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4381号 2026年2月22日

今週の一冊『「人事のプロ」はこう動く 事業を伸ばす人事が考えていること』

(本日のお話 2058字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊はこちらです。

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『「人事のプロ」はこう動く 事業を伸ばす人事が考えていること』

吉田 洋介 (著)/日本実業出版社
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■「人事のプロになる」ための補助線をくれる本

私は、人材開発・組織開発の外部支援者としてお仕事をさせていただいていますが、その仕事柄、多くの「人事」の方に接する機会があります。

その中で、人事の方にも様々なお仕事のされ方をするタイプがいらっしゃるなあ、と感じます。
前例踏襲的に動くのが好きな方、新しいことに挑戦するのが好きな人。
そしてその行動の背景には、組織や業界の特性、過去の慣習などから、個人の想いだけでなんとかできるものではない事情も透けて見えたりします。

ですが、あらゆる人事の方は「これから自分のキャリアをどう育てていけばよいだろうか?」という疑問を感じているように、お話の節々から感じることは少なくありません。

実際に、人事といっても、非常に多岐にわたります。
・人事労務
・人事評価
・報酬制度設計
・組織開発・人材開発
・人事戦略…。

有名なウルリッチ教授は人事の役割を「戦略パートナー」「変革エージェント」「管理エキスパート」「従業員チャンピオン」という4つに区分して説明もしています。

そうした幅広い「人事」において、どうすればプロを目指せるのか。
そうした補助線を引いてくれている本が、今回ご紹介させていただく本となります。
人事図書館の館長であり、多くの人事のプロの方と接してこられた知見と実例が豊富に含まれている一冊です。

■本書の概要

本書の内容紹介から、以下抜粋です。

(ここから)
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◯人事1年目から知っておきたい、これからの人事担当者の考え方・動き方◯

採用、人材育成、研修、労務、制度設計、組織開発など、人事の仕事は多岐にわたります。
一方で、そのがんばりが評価されづらかったり、現場の理解がなかなか得られなかったり、「無駄なことばかりやっている」と思われがちだったり……。
日々モヤモヤや葛藤を抱えているのが現実ではないでしょうか。

将来のキャリアも見えづらい仕事で、
「人事としてどう進んでいけばいいかわからない」
「身近にロールモデルとなる人事の先輩がいない」
といった方も少なくありません。

そんな悩める人事担当者に知ってほしい、「人事のプロ」になって活躍し、もっと楽しく人事に携わることができるためのエッセンスを、1000人以上の人事との出会いから見えてきた事例をもとに凝縮しました。

人事のプロは、動き出す前にどんな情報を得ているのか?
その情報をもとになにを検討しているのか?
そして、どう動くのか?

「ひとり人事」でも着実に成長できる、悩み、迷った時に頼れる人事担当者のロードマップとなる1冊です。

※Amazon本の紹介より引用
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(ここまで)

■本書の魅力

本書の魅力は「わかりやすい&具体的」であることだと感じました。

◯魅力1:人事のプロMAPがわかりやすい

たとえば、「人事のプロMAP」として全体像を述べています。
人事のプロに至るためには、まず最初に、”目的(WHY)”として「人を生かして事をなす」が腹落ちしているかが前提である。これが落ちていなければ、先に進めない。

次に、人事のプロになるには”何を(WHAT)やるのか”の観点を育てる必要がある。
具体的には上述のウルリッチ教授の「人事の4つの役割(「戦略パートナー」「変革エージェント」「管理エキスパート」「従業員チャンピオン」)が常に意識できていること。

そして、人事のプロが行うこと、”どのように(HOW)”やるかでは、「普遍的な領域(採用・労務・育成・評価など)」と「今日的な領域(人的資本経営、リスキリング、パーパス、DE&Iなど)」の両方を深さ(オペレーション~戦略立案)まで立てられるようにする必要がある、とします。

こうした体系立てられた話を、わかりやすいことばで伝えてくれているところが、「なるほど」という腹落ち感があります。

◯魅力2:解決方法が実践的でわかりやすい

かつ、上記を行っている状態とは、具体的にどんな事を意味するのか、例を交えてお話されています。
たとえば、失敗例は「1on1が流行っているから導入して、半年で消えていったケース」と、成功例として「1on1の手段ではなく、組織課題がKPIへの腹落ち感がないことであると特定し、それらをすり合わせする方法として1on1を活用、改善が見込めない場合の人事や役員への巻き込み方のルールも決めて、組織課題の解決に使ったケース」などと、対比させてくれています。

また、それぞれの知識を習得するための、「おすすめ本」も紹介されていたり、あるいは人事のための学びの場の紹介もされているところも、大変親切であると感じました。

■まとめ

「人事」という職種の人に向けた、ある意味ニッチな本かもしれません。
しかし、どうやってその専門性を育てていけばよいだろうか?と迷われた人の灯台になるような本であると私は感じました。

丁寧で、あたたかみのある文体から、人事の方の成長を願われているような、そんなことも伝えてきた次第です。
とても勉強になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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