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3177号 2022年11月2日

1株17000個!「日本一できすぎなトマト」から学ぶ育てる秘訣

(本日のお話 2320字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は7件の面談。

研修後インタビューや
ストレングス・ファインダーの
個別フォローアップなどでした。



さて、本日のお話です。

11月ですが、関東はまだ暖かいですね。

私事でございますが、初夏から育て始めた
「ベランダ菜園のミニトマト」があります。。

このミニトマト、
通常は10月末までが収穫時期とのことですが

11月に突入した今も、存分に花を咲かせ、
そして実をならせ始めています。

今日はこのミニトマトの話に
人材開発のお話を絡めつつ、

学びと気づきを皆様に
ご共有させていただければと思います。

それでは参りましょう!

タイトルは

【1株17000個!「日本一できすぎなトマト」から学ぶ育てる秘訣】

それでは、どうぞ。

■『日本一できすぎなトマト』

というお話があります。

1株17000個の実をならせて、

2013年にギネス世界記録に認定された
「とまとの森」のお話です。

※参考:世界一の「とまとの森」
http://www.ecorinvillage.com/facility/tomato.html

■見ていただくと、
びっしりトマトの枝葉と実が
頭上に広がっていることがわかります。

これ、実は1株の種から出来がっている
トマトであるとのこと。

ちなみに、特殊な品種ではなく、
ごく普通にスーパーなどで売られているトマトです。

■なぜ、こんなすごいことになったのか?

その特徴は、

”水耕栽培”

という方法が一つあるそうです。

これは土を使わず
深さ10センチ程度の水槽に
酸素や肥料を混ぜた井戸水を循環させる栽培方法です。



水耕栽培の特徴について
このように説明されています。

”土がないのには理由があり、
のびのびと根を伸ばせるようにするため。

こうすることで水の中に根が広がり、
それに比例してトマトの木も大きく成長することができるという。

このような植物の潜在的な能力を引き出す栽培法を「水耕栽培」といい、
植物学者・野澤重雄氏が発明した画期的な栽培法である。”

※引用:北海道ファンマガジン
「ギネス級のトマトが頭上を覆う! えこりん村の世界一「とまとの森」より

とのこと。

■なるほど、、、、。

トマトにかかるストレスをできるだけ排除。

成長を促すために、
朝夕にモーツアルトを聞かせているそうです。

モーツアルトの効能は
いくばくかは専門家ではない私にはわかりませんが、

要は、

1)ストレスを排除し、
のびのびと成長できる環境を整えることで

2)普通のトマトが可能性を発現、爆発させ
想像を超える結果を残す

ということ。

この事実、
なんとも素晴らしいなあ、

と思ったのでした。

■ちなみに、実は
最近まで長らく忘れていました。

数年前知った話で
結構インパクトがあったはずなのに、

最近まで忘れており、そしてこの間
思い出したのにはきっかけがありました。

それが、我が家の

「ミニトマト栽培」

の話に戻るのです。

■実は、育て始めた当初(7月ごろ)は

”ミニトマトの栽培”

について色々ネットで読んで
気合を入れておりました。

枝を切ったほうが
栄養が行き渡るからよい、

と言われ、枝を切り刻み(汗)

肥料はこれくらいやったほうがいい、
など色々と調べては、

液肥やら固形肥料などをあげていました。

■しかし、
一向に実をならすことはありませんでした。

葉っぱだけが生い茂り、
花を咲かすこともない。

ああ、失敗したかなと調べると、

・肥料をあげすぎると花が咲かなくなる、とか

・放置をしていたほうがよく育つ

などの情報を見て、

自分がミニトマトに対して
良かれと思ってやったことは
失敗であったのだ、

とぼんやりと思ったのでした。

ああ、愛情とは
手を加えることではないのだな、、、と。

■花が咲かないまま月日は流れ

「もう、10月だな・・・」

と思います。

もう今季の収穫は諦めて、
水だけあげて、後は完全に放置しよう、

と思いました。

枝が伸び放題になったとて、

枝同士が密集して、窮屈そうであったとて

日が当たらない枝があり、枯れていたとて、

もう好きにすれば良い。

そう思ってジャングル化させておきました。

■そうしていると、
トマトは生き生きと
四方八方へと枝を伸ばし、

それぞれが一つの生態系として
バランスを取り始めたように見えました。

この1ヶ月で、
枝の数は何倍にも膨れ上がり、
(切らないからそりゃそう)

一方、各枝にミニトマト間で
バランスよく栄養を配分しているようで

結果、急に大量の花を咲かせ始めたのでした。

そして、それを見て

「日本一できすぎなトマト」

の話を思い出したのでした。

■環境を整えるだけでよい。

それで、十分にトマトは
可能性を発揮してくれる。

そして、この話は

トマトの育成だけではなく
人材の育成にも通ずるところがあると感じるのです。

そう、

1)ストレスを排除し、
のびのびと成長できる環境を整える

2)普通のトマト(人材)が可能性を発現させ
想像を超える結果を残す

こういったことは
人・組織も同じではなかろうか、

、、、と。

■もちろん、成果のためには
「個人の要因」もあります。

種が強いことで
厳しい環境でも咲き、
実をならす品種もあるように、

人も同じで、

どんな環境でも
活躍できる強い個も
存在するものではあります。

しかし、
「個人の要因」は変えられなくても、

トマトの水耕栽培のごとき

「環境の要因」

を変えることはできます。

それは上司の関わり方や
仕事の与え方などに相当します。

■職場でも

・のびのび成長できる環境を整え、

・可能性を発現させる支援をすることで

・想像を超える結果を残す

ことが起こる事例は、
枚挙に暇がありません。

■では具体的に組織における
「水耕栽培」とはどのようなものがあるのか。

例ではありますが、例えば、

『職務設計理論のモデル』

などもその一つでしょう。

どういう理論かというと、
従業員に対して

「然るべき仕事の職務設計をすることで
内発的動機づけが高まり成果がでる」

というお話です。

具体的には、
「仕事の特性」として
以下の5つを抑えるのです。

1)技能の多様性・・・色々なスキルを動員する必要がある仕事を提供する

2)職務の完結性・・・仕事の「始まりから終わりまで」できる限り関われるようにする

3)職務の重要性・・・「自分は重要な仕事をしている」と思えること

4)自律性・・・自分の仕事の内容ややり方について、ある程度自由に決定できる

5)フィードバック・・・自分がやった仕事の手応えを実感させてくれる

そうすると、

・有意義感の実感、責任の実感、
結果の理解などが得られて

結果的に本人の

・高い内発的動機づけ
・高い業績に関する満足感
・高い成長に関する満足感

がへと繋がる。

そしてそれがさらなる
「努力や成果に繋がる」、
とするモデルです。

(※参考:鈴木竜太、服部泰宏(2019) 『組織行動 組織の中の人間行動を探る』.有斐閣 P43-46)

”本人のやる気(内発的動機づけ)を
引き出す環境づくり”

という意味では

「組織版・水耕栽培」

とも例えられるのかもしれません。

■種も可能性があります。

個人にも可能性があります。

それを発現させるための支援が、
上司や職場に求められているし、

そのために私達も
まだまだできることがあるはず。

そんなことを

ミニトマトの可能性を、
咲盛りの夏に発現させられなかった反省とともに、
思った次第でございます。

もう枝は不用意に切らないようにしたいと思います。

自戒を込めて。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

自分がみにくいアヒルだと思っていた頃は、
こんなにたくさんの幸せがあるなんて、思ってもみなかった。

アンデルセン(デンマークの童話作家)

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