メールマガジン バックナンバー

2786号 2021年10月7日

「ホランダーの特異性-信頼理論」からリーダーシップの発揮を考える

(本日のお話 1,882字/読了時間2分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は7つの習慣研修実施の立ち会い。
その他研修企画、打ち合わせなど。
また6キロのランニング。



さて、本日のお話です。

ある論文で

「リーダーがどのように
信頼を得て、変革していくのか」

について語られており、
その内容がなかなか興味深いものでした。

1970年代のものですが、
今日はその論文からの学びと気づきを
皆さまにご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、

【「ホランダーの特異性-信頼理論」からリーダーシップの発揮を考える】

それでは、どうぞ。

■リーダーシップのある研究で

『社会的交換理論』

なる考え方があります。

そして、それらを踏まえた
とある論文があります。
(Homans,1974)

内容は、

”リーダーとフォロワー
それぞれ何かしらの報酬を
取引しあっている”

というお話です。

■例えば、

・上司(リーダー)が
提案や指示、命令をして

・部下(フォロワー)
がその内容を受け取り実行する

という状況があるとしましょう。

この状況で

「お互い報酬を
取引し合っている」

とするわけです。

具体的には、

・上司は部下が自分やチームの方針に
従ってもらうために「報酬」を与える

そして

・部下は、提案、指示、命令に従うと
何かしら「報酬(評価等)」が得られる

と期待する。

そしてこの「取引」が成り立っているから
部下は上司の提案・指示に従う、

という考え方です。

■たしかに言われてみれば、
なんかわかる気がしますね。

”部下は上司の言うことを
聞くものだ”

という規範的な考え方も、
「それを守って得られる安心感」=報酬とも
考えられることを含めて

何かしらのメリットがあるから
受け取り実行する、というのは
実に納得できる考え方です。

■…とすると、
上司にとっては望ましくない事も
起こりえるでしょう

例えば、もし部下が

「この上司の言うことを聞いても
何もメリットがない」

と思ったとしたら

「部下は上司の言うことを聞かない」

となってしまいます。。。
(取引が成立しないため)

そうなると、上司としては
ピンチでございます。

特に、昔のように

上下のパワー(指示命令)を発動させるという
社会的な規範も薄くなっているように見えるので

特に上司の提案は、
受け取りづらくなっている(のかも)

とも思います。

■では、どうすれば、
上司は部下に動いてもらうことが
できるでしょうか?

堅苦しく表現すれば

”どうすれば「社会的交換関係」を
結ぶことができる”

のでしょうか?

■このことについて、

【ホランダーの特異性-信頼理論】
(Hollander,1974,1978)

なる論文が参考になります。

なんだか、複雑そうなタイトルですが
意外とシンプルなお話です。

■内容は、

「リーダーがフォロワーから
信頼を獲得していくプロセス」

を以下のように定義しました。

簡単にまとめてみますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ホランダーの特異性-信頼理論>

リーダーがいかにフォロワーから
信頼を獲得していくかという過程を紐解いたもの。

◯STEP1)「同調性」を示す

集団に所属したら、まず
フォロワーに認められるために
「集団の規範(ルール)」を守ること。

明確なもの、暗黙なもの、いずれにせよ
集団の規範に忠実であることで、信頼を獲得できる。



◯STEP2)「有能さ」を示す

集団に課題達成できるような能力を示す。

具体的には、リーダーが
集団が優先する課題の達成に積極的に貢献することで
さらなる信頼を獲得していく。



◯STEP3)「信頼を蓄積」し、期待される

「信頼を蓄積」することで
リーダーシップを発揮する基盤が築かれる。

信頼を勝ち得ることで、変革行動をすることを
フォロワーから求められるようになる。



◯STEP4)変革を実行する

リーダーシップを発揮し集団を変革していく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

という内容。

■すなわち、

1,「同調性」×「有能さ」

2,「信頼の獲得」

3,「変革を期待され」

4,「変革行動をする」

と結んでいます。

これはリーダーシップの発揮、
という文脈で語られていますが

『信頼を蓄積し、結果として
リーダーシップ行動が発揮できる』

というわけですね。

■人は、なんだかかんだで

合理的に判断する側面が
あるものだとも思います。

とすると、

「期待に答えてくれるという信頼」

こそが、誰かを巻き込み、
そして動いてもらうための一丁目一番地、

と言えるのでしょう。

リーダーシップの発揮はまずは
「信頼の獲得&蓄積」から。

当たり前のようで、とても大切な
「信頼」の存在を考えさせられる論文だなあ、

と思った次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

果実を食べる者は少なくとも、
種子を植えるべきだ。

ヘンリー・デイビッド・ソロー

==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す