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2470号 2020年11月25日

「人の心の深く柔らかく、脆い場所を見る力」が、人の心を震わせる

(本日のお話 2357字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は2件のミーティング。
またシステムコーチングの仲間との勉強会など。


また、昨日よりご案内しております


【大学院受験プロジェクト】
「人材開発・組織開発のプロになるための16冊」を学ぼう!の会
https://forms.gle/fLySpASvk6WzY5DMA


ですが、予想以上の方に
ご興味を持っていただいております。

そして、自分自身が
戸惑っております(笑)

まだ全く本を読めていないので、
やることをやったら、
早速本を読み進め始めたいと思います。

皆さま、(そこそこで、期待せず)
お楽しみにお待ち下さいませ。





さて、本日のお話です。

昨日、システムコーチングの師匠のような方と、
自分自身のコーチングセッションの映像を見て
振り返りをするという時間を設けておりました。

その中で、

「コーチとは、”人の心の深い部分”を見てこそ
本物である」

と、改めて学んだ気がしました。


今日は、そのお話について
学びと気付きをご共有させて
いただければと思います。


タイトルは、



【「人の心の深く柔らかく、脆い場所を見る力」が、人の心を震わせる】。



それでは、どうぞ。



■話が冒頭から逸れるようですが、

先日、

『異端の鳥』
http://www.transformer.co.jp/m/itannotori/

というユダヤ人の子供が遭遇する
過酷な迫害を、小説を元にして
書かれた映画を観ました。


純粋な子供が
家に帰ろうとする道の中で、
多くの凄惨なる体験をする中で
柔らかい心が、自分を守るごとく
次第に厚く、暴力的になっていく様が、
実に痛々しく見える、

痛ましい心の機微を描いた
そんな作品でした。



■また、別の映画でも
子供が主人公の作品を観ました。

『風を捕まえた少年』
『ライオン 25年目のただいま』

という、どちらも事実を元にしたお話。
(Amazonプライムで視聴できます)

前者は、アフリカの飢饉で
勉強をした子供が、村の危機のために
風車を作るというお話。

後者は、インドで5歳のときに迷子になり
結果オーストラリアのとある夫婦の養子になった
とある少年の物語でした。


話のテーマもエピソードも
全部違うのですが、共通していることは

・皆、主人公が少年

・かつ、少年の心は、皆、
純粋で柔らかく、そして脆い

ことでした。


■と、ここから話を本題に向けていくと、
映画の主人公の少年だけでなく、


「人の心は、深い部分では
元々柔らかく、脆い」


ことは、

大人だろうが子供だろうが、
誰しも当てはまる
一つの事実ではなかろうか、

とこのような作品を観ると、
強く感じさせられるのでした。



■そんな前提で、
先日、私が行った
とあるシステムコーチングのセッションを
先生とともに、振り返りながら、

例えばクライアントが、

・攻撃的になる(自分を守るように)
・相手の目を見ない(何かを避けるように)
・理論武装をする(感情を押さえるように)


などの行動の
奥にあるものを遡っていくと、

結局そこに残るシンプルなものとは

「恐れや不安」

であることが、
ほとんどなのだろうな、

と改めて感じたのです。



■もしかすると、

「不安とか恐れ」

などと書くと、
「怪しい…」と思われる方もいるかもですが、
これ、本当に人の根源的なテーマだと感じます。



例えば、私の中にも、
常にあります。

コーチングをする中で
常に「恐れや不安」があります。

・これ以上深い部分に踏み込むと
相手を傷つけたり、自分が傷つくかもしれない

と思ったり、

・生々しい世界に足を入れると
喜怒哀楽が激しすぎて疲れそう

と思ったり、

・あんまり踏み込んで
お節介と言われたり、拒否をされたりして
否定される気持ちになりたくない

、、、などの恐れや不安。



■ゆえに、怖いし不安なので、

「そこそこ役に立つ話」
「そこそこ参考になる話」

などをして、

”そこそこのセッション”

に落ち着けよう、という方に
つい行きがちになることも、
正直なところ、あるのです。

そちらの方が楽だったりするし、
相手にとってもプラスになるし
温かい空気だから満足度も高かったりもする。



■相手の心がさほど開いていない時に、
急に深いところに手を入れられるはずもないし、

「そこそこ」だからゆえに、
温かく安心して話合えることもあるし、

「そこそこ」というと
それが悪いように聞こえるけれど、
決してそれが悪いわけではなく、

感謝もされるし、役にも立てるし
お仕事にもつながったりもするのです。


■でも、
「そこそこ」ではない、

『深い部分に触れる』

という世界には、
とてつもないエネルギーがあります。


そこは冒頭の少年の
無防備な心のようなもの。

あるいはパンドラの箱、
といってもよいかもしれません。

それらのものをオープンにすると
何だか泣けてきたり、怒りが湧いてきたり、

そんな感性が先行する
情緒的な世界に引っ張られる感覚もあります。

それが、冒頭の映画ではないですが、

「人の心の柔らかい部分」

といえる場所なのです。


■大人になるとそれらのものは
基本、周りに見えないようにするし、
自分でも見えなくなって、どこにしまったか、
わからなくなったりします。

また感情を制御する術を身につけるので
なかなか顔は出してきません。

でも、そういった

柔らかい部分は
心のどこかにあったりするのであろう、

と私は思うのです。



■そして興味深いことに、
コーチングのセッションでは
そのような深い部分に触れたとき、

”空気が変わる”

ということが起こります。

(ますます怪しいようですが…
本当にそうなのですから仕方ない)


そして、そこがその人やチームの

”石の目”

だったりするのです。

石の目とは、その1点をつくと、
硬かった石が簡単に割れる、
そんな場所のこと。

あのとき、喧嘩したこと。
あのとき、否定されたこと。
あのとき、とても傷ついたこと。

誰しもにある、その瞬間が
数十年の時を経て、残っていることもある。



■昨日、私のシステムコーチングの先生から、

「自分の深い部分」

を見透かされるごとく

職人芸のような空気感の中で
そこに触れられたとき、
自分の世界が少し変わるような感覚を覚えました。


そしてその職人芸とは、
何からでてきているか考えたとき、


『人の心の深い部分の
柔らかく、脆い場所をみる力』



『繊細な場所に、
勇気を持って触れに行くこと』


がその他、大勢のコーチと
一線を画するものなのだろう、

と思ったのでした。



■大の大人に、

「あなたは強がっていますね」
「その攻撃の裏には何があるのか?」
「何を恐れているんですか?」

なんて聞いて、
すぐに答えてくれるものではありませんが、
奥の奥の分では
理屈ではない深い感情の世界が
広がっているように思います。


かなり概念的かつ抽象的な話であり
私が感じていることではありますが
きっと、当たらずしも遠からず、

、、、ではなかろうかと。



■そして、

「人の心の深く、柔らかく、脆い場所を見る」

ことで、その部分に触れた時に、

なんとも言えぬ

大きな気付きと発見と、
そして感情の震え、
心の震えが起こり、
それが一つの転機になることがある、

このことは、コーチとして
自分自身が覚えておきたいことである、

と思い記させていただきました。


同様に、

人に関わりつづける人生の中で
このような視点を持つことは
関係性をより良くしてくれるヒントになる、と思います。

そんな意味でも、
かなり抽象的な話になりましたが、
この感覚の一部でも皆さまにお伝えできたら
とても嬉しく思います。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

われわれの中にあって、
一番価値のあるものは、子どもの心である。

ウォルト・ディズニー(ウォルト・ディズニー創業者/1901-1966)

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