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『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』

今週の一冊(番外編)『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』

2669号 2021年6月12日

(本日のお話 3066字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。

ならびに夕方から大学院にて
「組織行動論」の授業でした。



さて、本日のお話です。

『キャリア・アンカー』という、
キャリアに関する診断ツールがあります。

最近、このキャリア・アンカーを、
自分自身でもやってみて、
様々な気づきがありました。


ちなみに、気付きのキーワードは、
「だって興味がないんだもの」です。
そして、ちょっと楽になりました。


今日はその学びと気づきを
皆様に共有させていただきたいと思います。

それでは、早速まいりましょう!


タイトルは、


【 今週の一冊(番外編)『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』 】


それでは、どうぞ。



■『キャリア・アンカー』。

マサチューセッツ工科大学の
エドガーシャイン教授が開発し、

様々な企業のキャリア研修でも活用されている、
キャリアこの界隈では比較的有名なツールです。


※参考文献:『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』
 エドガー・H. シャイン (著), 金井 寿宏 (翻訳)



■このキャリア・アンカーの目的は、

「自分がキャリアにおいて
 これだけはゆずれないもの」

を見つけることです。


そのために、

1)キャリアアセスメント(40の質問項目)
2)キャリアヒストリー分析(相互インタビュー)

を行い、自分の内側を
見つめていきます。


そして、

「自分の内側、根底にあって
 環境が変わっても引き戻される
 自分らしいキャリアの軸」

のようなもの、

すなわち、船における
「錨(アンカー)」のごときものを
探していくのです。



■例えば、

・意義がある仕事けれども
「自分の能力を発揮できていない」と感じている。

・会社で評価をされているけれども、
「自分が楽しい」と感じることができない。

・周りが喜んでいるけれども、
「自分が大事だと思うこと」を大事にできていない。

、、、なんて状態だったとしたら。

もしかすると「自分らしく」なく

”自分がどうしても譲りたくないもの”

を気づかないうちに、
ないがしろにしてるの(かも)、
知れないわけです。


それは、おそらく、
自分のキャリアにとって
望ましくないでしょう。


自分が大事なことを知らなければ
大事にすることもできない。

だからこそ、

「”自分が譲れないもの”を
 自分自身が自覚する」
 
こと大事になるわけです。



■さて、

”キャリアにおいて譲れないもの”を見つける
キャリア・アンカーには
どのような種類があるのでしょうか?


エドガーシャイン博士の研究結果と
数百人のインタビューを検討すると、

キャリア・アンカーには
8つのカテゴリーがあることがわかりました。



それが以下の8つです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◯専門、職能別能力
専門家(エキスパート)であることを自覚して満足感を覚える。
自分の技能を常に高いレベルに向上し続けたい。


◯経営管理能力
組織の中で高い地位につき、部門を超えて人々の力を結合し、
責任を持つことができる機会を求める。
結果全体に責任を持ち、重責を担いたい。


◯自律・独立
自分の仕事を自分なりに定義する機会を求める。
自由でいたい、キャリア上の事は自分の好きなようにやりたい。


◯保障・安定
雇用の安定、職務や組織で勤続が大事。
キャリアが安定している感覚得られ、安心していたい。


◯起業家的創造性
自分の意欲と、自分の能力だけに頼って、
新しい組織やサービスを創造する機会がほしい。
財務的成功が大事。自分の努力した結果であると世に示したい。


◯奉仕・社会貢献
自分の中心的な価値観を実現したい。
世界をより良くすること、誰かを助ける事が大切。
何らかの形で世の中をもっと良くしたい。


◯純粋挑戦(ピュアチャレンジ)
何事にも打ち勝つことができると自覚していることが大事。
新規性、多様性、困難が目的。困難な障害を乗り越えたい。


◯生活様式(ライフスタイル)
自分個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのバランスを取りたい。
柔軟なキャリア、生活様式全体の調和・統合をさせたい。


※参考:『キャリア・アンカー』より引用し、著者が編集
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上の8つのカテゴリー。



■もちろん、上記の8つの要素は
それぞれ、誰もが持っています。

ただし、

「どうしても自分はこれだけは譲れない」

という、際立って重要な領域を
誰しも持っている。

それが自分自身の
「キャリア・アンカー」
となるわけです。



■長い仕事生活において、

”自分のゆずれないキャリア・アンカー”

の領域への関心が、選択や決定など
「キャリア」の軸になっていく。


たとえ転職や異動などで、
状況が変わっていても

「根底にある”ゆずれない何か(キャリア・アンカー)”に
 引き戻されていく」

という感覚を持つと言われます。

自分の深い部分にある
「錨(アンカー)」は一貫して
変わらずに自分の中にある。



■繰り返しになりますが、

自分の内側の変わらない
”ゆずれないもの”をないがしろにして
周りに対応するだけになっていると、

「自分らしくない」

と感じ、自分自身のキャリアの成功も
そして充実感も感じづらくなります。

だからこそ、

「キャリア・アンカーに
 自覚的であること」
 
が大事なのです。



■ここからは私自身のお話になりますが、
キャリア・アンカーを受けて、

綿自身その結果に納得するとともに、
少し楽になった気がしました。

心の中でこった声が
「だって興味がないのだもの」
という声とともに、

”比較からの解放”を感じました。
(まだありますけども)



■自分の回りには
まさしく「起業家」と呼ばれる
素晴らしく尊敬できる先輩達がいます。


世に何かしらのインパクトをもたらすために
リスクを負い、普段の努力と挑戦により
世に影響を与えていこうとする新規事業を立ち上げる。

よく日経新聞でもニュースでも
その名前を目にする友人・知人もいます。

まさしく「起業」。

かっこいい。
そして、ちょっと憧れます。

、、、でもなんだか
自分はそうはなれないし、
なりたいとも思わない気もしている。。。

そんな自分に気づいていました。


■”会社を起こす(設立する)”
という意味では

「起業」も「独立」も
一緒くたにされがちですが、
両者は裏側にあるものが違います。

上記のキャリア・アンカーでいえば、

◯起業家的創造性
 自分の意欲と、自分の能力だけに頼って、
 新しい組織やサービスを創造する機会がほしい。
 財務的成功が大事。自分の努力した結果であると世に示したい。

のが「起業」であり、
世にいうスタートアップのイメージに
近いかもしれません。

一方、

◯自律・独立
 自分の仕事を自分なりに定義する機会を求める。
 自由でいたい、キャリア上の事は自分の好きなようにやりたい。

が「独立」であり、
これはどちらかというと
小舟型で自分の道を追求する小規模の経営に
近いものがあるように思います。



■起業をした後、
「会社を大きくしないの?」
といわれたことがありました。

その意図はわかりませんが、

”今のままの小舟的な経営で
本当によいのか?”

という声なき声にも思えました。

確かに、その思いも
ないことはないのですが、

しかし、改めてこの
キャリア・アンカーを見つめてみると

自分自身(紀藤)のアンカーは
「起業家的創造性」よりも、

1位 自律・独立
2位 専門・職能別能力

となっていました。

そしてその結果は
至極納得できるものでした。

「ああ、自分は”自由でいたい”のだ」
「自分の人と組織に関する専門性を尖らせた
 プロフェッショナルになりたいのだ」

そんな発見と同時に、

「(起業的創造性の項目に)
 だって興味ないんだもの、仕方ない」

と思うようになりました。



■”自分のゆずれないもの”を知ると、

自分のこだわりを知り、
自分の道を歩いていけばよい、

と思えます。

そしてその上で誰かに貢献し、
自分と周りの幸福の目指していけばいい、

と感じられるようになります。

それは自分の幸福度にとっては
少なからぬ影響がありました。



■キャリアとは長い航海のようなもの。

その中で気持ちよく追い風で
前に進むときもあれば、

海が荒れることもあるでしょう。
見知らぬ港で落ち着かないときもあるかもしれません。

その中でキャリア・アンカーを知ること、
「自分のゆずれないものを知る」ことは

どんな大時化の海でも、
ぶれない「錨」を持つごときもの。

自分をブラさずにキャリアを歩み続ける
一つのきっかけになるのではないかと思います。


■ということでぜひ、
皆様ご興味があればやってみてください。

おすすめは30代くらいだそう。
40代のミドル層で自分のことを見直すのも
お勧めである、ともいわれています。

ツールもあるので、
ご家族や、友人とやっても面白いですよ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊(番外編)>

『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』
 エドガー・H. シャイン (著), 金井 寿宏 (翻訳)


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