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1667号 2018年9月9日

今週の一冊『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』

(本日のお話 2203字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

さて、本日はこれから
54キロのトレイルランニング。

山を3つ、登って降りてを繰り返し、
累積高度約2000メートルのレースとなります。

ふと思えば、このようなハードなレースに出たのは、
3年前、初めてウルトラマラソン(100キロ)に
出場したのがきっかけでした。

しかし、それから合計3回のウルトラマラソン、
トライアスロン、トレイルレースなどを経る中で、

「54キロのレース」=「普通のこと」

と脳内メモリが書き換わっていきました。


、、、多分、やったことがない人は、
「変わった人」と思うのでしょうが、
一度参加してみると、

「ただ走ることは、特別なことではない」

と思えるようになるのです。
(参加した人、皆がそういいます)



世の中にはクレイジー(に見える人)は
いくらでもいるもので、例えば、

・裸足で100キロ走る人、
・70歳を超えて100キロ走る人、
・重そうなきぐるみを着て100キロ走る人、
・巨体で100キロ走る人
・尋常じゃないスピードで100キロ走る人、

など、想像を絶する人がいて、
度肝を抜かれます。


”自分の基準”というのは、あくまで
”自分の視点”であるもの。

こういったレースにでると、
そんなことに気付かされると共に、

”自分の限界値を破壊される”

ため、上昇志向がある方には、
本当にオススメです。

たかが運動、されど運動です。

自分の壁を打ち破ると、
世界の見え方が変わります。

ということで、今日のレースも楽しんで来たいと思います!




さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。


今週の一冊は、

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『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』 (著:山本 昌作)



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です。


■「物凄い面白い本です。ぜひ読んでみて下さい!」

そう、お世話になっている人生の先輩である、
ダイヤモンド社に務めるある部長さんから、
とある本が送られて来ました。

それが、

『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』

という本でした。

正直、「鉄工所」について、
私は縁もゆかりもありませんから、
つい「積ん読」状態で、机の上に置いてありました。


、、、しかし、先日、
実際に手にとって読んでみると、
ワクワクが止まらない、素晴らしい内容で驚いたのでした。


そこには、一見「鉄工所」とは関係ない」
深い、原則のような事が書かれていました。


・仕事の未来の姿とは?

・楽しく働くとはなにか?

・モチベーションはどうすれば高まるのか?

そして、

『これからの日本が逆転する方法』

についてもヒントを感じる、
そんな本なのでした。


■この「遊ぶ鉄工所」はヒルトップ株式会社、
という会社について書かれたものです。

この会社は、もともとは、
「有限会社山本精工」という、
”よくある町工場”でした。


自動車会社の孫請け会社として、
パーツを量産する。

1社に依存しているから、
親会社の意向には逆らえない。

油まみれの工場で、
昔気質の職人が同じことを繰り返す。

そして利益率はあまりなく、
モノづくりの未来も、あまり明るくないようだ。

若者も、採用がしづらくなり、
これからの事業継承も悩みのタネ。

これからの未来がどうなっていくのか、
不安だからけである。

かといって、この構造を
どうにか出来るわけでもない。。。

、、、

そのような会社であったそうです。


まるで今

”「モノづくり大国日本」が抱える課題の縮図”

のような、そんな会社だったのです。


■しかし、そんな中、
この「遊ぶ鉄工所」は、

「驚くほどの経営改革」

に乗り出します。

それは、社長の想いから始まりました。

油まみれの、人気がない町工場では終わらせない。
そうではなく

「白衣を着て働く工場にする!」

「単純作業はやらない。
 人間がやる仕事は「頭を使う」仕事だ!」

「楽しくなければ仕事ではない!」

、、、

そう言って、”職人”に依存していた技術を、
皆で集約して、IT化することに決めたのです。

”大量生産”から、
手間がかかる”単品”へシフト。

売上の6割以上あった、親会社との取引もなくす。
1社には依存しない。

そして、日中は、手を動かさす、
「パソコンでプログラム」をする。

単純作業は、家に帰った後の夜間、
設定した機械に加工を行わせる。
朝会社に来たら、製品ができている。

、、、

膨大なトライアンドエラーのもと、

”よくある町工場”が、
”未来の鉄工所”を実現していったのです。


■ピンク色の本社。

全面ガラス張り。

最上階には、浴場と、スポーツジム。

キレイで開放的な社員食堂に、
壁のない美しいオフィス。

外国人社員も10名。
若い社員も入社を続々と希望。

取引社数も3000社を超え、
ディズニー、NASAからも仕事の依頼が来る。

毎年2000人が見学に来る。


「本当に、”油まみれの町工場”からスタートをしたのか?」


と思えるほどの変貌で、
それを実際に成し遂げたストーリーに、

『未来の日本の町工場の可能性』

を感じずにはいられない、
そんなエネルギーを感じる一冊なのです。


■世の中がIT化、オートメーション化する中、


”日本の職人は必要なくなる”

”日本の技術はテクノとジーにとって代わられる”


などという、見えない不安が、
今の社会を取り巻いているように私は感じます。


しかし、世の中は、

”大量生産、大量消費”の時代から、
”1点モノ、自分だけのモノ”の時代へと、

シフトしつつあります。


そんな中、

・日本の手先が器用な文化、
・より良いものを目指していこうとする文化

それを、未来の技術の進化と融合した、
起死回生の一つの答えを示してくれている、

それが、この、

『遊ぶ鉄工所』

に記されていることではないか、、、

私はそのように思い、
心をときめかせずにはいられませんでした。


■もしかすると、
直接に関わりがある話ではないかもしれません。

しかし、この”普通の町工場”が、
”光り輝く鉄工所”へと変貌を遂げたプロセスは
多くの方にとって、勇気を与える物語であるはず。

ぜひ、

・経営に関わられる方
・イキイキと働ける職場づくりに興味がある方
・モノづくりに関わる人
・これからの日本のあり方を考えたい方

などは、お読みいただくと、
きっと発見があると思います。

山本社長の壮絶な人生も必見です。

いやはや、とにかく素晴らしいです。

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<今週の一冊>

『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』 (著:山本 昌作)



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