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2261号 2020年4月30日

今週の一冊(続・番外編)『ポジティブ心理学の挑戦 ~”幸福”から”持続的幸福”へ~』(2)

(本日のお話 2455字/読了時間3分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日火曜日は2件の打ち合わせ。
また、1件のコーチングでした。

重ねて、研修の企画など。



さて、本日のお話です。

昨日、今週の一冊(番外編)ということで、
『ポジティブ心理学の挑戦 ~”幸福”から”持続的幸福”へ~』
という本をご紹介させていただきました。

今日も、その続きをご紹介できればと思います。


タイトルは、


【今週の一冊(続・番外編)『ポジティブ心理学の挑戦 ~”幸福”から”持続的幸福”へ~』(2)】


です。





■昨日お伝えしたお話が、

”幸せ”という曖昧な言葉から
一歩進んだ「幸福理論」へと、

ポジティブ心理学
(心に病を持った人でなく、普通の人をよりよくするための心理学)
は発展してきた、というお話でした。

ちなみに、「幸福理論」とは

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「幸福理論」の3つの要素

1)ポジティブ感情(楽しい、歓喜、恍惚感、心地よさなどの快の人生)

2)エンゲージメント(フロー、時が止まる感覚、充実した人生)

3)意味・意義(自分よりも大きいと信じるものに属して、そこに仕える生き方)

→ これらの3つの要素が「人生の満足度」を決めるとする。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ということをお伝えしました。


■こんな風に言うと、
私のような素人目からすると
「「幸福」もだいぶ細かく分析されてるんだなー」

くらいに感じたのですが、
この書籍を少し読み進めると、ところがどっこい。


ペンシルベニア大学心理学部で、
ポジティブ心理学の大家であるセリグマン教授曰く、

「幸福理論は、未熟であった」

と早速、語るのでした(!)。



■そして、セリグマン氏が考えを改め、
今、新・ポジティブ心理学として提唱されているのが、


『ウェルビーイング理論』


というものです。

その名の通り、

ウェルビーイング(Well Being)。
直訳すると「良いあり方」です。

氏曰く
「幸福ではなく、”持続的な幸福”(Flourish)」
ということだそう。



■ちなみに、何が未熟だったかというと、

「これまでの幸福学は、
 人生の満足度、すなわち”気分”を測定するもの」

という前提があると言います。


ただ、前提として
「自分がどれくらい良い気分でいるか」
という項目は、あくまで主観であり、気分。

そこに重きが置かれすぎていて、
「じゃあ、明るく楽しくないと本当に幸せじゃないのか?」
という疑問を呈したのでした。


■かつ、学術的な視点からすると、先述の

1, ポジティブ感情
2,エンゲージメント、
3,意味・意義

が「幸福理論」の要素に入っていても、
実際は、人生の満足度=気分に左右されすぎる、

ポジティブ感情は気分が一部はいるけれど、
じゃあ、エンゲージメント、意味・意義は、
明るい気分に影響しているの?と問うてみると、
いや、そこの因果関係も曖昧だよね、
その点も理論として不備があるよね、

と語っている(よう)でした。

(なんだか複雑だったので、
 私の解釈も入っているかもですが、、、
 そんなニュアンスでございます)



■そして氏は

「ウェルビーイング(持続的幸福)」

について理論を深ぼっていきます。

ウェルビーイングとは、
何も”明るい気分”だけで
構成されているのではない。

例えば、

・自分の仕事にどれくらい意義を見出し、
 全力で打ち込んでいるのか、とか

・自分が大切に思う人々と
 どれくらい深く関わっているのか
 
も影響している。


ゆえに、

「もっと正確に、ウェルビーイングに影響を与えている構成要素が何かを、
 はっきりさせようではないか」

ということで新たに考えたものが、
以下の5つの項目なのでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<ポジティブ心理学のテーマ「ウェルビーイング」を決める
 5つの要素(PERMA)>

P:ポジティブ感情(Positive Emotion)

E:エンゲージメント(Engagement)

R:関係性(Relationship)

M:意味・意義(Meaning)

A:達成(Achievement)

※ 『ポジティブ心理学の挑戦 ~”幸福”から”持続的幸福”へ~』 より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とのこと。



■この5つの要素がパワフルなのは、
上記の5つがそれぞれ独立しており、

「他の要素に影響を与えない独立した要素」

であること。

この5つだけがウェルビーイングに関わるという
単純なものでもないですが、大きな因果関係があり、
この5つを高めると、ウェルビーイングも高まります。


■すなわち、ここから言えること。
(ようやく、私たちの日常に繋げます)

それは、

「もし私たちが「ウェルビーイング(持続的幸福)」に近づきたければ

 『5つの要素(PERMA)を高めていけば、
  その状態(ウェルビーイングの状態に)必ず近づく』」

ということ。


このことを「理論的に」証明しているのが
この著書の最も着目すべきポイントである、

と思ったのです。




■自己啓発書を否定するわけではありませんが、

「こうすれば幸せになる系の本」は、

学問をベースとした信頼性に
どうしても欠けるところがあります。

ゆえに、

「それは本当にそうなの?ファクトは?」とか、

「100人を、対照群と実験群に分けて、
 比較した時に確実に効果があったと言えるの?」とか、

「抽象的な概念で煙に巻いていない?」とか、

と問われたとすると、
確かに、うっ…と答えに窮するところもある、
と私は感じます。

それは、多くの「ポジティブ系の本」は、
あくまで一つの見解でとどまるものが多く、
背景に学問としての研究・実験がないからなのでしょう。



■しかし、この本で語られる

「ウェルビーイング理論」

そして、先述の5つの要素、
また、それを高めるためのエクササイズは、

心理学的な著名な試験、プラセボ対照、
ランダム割付け等もクリアしているところが、
非常に納得できるものだ、と感じるのです。


例えば、著書の中で一般的に
簡単に実行できるものとして、


・『うまくいったことエクササイズ』

 (毎晩寝る前に10分間とって、
  うまくいったことを3つ書き出す。
  それらがどうして上手く言ったのかを書く。
  6ヶ月間継続すると、抑うつ感情が押さえられ、気分がよくなるという
  実証結果が得られている)


・『特徴的強みエクササイズ』

 (ミシガン大学で作られたVIAの強みテストを受講し、自分の強みを明確にする。
  そして強みを活用する具体的な機会を決め、行動をする。
  重度の抑うつ患者に対しても、プラセボ対照、ランダム割付などの
  心理学に代表的な試験でも効果が見られた)
 

・『感謝の訪問』

 (頭に浮かんだ人に感謝の手紙を書く。
  手紙の内容は具体的に700~800文字程度。
  その人が自分に何をしてくれたのか、
  それが自分の人生にどう影響を与えたのかを具体的に書く。
  自分が今何をしているのかを相手に知らせて、
  相手がしてくれたことをよく思い返していたと伝える)

などを行うことで、

”意識的にウェルビーイングを高められる”

と伝えています。

これも、実に面白い。



■その他にも

・ウェルビーイングの身体への影響
・GDPとウェルビーイングの相違

などが、データを元に理論だって書かれており、
実に興味深い項目が並んでおります。


ということで、

・より良く生きるための理論的な手順”にご興味がある方、
・また一般的なビジネス書よりも一歩進んだ内容を学びたい方には、

特にオススメの一冊です。

よろしければ、ぜひ。

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<本日の名言>

効果だと?影響だと?役に立つかどうかだと?
人間は自分のなすべきことをなせばよいのだ。
仕事の成果は、自分以外の人が気にかけることだ。

トーマス・カーライル(スコットランド出身の歴史家/1795-1881)

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