メールマガジン バックナンバー

2924号 2022年2月22日

リモートワークで失われたものを取り戻す ~体験型ワークショップを通じて~

(本日のお話 2152字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日月曜日は、2件のアポイント。

午前は天気があまりによかったので、
仕事の合間に妻と子供と散歩に行っておりました。

気晴らしにこういうことができるのが
リモートワークの良いところだな、などと思った午後。



さて、本日のお話です。

先日、立教大学大学院にて
「リーダーシップワークショップ演習」という
3日間の授業がありました。

約1年学びを共にした仲間と、
身体と感情を使いながら
3日間学びを共にいたしましたが、

その中で改めて
「対面で得られること」について
考えさせられました。

本日はそのお話について、
皆さまに学びと気づきを
ご共有させていただければと思います。

それでは早速参りましょう!

タイトルは

【リモートワークで失われたものを取り戻す ~体験型ワークショップを通じて~ 】

それでは、どうぞ。

■突然ですが、

「ハロー効果」

と呼ばれる心理学の用語あります。

曰く「ハロー効果」とは、

ある対象を評価するときに、
目立ちやすい特徴に引きずられて
他の特徴についての評価が歪められる現象のこと。

例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても
権威があると感じてしまうことや、
外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。
(Wikipediaより)

とのこと。

■確かに、

「有名大学出身」とか
「大企業出身」とか
「重役っぽい役職・肩書」などあると

わかりやすいそれらの特徴に
つい目がいってしまいます。

そして、

「さぞかし優秀なんだろう・・・」
「頭が切れるのだろう・・・」

と安易に判断してしまうことがあったり。

■ハロー効果を含めて、
一度頭に焼き付いたそれらのイメージは
意外と強固なものです。

なので事あるごとに、

自分のイメージと一致する
その人の行動が目について、

「さすが、◯◯さん。
いつもながら極めてロジカルだ」とか

「△△さんは、相変わらず
穏やかで聞き上手だ」とか

その人のイメージが強化され、
ますますその人の「一部分」ばかりが
肥大化していったりします。

■そしてこのハロー効果にも見られる
バイアス(=レッテル貼り)は、

「特にオンラインにて起きやすい」

と感じています。

、、、というのも、

”オンラインは情報量が少ない”

から。

対面の機会がたくさんあれば

自分以外の誰かと話をして、
思わぬ力強さを見せていたり、

怪我をした小鳥を助けていたり
(みたいなシーンがあるかは謎ですが)

”ふとした意外な一面”が
偶然にも垣間見えることがあります。

しかし、オンラインでは、
そのような偶然の機会はほぼ訪れません。

画面上で見える一つの顔、
ミーティングならミーティング用の
”特定の役割の顔”しか見せませんし、
同時に見えません。

ゆえに、

”誰かに対しての印象は、オンラインでは
上書きされる機会が極めて少なくなる”

と思うわけです。

■そして、
そのことを痛感したのが、
冒頭にお伝えした大学院での対面型の

「リーダーシップワークショップ演習」

でした。

ちなみに、このワークショップでは、
”遊び”を通じて、感情を使いながら
お互いに体験を通じて学び合います。

例えば、

・風船を膨らまして身体に挟んで遊んだり、
・大なわとびをしてみたり、
・二人三脚的なことをしてみたり
・サイコロを使ってなぞなぞ的なものをする

などなど、

まるで小学校の
お昼休みの遊びのような体験から
座学では学べないことを学びます。

そうすると、恥ずかしながら
仲間に対して無意識に感じていた”レッテル”が
上書きされていくのを感じたのです。

■ガラリと印象は変わる、というよりも

・ロジカルだと思っていた人の
チャーミングな一面が見えた

とか

・大雑把だと思っていた人の
情にアツい一面が見えた

とか

・強がっていそうな人の
繊細な側面が感じられた

ということが凝縮されて、
短期間でダイレクトに感じられ、

その人の別の顔、奥行きのようなものが
印象に加わって、立体感や温度感を感じた、、、

という感じでしょうか。

■実質、大学院の仲間はほぼオンラインでの対話。

対面では会うことがありませんでしたが、
このような対面での「体験型ワークショップ」を通じて

「相手に対する興味が湧いたり」
「もっと自分をさらけ出してもいいかも」

という感覚になったのが
非常に新鮮なのでした。

そして、

「リモートワークで失われたものを
取り戻したような気がした」

と感じました。

■改めて思うのが、

人と人が向き合うことは、
喜びや刺激もあると同意に、怖さもあると、
少なくとも私は感じます。

自己開示をしているようで
誰かに自分を晒すことは、
やっぱり怖かったりします。

ゆえに人は

自分のことを受け入れてくれるだろうか、、、
否定されないだろうか、、、

という不安を大なり小なり抱えながら
人は人は相対しているのだと思います。

それを対面で会い、
そして普段見せない側面を「体験型研修」等で
意図的に見せ合う機会を作ることで、

バイアスがかかった一方向からの
平面的な顔をもった誰か、ではなく

様々なことを感じている、
立体的な顔を持った人間として
理解をすることができるのだろう、

と感じています。

■オンラインが当たり前になると
すぐに話もできるし、とても便利です。

しかし同時に、その便利さの影で

失われていることを自覚することが、
とても大事なのだろうな、

と思った次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

==========================
<本日の名言>

人は握手する時、その手は無言のうちに
さまざまなことを伝えてくれる。

ヘレン・ケラー(米国の社会福祉活動家/1880-1968)
==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す