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3090号 2022年8月7日

今週の一冊『リーダーシップの理論』

(本日のお話 2256字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は大学院の授業。
「リーダーシップの理論」を学んでおりました。

改めて掘り下げることで
色々な種類のリーダーシップの考え方と、
それぞれの強みと限界を整理することができて、

盲目的にならず、適切な距離を起きつつ、
建設的に使えるようなイメージが湧いています。

楽しく、充実した知的な週末です。
実にありがたい限り。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、
========================

『リーダーシップの理論』

石川 淳(著)


========================

です。

まさに今回、大学院の授業で学んでいる
バイブル的な本です。

それでは、早速参りましょう。

■「リーダーシップ」。

この言葉は誰にとっても、
なにかしら印象を持つ言葉ではないか、
と思います。

例えば、

・今まさに管理職として チームをマネジメントしている。

・学生時代、部活やサークルで部長をやっていた。

・アルバイトで、シフトリーダーをやっていた。

・飼育係でウサギの世話を全面的に任されていた

などなど、

これまでの人生の中で、
大小問わず、何かしら

”目標に対して他者に何かしらの影響を与えた”
(=リーダーシップを発揮した)

経験がある人は、
少なくないのではないでしょうか。

あるいは、フォロワーとして
リーダーシップの影響を受けた経験がある人も含めると、
ほぼ全員が何かしらの形でリーダーシップを感じているのでは、
と思います。

■ゆえに、誰しもが
リーダーシップのイメージを多少なりとも持っている。

そして特に発揮する側であった場合
それぞれが「リーダーシップの持論」を持っていたりもします。

、、、しかし、です。

こうした”持論だけ”では
限界もあるものです。

それは言い換えると、

『「KKD(勘・経験・度胸)の限界』

とも言えるかもしれません。

確かに、

「あのときの自分は上手くいった」という”経験”や、
「言葉に出来ないけどうまくいく感覚がある」という”勘”は、

試行錯誤の末にたどり着いた
自分の中の暗黙知であり役に立つものです。

自分の強みとか、その時の文脈で、
言葉に出来ないけど編み出された知恵であり、
貴重な武器です。

■、、、しかし、
それはある特定の文脈で使えるもの、
とも言えます。

時代は変わり、環境も変わり、
対象となる相手(部下等)の考えも
変わったとき。

かつて自分を取り巻いていた要因と、
今取り巻く要因が変わっている時に、

”N=1”の自分の経験だけに頼っても、
うまくいかないことも起こるものです。

その中でKKDだけに頼ると、

「あれ、、、?前の部下では
ガツンと言って上手くいったのに、
今年の若手は辞めてしまった、、、」

とか、

リーダーシップについて部下に”教える”場面で

「自分はこうやってリーダーシップを発揮した。
だからキミもできる。YOUやってみなよ!」

と全然相手に刺さらない、
自分にしか当てはまらない持論を
押し付けてしまう、、、

となる可能性もあります。

■、、、余談ですが、

自分が新卒で
飲食店の正社員として勤務しているとき、

店舗マネジメントの際に、
そのエリアのスーパーバイザーから

「リーダーはデカい声なんだ!
だからお前も常にデカい声で話せ!」

と指導されたことがありました。

そういうキャラじゃありません、できません。。。
と思いつつ、

ジっとその人が見てくるので、
一時的に大声で喋り続けていたことを
思い出しました(汗)

成果が出たかどうかは、わかりません。。。

■つまり、何が言いたいかというと
繰り返しになりますが、

”持論は限界もある”
ということ。

■そんな中で、

そう、『理論』が役立つのです。

もちろん、理論が使える文脈も限界はあるもの。
万能ではありません。

それでも持論に比べて、
多くの人・状況において
当てはめることができます。

理論とはこれまでの実践家である先人達の経験知を、
研究者たちが然るべき手法で蒸留した
エッセンスのようなものです。

決して持論を否定するわけではないですが、
他者の知恵を、先人達の努力を使わない手はありません。

それが、もしシンプルにまとまっているとしたら、、、

せっかくなら、学んでみたいと
思うのではないでしょうか?

■、、、という中で、今回ご紹介する

『リーダーシップの理論』。

この本では、
リーダーシップ研究の120年の歴史の中で、

多くの研究者を始めとした知識人の視点、
また時代の風雪を耐え抜いてきたエッセンスを、

あるいは今まさに注目を集めている理論を
まさに250ページの中に凝縮しています。

それは、

私だけの、N=1ではなく、
古今東西の人々の、N=数千~数十万の知見の集合体

といっても、過言ではないかと思います。

ゆえに、

「信頼できるし、役に立つ」

のです。

■そして上記の内容を

立教大学大学院の経営学教授であり
リーダーシップの専門家の石川先生が
わかりやすくまとめてくれています。

ちなみに今大学院の授業で、
まさにこの本の内容に沿って
リーダーシップの歴史と理論の知的な旅をしていますが、
本当に面白いです。

いちユーザーとしてもおすすめです。



、、、ということで、
以下、本の内容のご紹介でございます。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<書籍『リーダーシップの理論』のご紹介>

「理論は難しくて理解しづらい」?
「理論など現場では役に立たない」?

難しいと思われがちな理論は、
実はわかりやすく、
面白く、実務の役に立つ!
経験や勘に加えて「理論」という武器をもち、
応用力のあるリーダーシップを発揮できるようになる1冊。

最新の理論はもちろん,
時代の変化に合わせて発展してきた
理論の流れにそってわかりやすく解説。

中原淳氏(立教大学経営学部教授)推薦!

<目次>
第1章 理論を知っているかどうかで差がつく時代の到来
第2章 120年の研究を一気に読む ―リーダーシップ研究の流れ
第3章 資質アプローチ研究
第4章 行動アプローチ研究
第5章 コンティンジェンシー・アプローチ研究
第6章 変革型アプローチ研究
第7章 その他のリーダーシップ研究
第8章 リーダーシップ持論2.0へ

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

リーダーシップ関連の本は、いくつもありますが、
最もまとまっていて、理論を俯瞰できる本だと感じます。

よろしければ、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

『リーダーシップの理論』

石川 淳(著)

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