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2867号 2021年12月27日

「パーパス・ステートメント」を実行する7ステップ

(本日のお話 2756字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日より少し早めの冬休みをいただき
奥日光に来ております。

外が寒くて実質部屋に籠もっておりますが
雪景色が季節を感じられるのが良い感じでございます。



さて、本日のお話です。

先日読んでいた

『働くことのパーパス』

よりご紹介させていただきたい
お話があります。

内容は

・パーパス(目的)がもたらす効果
・どのように働くパーパス(目的)を設定するか

についてです。

内容が具体的でしたので
この年末年始に振り返る
とてもよいネタになるかな、と感じ、
ご紹介させていただければと思いました。


それでは早速まいりましょう!

タイトルは



【「パーパス・ステートメント」を実行する7ステップ】



それでは、どうぞ。



■著書によると、

・ビジネスの専門家は、パーパス(目的)こそ
 比類ないパフォーマンスを実現する
 秘訣だと主張した
  
・心理学者によると、
 パーパスを持つことは
 より大きな幸せへ続く道だと言った

・医師の研究結果では、
 人生のパーパス(目的)を持った人は
 病気になりにくい
 
ことがわかった、とのこと。


実際に、こんな風に語られると

「パーパス(目的)」

を持つことは、
少なくともマイナスにはならないのだろう、

と感じさせられます。



■一方、こんな話もあります。

組織を率いるマネジャーや
企業幹部などが、

「人生の/働く目的は何か?」

等、個人的なパーパスを
はっきり認識しているかというと、

”認識しているリーダーは
 20%にも満たない”
 
というのが現状だそうです。


所属組織のミッションは言えても、

「自分自身のミッションはなにか?」

を明確な言葉(ステートメント)として
もっているリーダーは更に少ない、

などと言われます。



■また同様に、

パーパス(目的)を
仮に持っていたとしても、

”パーパスを行動に移すための
 明確なプランを持っているものがいない”
 
というのも問題である、とのこと。

自らの夢に制限をかけて、
仕事やプライベートで、

自分がいちばん成し遂げたい
大きな目標を達成できない、

…そんなことも
起こっているようだ、とのこと。



■そんな背景の上で、

ニック・クレイグ
(オーセンティック・リーダーシップ・インスティテュート プレジデント)

スコット・スヌーク
(ハーバード・ビジネス・スクール准教授)

の両名が、

『目的を成果につなげる「パーパス・ステートメント」』
の論文において

「個人的なパーパスを設定し
 行動に繋げるための方法」

を一例として、
以下紹介しておりました。


※特に「リーダーシップを開発する」
 という文脈で書かれています。


(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【パーパス・ステートメントの実践プロセス】

<STEP1:パーパス・ステートメントを作成する>

◯(最初の作業)

自分が何者なのか、
自分がこの場所にいる理由をはっきりさせる。

最初の作業として、
自分の人生のストーリーを掘り起こすことである。

自分の本質、生来持っている強み
価値観、情熱ー

自分の元気の源で喜びをもたらすものを
見極めることから始まる。


◯(有効な問い)

Q、子供の頃(善悪や好き嫌いについて世間的な分別を教えられる前)に
 何をしている時が一番好きだったか。その様な瞬間、
 またその時に感じたことはなにか。
 
Q、人生で最も困難だった経験を2つ挙げる。
 その経験は、人格形成にどのように影響しているか。

Q,人生の楽しみのなかで、自分らしく生きることに
 役立つものはなにか。


◯(パーパス・ステートメントの作成)

あなた自身の言葉で、明確かつ簡潔な宣言文を作成する。
あなたを動かすものであることが必要である。

*悪い例:
 自分と他者の成長と能力開発を継続的かつ一貫して
 促進・支援し、優れた業績へ導く
 ↓
*良い例:
 不屈の精神で輝きを生み出す(自分の言葉、自分に刺さればOK)



<STEP2:理由を説明する>

なぜそのステートメントになったのかを
自分の言葉で説明をする。



<STEP3:3~5年後の目標を設定する>

数年先のことならば、
現在どれほど幻滅を感じていたとしても、
自分が目的のために行動している姿を想像することができる。

よって、最初は3~5年後の目標を
パーパス・ステートメントの言葉を使って
設定することが望ましい。



<STEP4:2年後の目標を設定する>

長期的な計画に向けて、
どの様な準備が必要だろうか。

プライベートへの対応も含めて
どのような状態が理想化を描くこと。



<STEP5:1年後の目標を設定する>

現実レベルの話になってくるため、
難易度が高まってくる。

「もし現在自分がやっていることが
 パーパスとかけ離れていたらどうするのか」
「どうすれば現状から目標にたどりつけるのか」

という現状を持つ人もいる。

その場合、2種類の対応方法がある。

1)一部の作業の進め方を変更する、
 あるいは今の仕事の部分を目的にあった表現で
 定義しなおす
 
2)目的と100%合致した行動を付け加える。
 自分を元気づけたり周囲に自分の強みを
 示したりする行動にほとんどの人は5~10%程度
 時間を割いている。そこを活用する。
 


<STEP6:重要な次のステップをマッピングする>

6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月で実行すべき
重要なステップは何かを考える。

小さな勝利を積み重ねることの重要性は
殆どのマネジメント手法で実証されている。

職務要件からではなく、
パーパス(目的)や夢に照らして
最も重要なアクティビティや結果リストをつくること。



<STEP7:重要な人間関係を分析する>

最後に、計画を現実に変えるために
必要となる重要な人間関係に注目する。

目的に沿った行動を徹底する際に
力になってくれるひとを3人ピックアップする。


※ニック・クレイグ、スコット・スヌーク『目的を成果につなげる「パーパス・ステートメント」』より
 引用、著者編
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)



■大きなステップとして

1,自分のパーパスを価値観等から
  描き出す

2、中長期(3~5年)で
  目的にそった目標を描く
  
3,2年、1年と段々と現実に
  近づけていく
  
という方法です。


実際に、

パーパスを言葉にすること自体、
なかなかに骨が折れる内省の作業だと思います。

また、大きな目的を描くにも、
イメージを拡げるために必要なことも、

書かれている事以上に
更にあるかも思います。



■しかし、大事なことは、

「時間軸にとらわれずに、
 本当に自分がしたいことはなにか」
 
を大きく捉えて、

そこから逆算をするという
思考方法なのだろう、

とこの論文からは
改めて思わされました。



■つい、年を重ねると
現実的なことが想像できるがゆえ

その延長線上で1年を考えがちに
なることも少なくないかもしれません。

しかし、5年あれば、
全く違った未来を描くことも、
きっとできる(はず!)と思います。


年の瀬だからこそ、

「自分のパーパス(目的)は何か」

これを改めて問うてみたい、
と思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人生における真の喜びは、
偉大な目的だと自分が思えるもののために
生きることである。

ジョージ・バーナード・ショー

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