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3088号 2022年8月5日

放置プレイが役に立つ?!「自由放任型リーダーシップ」

(本日のお話 2056字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は6件の個別コーチング(やるほう)
また1件のコーチング(受ける方)、
ならびに1件のアポイントでした。



さて、本日のお話です。

大学院の夏休み中にある集中講義で
「リーダーシップの理論」について学ぶのですが、
それに伴って、課題をまとめておりました。

その中でリーダーシップについて、
まとめる中で、興味深いなあ、、、
と学びになることがありました。

本日はそのお話について皆様に
共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは、

【放置プレイが役に立つ?!「自由放任型リーダーシップ」 】

それでは、どうぞ。

■「リーダーシップの理論」は
実に様々なものがあります。

そのリーダーシップ研究の中で
1/3を占めるとも言われる
とても有名な理論が

”変革型リーダーシップ”

なるものです。

※1年半前、大学院の受験前に書いたメルマガで
結構がんばってまとめておりました。
↓↓
『リーダーシップ理論を紐解こう!(中編)~カリスマ型・変革型アプローチってなんだ?』
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9758/

しかし、ほとんど書いたことを忘れているのが残念でございます(汗)
勉強は復習が大事みたいです。

■さて、ちなみに、
『変革型リーダーシップ』とは何か、というと、

一言でいえば、

”人を変容させるプロセス”であり、
”フォロワーが期待されていることを達成するように仕向ける
特別な影響力を持つリーダーシップ”

などと言われています。

例を挙げるなら、マハトマ・ガンジー。
インドの何百万人の希望を集め、自分を変え、国を変えました。

■しかしほとんどの組織の管理職が
通常行っているリーダーシップスタイルは
これではありません。

組織の多くで使われているリーダーシップは、

『交換型リーダーシップ』

と言われるものです。

これは、
リーダーとフォロワーの間で起こる”交流(取引等)”に
焦点を当てたリーダーシップモデル。

例を挙げるなら、

・新しい税金を導入しない、と約束して票を獲得する政治家
・目標を達成した社員に昇進をすすめるマネジャー

などです。

「コレしてくれたら、アレあげるよ」
という取引(交換)ですね。

■どちらもリーダーシップのスタイルです。
しかし、

”変革型リーダーシップのほうが
交換型リーダーシップよりも影響度が高い”

と言われています。

また、

”良い条件で優遇してくれる交換型リーダーがいても
信頼できるとは必ずしもみなさない”(Notgrass,2014)

とのことで、やはり変革型リーダーシップに
その影響力の大きさには軍配があがるようです。

■そして、興味深いのがもう一つあります。

それが、

『放任型リーダーシップ』

と呼ばれるもの。

これは、影響力が最も小さい
リーダーシップスタイルです。

言ってしまえば、
「リーダーシップでもなんでもない」
とも思える内容です。(←個人的な感想)

フランス語では
「レッセ・フェール(Laissez-Faire)」=自由放任主義
という言葉で、なんだかオシャレな感じですが、

この自由放任主義のリーダーの特徴は
以下のようなものです。

・手を貸さない。
・責任を放棄し、決定を遅らせる。
・フィードバックを与えない。
・フォロワーがニーズを満たすのを助ける努力をほとんどしない。

、、、とのこと。

ひどいです(苦笑)

例えとして挙げるならば、
”工場長とのミーティングを招集せず、
会社の長期的な計画を持たず、孤立した行動をとり、
従業員とほとんど接触しない小さな製造会社の社長”だそうです。

本当に何もしないじゃん!
リーダー失格じゃん!

と腰を抜かしてしまいそうになります(汗)

■、、、がここで興味深いのが、

最近の研究において、
こんな事が言われていることです。

”自由放任型のリーダーシップは
伝統的にネガティブな見られ方をしている一方、

フォロワーの能力を認め、委ね、依存を減らし、
自己決定力を高めるためのリーダーの戦略的行動選択である可能性がある”
(Yang,2015)

とのこと(!)。

■更には、こんな研究もあります。

”リーダーが変革型リーダーシップの行動と
自由放任型リーダーシップならびに
交換型リーダーシップの要素を組み合わせたときに、
最も効果的になる可能性があることを示している”
(Antonakis& House、2014)

とのこと。

え、、、自由放任型のスタイル(放置プレイ)も
使いように寄っては役に立つのか、、、。

そんな驚きをまとめつつ
感じておりました。

■ここで思ったこと。

それは、いくつかリーダーシップの理論をまとめながら
「ああ、やっぱり正解はない」という至極当然のことと、

『適切な行動とは
文脈によって決定される』

ということを改めて感じておりました。

今置かれている文脈、

・周りの環境
・自分(リーダー)への期待・ニーズ
・フォロワーの質
・必要なタスク
・これまでの経緯

などを分析した上で、
何が適切な行動かは変わってくるもの。

場合によっては、

「オレ(社長)、何もしないから。後ヨロシク」

のほうが(戦略的行動であれば)
役に立つこともゼロではない、ということ。

■ゆえに、役に立たないと
一見思えることについても

違った視点でみてみると
使いようがあるように思ったのでした。

放任型リーダーシップすら
プラスにはたらくことがある、
学びながらちょっとした驚きを感じた次第でございます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

視点を変えれば不可能が可能になる。

ハンニバル・バルカ

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