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『会社の中はジレンマだらけ~現場マネジャー「決断」のトレーニング~』

今週の一冊『会社の中はジレンマだらけ~現場マネジャー「決断」のトレーニング~』

2768号 2021年9月19日

(本日のお話 2658字/読了時間3分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は立教大学大学院の説明会(運営側)でした。

「在校生の声」として仲間とともに
登壇をさせていただきましたが、
改めてこの説明会のプロジェクトも楽しい時間でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。


今週の一冊は、

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『会社の中はジレンマだらけ~現場マネジャー「決断」のトレーニング~』

本間 浩輔 (著), 中原 淳 (著) 、光文社新書



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です。



■組織には
実に多くの「ジレンマ」がありますね。


「ジレンマ」とは、

”どちらを選んでも
 メリットもデメリットもあるような二つの選択を前にして、
 それでもどちらにするか決めなくてはならない状況”
 
と今回の著書では
定義されています。



■例えば、

若手社員からみれば、

「絶対にAするべきです!」

とピュアな視点で断言できることでも

視座が高い部長からすると、
見える世界が違っています。


部長からしても
その「A」という意見は
既に検討はしてきた。

しかし、それを選べない理由、
内部事情があり

かといって政治的なその理由を
若手社員に伝えるわけにもいかない、、、

みたいな状況です。



■人が集まり、
また規模が大きくなると、まさに

”会社の中はジレンマだらけ”

のようです。



■そんなジレンマが満載の組織。

今回の書籍では、そんな

「組織のあるあるジレンマ」

について、

Yahoo!上級執行役員として
人事改革に取り組む人事の本間浩輔氏と、

企業における人々の学習・成長・コミュニケーションを研究する
中原淳教授の対談を収録したものです。

(※2016年出版時の役職です)


この書籍の魅力は

上席執行役員として
「現場」のプロフェッショナルと

人と組織の研究者としての
「理論」的なプロフェッショナルが、

”どんな視座で物事を見ているか”

を教えてくれていることが、
何よりも学びになると感じます。



■では

組織の中で起こるジレンマとして
具体的にどのような話があるのか?


、、、例えば、
こんな話題が挙げられています。



<”現場仕事”が多いマネジャー問題>。



、、、タイトルを聞くだけで

「あるある!」

と思われた方、
いらっしゃるのではないでしょうか?



■マネジャーには
多くのジレンマがある。


まさに

「manage」=なんとかやりくりする

という翻訳になるように、

マネジャーは上からと下から、
ジレンマの渦の真ん中にいます。



■例えば

マネジャーは、仕事を任せていかないと、
自分の手が空かず、他の業務ができません。

かといって、単に「仕事を振る」だけだと、
上からあれこれ言われるし、

部下からは「あの人はいつも丸投げする」と
言われてしまう。

今では「上司の360度評価」もあったりするから、
評価の視点でも、部下にも気を遣う。


”任せ方のジレンマ”です。



■また多くの組織においては

自分のチームのミッションに対応できる人的リソースが
十分に与えられていない場合がほとんどです。

マネジャーは自分のミッション(数字)も
達成しなければいけない。

そんな中、
部下の様子に目配りすることも、
なかなかできない。。。


”マネージとプレイングの
 バランスのジレンマ”です。



■さらに言えば、マネジャーは、

チームの「成果を出す」ことが目的とされつつ、
一方「育成する」ことも役割ともいわれる。

しかし、実際は評価されるのは「成果のみ」

そもそも”育成した”というのは
目に見えず、評価もされづらい。

そんな時に重要な仕事があった。

「長期的な育成」を考えて若手に任せるか、あるいは
「短期の成果」を考えてベテラン社員に任せるか

という選択、どちらを選ぶか。

”育成と成果のジレンマ”です。


、、、と一つの話題を出しても、
まさに「ジレンマだらけ」です。



■その他の「ジレンマ」の話題も、
他にもたくさんです。

例えば、


<なぜ”産休社員”への人員補充がないのか?>
ー部下のワークライフバランスを考えるー

というテーマ。

あるあるな状況が、

・産休社員が出ても、
 チーム全体の目標は変わらない

・状況はわかるけれど、
 その方の仕事を他のメンバーが代わりにやることになり
 次第に不公平感が漂ってくる

みたいなシチュエーション。

そこで、産休社員や他のメンバーに
どのようなメッセージを届けるべきか、
マネジャーとしてどうすべきか、
 
なる問い。。。

悩ましいです。


その他にも、


<なぜ「働かないおじさん」の給料が高いのか>

<なぜ新規事業のハシゴはすぐ外されるのか>

<なぜ転職すると給料が下がるのか>


などのテーマが書かれており、
その中で”モヤモヤとした葛藤”の中で、
マネジャーがどう決断をするか、

、、、について、

本間氏と中原氏の切れ味鋭い意見が
交わされ、実に学びになります。



■個人的に残った言葉が、

「マネジャーに覚悟があるか」

なる問いでした。


マネジャーは
様々なジレンマを抱える”定め”にある。

ゆえにその中で、出来る範囲で
チームを一生懸命に動かして、

それでも成果が出なければ、
自分で責任を取る、くらいの気持ちを持つこと。


大げさに聞こえるかもしれないけれども、
そういう覚悟がマネジャーに必要とされているし、

評価権が与えられているからこそ、
マネジャーは高い倫理観を持たなければならない、

というメッセージでした。


「ジレンマの中で決断をする」

マネジャーは大変な役割で、
実にストレスがかかることで、
ゆえに”胆力”も必要なことなのでしょう。


だからこそ、
精神論のようですが

”マネジャー自身の覚悟が必要ではないか”

いうのは、納得できる話だな、
と思ったのでした。



■また中原教授いわく


”人にまつわる課題には
 そんなにバリエーションがあるわけではないし、
 
 部下にどう仕事を任せるかというやりくりや、
 育児や介護に悩む部下を抱えている職場のやりくりは、
 どこの会社でも必要とされている。
 
 だから、マネジャーがこの課題にちゃんと取り組んで
 結果を振り返りながらマネジメント能力をつけていけば、
 それは他社にいっても使える”


とのことでした。


この書籍では、
人にまつわるジレンマの
具体的な事例が書かれており、

・どんなジレンマの
 バリエーションがあるのか

が書かれています。


ゆえに、

今まさにジレンマに迷うマネジャーにも
人にまつわる課題のレパートリーを増やし、

その中で自分の考えを整理する上でも
役に立つ一冊です。


また、リーダー、マネジャーの立場でない方にも
より高い視座を身につける上で役に立つ書籍かと思います。



■組織のジレンマの中で

ジレンマを抱えつつ
前を向かれている、向こうとする方に
ぜひ読んでいただきたい一冊だな、

と思った次第です。

いやはや、考えさせられました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『会社の中はジレンマだらけ~現場マネジャー「決断」のトレーニング~』

本間 浩輔 (著), 中原 淳 (著) 、光文社新書



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