ、をしていますが、
おそらくやっていることは

「世界史の勉強」

であり、高校の受験のときと、
さほど変わっていません。

しかし、間違いなく、
学生時代の当時よりも、

”記憶の定着”

”感情を伴った深い理解”

ができている、そのようにも感じるのです。


今日は、そんな「歴史の勉強」を通じて学んだことについて、
皆様にご共有させていただきたいと思います。


タイトルは、


【「ストーリー学習」は、”記憶力”と”伝える力”を劇的に向上させる】


それでは、どうぞ。



■”歴史”は英語で「History」。

歴史とは勝者のストーリー。
だから「His Story」と言うこともできる。

そんな説明が何かの本で書いてあり、
妙に納得した記憶があります。

そして、今歴史の勉強をしつつ、この

「ストーリーが持つ力」

を強烈に感じています。



私の話になりますが、私自身は学生時代、
「歴史」は苦手な科目で、
興味もなければ、暗記も得意ではなく、
できるだけ避けたい勉強の一つでした。

しかし当時、
歴史がものすごく得意な友人は、


”背景にある「ストーリー」が面白いんだよ”


と言っていたことを覚えています。

・なぜ、2人は戦うことになったのか?
・なぜ、暴動が起きたのか?
・なぜ、社会主義が始まったのか?
・なぜ、王様はギロチンになったのか?

など、

”表面では見えない、深い部分”
”教科書では書ききれない、本当の事情”

に興味を持って探求すると、
全ての出来事が数珠つなぎのように見える、

その「ストーリー」が面白いんだ、

、、、

そんな話をしていたように思います。



■少し話が飛ぶのですが、
2年前、私が受講した、

「速読ワークショップ(2日間)」

があります。

ここでも「ストーリー」の話が出てきました。


ちなみに、この速読ワークショップ。

言葉の通り、参加するだけで、
「劇的に本を読むのが早くなる」という、
夢のようなワークショップです。



では、このワークショップで、
どのようなトレーニングをしたのか、というと、

・空間認識能力の訓練(絵を逆さまに書く)

・眼球運動の訓練(目を早く動かす/視野角を拡げる)

・文字を写真として捉える訓練

・「記憶術」の訓練

などでした。


そして、お伝えしたいのが、
最後の「記憶術の訓練」というもの。

これは、全参加者50人が
(おばあちゃん、おじいちゃんもいます)、


『次の日までに、単語を100コ覚えてくる』


という、なんともハードルが高い宿題が出されるのです。


「いや、絶対ムリ、、、」という空気が、
当然ながら漂います。


しかしながら講師は、

「今まで失敗した人はいない!大丈夫」

と自信を持って言い放ちます。


■そこで彼が教えてくれた
「秘伝の”記憶術”の方法」というのが、


『単語を「ストーリー」にして覚える』


というものでした。



例えば、

・みかん
・新幹線
・いす
・手帳

という「単語の羅列」があったとします。
この単語を強引に「ストーリー化」してみる。

これは何でもいいのですが、
例として、こんなストーリーを作ってみるのです。


・巨大な『みかん』が線路においてある。

・その「みかん」を猛スピードで走ってきた『新幹線』が突き破って走り去り、駅に停車する。

・新幹線が停車した駅のホームが、教室の『いす』の上(!)だった、
 
・停車した「新幹線」は車掌が『手帳』で発車時刻を確認して、走り出した。

、、、

みたいな。

おそらく、作った私以外、
「なんじゃそりゃ」という、
謎でしかないストーリーでしょう。

でも、それでいいのです。

馬鹿らしいのですがやってみると、
ものすごく記憶に残るのです。

そして、実際これをやった参加者は、

「全員100個の単語を覚えること」

ができたのです。




■そして、この

・速読の記憶術の話

・高校時代の歴史が得意だった友人の話

は、いずれも、


『「ストーリー」にすると覚えやすい』


という点で、同じことを言っています。



「ストーリー化」をやろうとすると、
一見、時間がかかるように感じます。

しかし、不思議なもので、

”急がば回れ”

なのです。

ぶつ切りの、なんの脈絡もない単語、
言葉だけ覚えても、1日経てばすぐに消えてしまいます。

しかし、全部を
”一つのストーリー”として、
意味をもたせてみる。

そうすると、圧倒的に記憶への定着が高まる。

忘れづらくなります。


実際、私がこの年末年始、

「歴史を、ストーリーとして解読しなおす」


ことをしていますが、
忘れづらくなるという体験をしていて、
このことを思い出すとともに、痛感しているのでした。



■そしてこの「ストーリーの力」。

少し概念化すると、これは、
私達が何かしらの結果を出そうとするときの


『”脳の使い方”のバリエーション』


とも言えるのでしょう

同じ行為でも、違う脳の使い方ができると、
「生産性」が高まる、とも言えそうです。

また、一見関係がないように見えても、
あらゆる物事の背景にある「ストーリー」を掴むと、
”言葉の深み”が増したりします。


例えば、もし自分が
「物事を伝える立場(営業、採用担当など)」だったとしたら。

なんとなく”事実の羅列”をいうのではなく、
「ストーリー」として、


・どのようにして、今の会社の出来上がったのか?(会社説明)

・どのようにして、自社の商品が、今の形になっているのか?(商品説明)

・どのようにして、今、自分はこういう考えを持つに至ったのか?(自己紹介)


を理解し、生き生きとした言葉で語れたとすると。

きっと、その言葉には、
ぐっと、深みがましてきて、
人の心を掴むメッセージにもなり得るのでしょう。



■と、いうことで、

”歴史はストーリーをベースに学ぶと面白い”

というお話、そして、

「ストーリー学習」のメリットとして、

1,ストーリーにすると、記憶が定着しやすい
2,ストーリーにすると、言葉に深みが増す

という効能がある、というお話でした。


【「ストーリー学習」は、”記憶力”と”伝える力”を劇的に向上させる 】

ということで、今後の「脳の使い方」として、
覚えていただいて活用いただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も、皆様にとって素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。
新しい目で見ることなのだ。

マルセル・プルースト
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