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2689号 2021年7月2日

リーダーシップの100年の歴史(後編)~百花繚乱のリーダーシップ論~

(本日のお話 2468字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は8件の個別コーチング。
また1件のミーティング。
夜はキックボクシングジムへ。

たくさんの方の人生譚を聞かせていただき
共に考えさせて頂くことは、実に楽しく、
幸せな時間だなあ、と毎度思います。



さて、本日のお話です。

「リーダーシップの100年の歴史」
というテーマで、

前編:『リーダーシップの特性論・行動論』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3892119/

中編:『リーダーシップの条件的合理論(フィードラー理論)』
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/3894292/

をお伝えしてまいりました。

「論」とかいうと、
小難しく聞こえますが、

聞いてみると
「ああ、言われてみれば
たしかにわかる!」

という視点を与えてくれるのが
理論です。

理論とは、

言葉で説明が難しいことを、定義を明確にして、
切り分けて考えさせてくれるツール

だとしみじみ感じております。

、、、さて、そんな
「リーダーシップ」について、
本日は「後編」をお届けします。

1970年代から、更に広がってきた
「様々なリーダーシップ論」をご紹介するとともに、

リーダーシップの学びと気付きを、
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは、

【リーダーシップの100年の歴史 ~百花繚乱のリーダーシップ論~】

それでは、どうぞ。

■「リーダーシップ」を学んで、
一番思うことは、

「リーダーシップ論、
ありすぎじゃね問題」

です(笑)。

■例えば、最近学んだものだと、

・変革型リーダーシップ 1978~
・カリスマ・リーダーシップ 1977~
・サーバント・リーダーシップ 1977~
・LMX理論 1985~
・シェアド・リーダーシップ 1996~
・オーセンティック・リーダーシップ 2003~~

などなど。

「代表的なものだけ」でも、
これだけあることを知りました。

(多い、、、汗)

■さらに、もっと広げて
様々な研究を見てみると、更に広がります。

例えば、

・シチュエーショナル・リーダーシップ(有名ですね)
・パーソナリティーベース・リーダーシップ、
・セルフ・リーダーシップ
・スピリチュアル・リーダーシップ、

あるいは、

・暗黙のリーダーシップ論
・リーダーシップ幻想

というように。

、、、もうお腹いっぱいで、
リーダーシップが口からリーバスされそうです。

この様子は例えるなら、

”「百花繚乱」のリーダーシップ論”

と言えるかと。

時代が進み、研究も進むと、
本当に色々な切り口で理論化する人が
たくさん出てくるのですね。

■ただ、

この「百花繚乱のリーダーシップ理論」も、
学ぶことでメリットも大いにあります。

それは、

【リーダーシップの発揮の仕方は、
一つではない】

と気付けることです。

■例えば、

『変革型リーダーシップ』

なる理論があります。

これは以下のように
定義されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーー
「変革型リーダーシップ」の要素

・理想化された影響
・部下のモチベーションの鼓舞
・知的刺激
・個別配慮

(Burns 1978)
ーーーーーーーーーーーーーーーー

”変革型”という
力強い言葉にもあるように、

・部下本人も気づかないような
潜在的な動機を刺激し、

・自己利益を超越するように
部下を啓発し、

・結果、部下がリーダーと転化し、
価値を伝えるエージェントになる、

という影響を与える
リーダーシップです。

まるで幕末の坂本龍馬のよう。
(日本を救うぜよ!みたいな)

これらは、

”力強いリーダーとして
前に立って皆を引っ張る”

イメージに近い
リーダーシップ理論でしょう。

■一方、

『サーバント・リーダーシップ』

という理論もあります。

”召使いのように
下から支える存在であるリーダー”

と言われています。

定義としては、

ーーーーーーーーーーーーーー
「サーバント・リーダーシップ」の要素

・フォロワーを含めた利害関係者が
何を要求しているか理解する
・倫理的な意識を強く持つ
・自己犠牲的である

(Greenleaf,1977)
ーーーーーーーーーーーーーー

とされています。

このサーバントリーダーの行動は、

・耳を傾けること
・共感
・癒やし
・気づき
・説得
・奉仕する心
・洞察
・人々の成長へのコミットメント
・コミュニティ形成

とされています。
(Hunter 1998)

すなわち、

変革型リーダーシップのような
”力強いアプローチ”とは違い、

癒やし・共感・奉仕など
”優しいアプローチ”を通じた

リーダーシップの発揮の仕方もある、
ということ。

つまり、

【リーダーシップの発揮の仕方は、
一つではない】

のです。

■もう一つ例を上げます。

少し話を戻しますが
「中編」で語ったような

「リーダーシップの条件適合論」
(=フィードラー理論など)

も、変革型リーダーシップとは
また違うものです。

これは「業務処理型リーダー」とも呼ばれ、
変革型リーダーとは色が違うものです。

アプローチは

・「仕事のタスク」を明確にする
・「人間関係に配慮」をする
・それによって「部下を動機づける」

というリーダーシップです。

ビジョンを語り、
部下を自己超越をさせる!

に比べて、結構、着実で
派手さがない行動に見えるかもしれません。

しかし実は、

世の中のリーダーシップ論は、
「業務処理型リーダーシップ論」が大半です。

■こんな事を考えてみると
ますます、

【リーダーシップの発揮の仕方は、
一つではない】

とわかります。

■皆様が、どのような
「リーダーシップ」のイメージを持つかは、
人それぞれでしょう。

しかし、もし

「リーダーシップは力強く
高らかなビジョンを語るもの」

と思っていたとしても、

それはリーダーシップの
ごく一部の側面でしかないのです。

リーダーシップの歴史、
そして様々な理論を知ると、
そのことに気づいてきます。

■自分にあったリーダーシップは何か?

、、、そう考えた時に、

きっと自分なりの
リーダーシップの発揮の仕方があります。

最近のリーダーシップ研究によると

”リーダーシップは
誰でも発揮することができるし、
また誰もが発揮することを求められる”

とされています。

皆、リーダーシップを発揮できるし、
発揮しようぜ、と言っています。

リーダーシップとは

”職場やチームの目標を達成するために及ぼす
他のメンバーへの影響力”
(Robbins & Judge(2017)

とされていますが

自分に合った形で、
職場に、チームに貢献する
何かしらの影響力を与えること。

それはないより合ったほうが
全体にとって良いに決まっているし、

自分も求められる人物であり続けるために
大切な視点である、と私は思います。

■今回の3部作でも、

リーダーシップ理論は
ごく一部のみのご紹介でしたが

「百花繚乱」というくらい
たくさんのリーダーシップ論がありますから

自分のリーダーシップスタイルを
ぜひ見つけていく一つのきっかけとして

これらの「リーダーシップ論」を知ることで、
自分の行動にも自信を持つ

一つのきっかけにも
なるかもしれません。

ということで、また機会がありましたら
小出しにしつつ、お伝えさせていただければと思います。

改めて全3回の「リーダーシップの100年の歴史」、
お付き合い頂きましてありがとうございました!

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<本日の名言>

あなたたちは、もっと身近なことから
始めたらどうかしら。

マザー・テレサ(インドの修道女/1910-1997)

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