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3285号 2023年2月20日

1on1ミーティングを最大化する方法 ーハーバードビジネスレビュー論文よりー

(本日のお話 4055字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は朝から仲間と
10キロのランニングでした。

その後、午後からは
キャリアコンサルタントの資格の勉強でした。



さて、本日のお話です。

ハーバードビジネスレビューの
2023年3月号の論文にて

『1on1ミーティングの効果を最大化する方法』

という記事が紹介されていました。

「1on1」については
これまでもたくさんの書籍や記事が紹介されていますが、

この記事では改めて1on1ポイントが
たいへんわかりやすく整理されておりました。

ということで、その内容を
皆様にご共有させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【「1on1ミーティングを最大化する方法」 ーハーバードビジネスレビュー論文よりー】

それでは、どうぞ。

■マネジャーの皆様は
とても忙しいです。

やるべきことが膨大にあり、
メンバーと個別に時間を設けることは
かなり大変であると聞きます。

実際、その中でいわゆる

「1on1」(=チームメンバーとの個別の対話の機会)

を設けるための時間を作るのは
やはり簡単ではない、、、

これは現実であろうかと思います。

■しかし、それでもなお、

「1on1はマネジャーが行うべき、
重要な仕事である」

というのがこの論文で
強調していることです。

そして、これらは
やはり多くの研究でも
同様のことが述べられています。

■この論文の著者の

スティーブン G.ロベルバーク氏

=ノースカロライナ大学シャーロット校の
チャンセラーズ・プロセッサー
(国内的、国際的、学際的研究により
際立った貢献をしたものに送られる称号)

によると、

彼の研究によると、

”「対話に投資しないマネジャー」は
機能的にも感情的もチームメンバーとの間に繋がりを
構築できないリスクを抱えている”

と示されたそうです。

ちなみに

「対話に投資しないマネジャー」とは、

・対話は自分の負担でしかないと考えるマネジャー
・対話の機会が乏しいマネジャー
・対話の進め方が拙いマネジャー

です。

対話をしないゆえに
信頼関係が築かれず、
それによってむしろ時間が生まれない、

、、、もちろん全部が全部
そういうことではないにせよ、

対話が適切に行われないことで
見いだせていない機会は
間違いなく存在するのだろう、と思います。

■では、そんな中で
「1on1」をいざ行おうとしても、
様々な疑問や懸念が浮かびます。

・1on1をどのように始めるべきか
(なんと言えばいいのか?)

・またメンバーの誰に対して行うべきか
(若手~ベテランまで全員?)

・どのくらいの頻度で、どのように行うのか
(週1回or2週間に1回? オンラインなのか対面か?)

など、

どのように考えればよいかが
よくわからず、イメージができない、

ということもあるでしょう。

■このことについて、

本日ご紹介のこの論文で
整理がされておりました。

少し文章量が多いのですが、
ポイントを抑えた内容となっています。

ということで、
以下、内容をまとめてみました。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<論文『1on1ミーティングを最大化する方法』まとめ>

■「1on1ミーティングの捉え方とマネジャーの役割」

○1on1ミーティングの捉え方について

・優れたマネジャーは
「1on1を余分な仕事と考えるのではなく、
自分の役割を果たすための基盤である」と考えている

・「マネジャーが1on1を直属の部下と集中して
向き合う機会だと捉え、その姿勢を明確に示す」ことが重要である

○1on1におけるマネジャーの役割とは?

・マネジャーの役割は
- ミーティングを設定すること
- 積極的に対話を進めること
- 真の対話を促すこと
- よい質問をすること
- サポートを提供すること
- チームメンバーの短期的業績と長期的成長のために
必要なものを確保する支援をすること
である。

***

■「1on1ミーティングの準備をする」

以下のステップで1on1ミーティングの準備行う

1)1on1の開始と再開を伝える

・チーム会議で1on1をやることを、
チームメンバー全員に同時に伝える
(自分だけ呼び出されたと思われないように)

・1on1と組織の価値観、
またマネジャー個人の価値観を結びつけて語ることが
伝わるためのポイント

・対話の場を設けるのは

- マネジャーとメンバーがお互いに良く知り、
- 課題に関する学びを深め、
- キャリアについて話し合い
- 支援を提供する機会である

と強調すること



2)実施の頻度を定める

・チームメンバー全員が
マネジャーから直接受けるサポートが均一になるように、
1ヶ月の対話の合計時間がほぼ均等になる形を目指すこと

・具体的には、以下の3パターンがある。

1 チームメンバーと
「週1回30分前後」のミーティングを設定する
(一番効果があり、望ましい)

2 「隔週で45分から1時間のミーティング」を設定する

3 ハイブリットな方法として
「一部のメンバーとは毎週、その他のメンバーとは隔週」
でミーティングを設定する

・実施の頻度の定め方として
以下の点について検討をする。

▶チームメンバーの経験
(若手従業員やチームに参加して日が浅い部下は
毎週関わるようにすると部下への効果的な支援と
人間関係を構築できる)

▶マネジャーの在職期間
(マネジャーに着任して日が浅い場合、
人間関係を構築し、足並みを揃えることができる)

▶チームの規模
(10人を超える場合、隔週の開催を検討したり、
1回あたりの時間を減らす必要があるかもしれない)

▶リモートか、対面か
(リモートの場合は顔を合わせる機会がないため、
週1⃣回のミーティングを設定すると補うことができる)

▶チームメンバーの意向
(開催頻度の決定に際して、従業員が意見を出せるようにする)

※一部のマネジャー、幹部クラスのリーダーは
「3~4週間の間隔を空ける」ことを選択する。

しかし、対話の時間が1ヶ月に60分程度にすぎないと
信頼関係を構築することは難しいことがわかっている。



3)場所を決める

・バーチャル、対面、どちらとも
最終的な価値への判断は同じことがわかった

・メンバーと話をして、
彼らが最も心地よく感じる場所を把握するとよい



4)アジェンダを設定する

・「1on1のアジェンダを部下自身が決定する」ことが
部下もマネジャーも最も高い評価となることがわかった。
(「今日は何について話したいですか?」ではじめる)

・マネジャーと部下が共同でアジェンダを決定する場合、
「双方が議論したいと考えているトピックのリストを作成する」
という簡単な方法がある。

・例:
-ワークスタイルの好み
-ウェルビーイングとエンゲージメント
-障害・懸念事項
-チーム文化とチームについて
-情報収集
-キャリアと開発・成長
-個人的なつながり

***

■「1on1ミーティングを実施する」

ミーティング実施の際は、
以下の点ニ留意することがポイントである。

1)ミーティングに臨む姿勢を整える

・目の前の状況に集中する

・自分の感情は伝染することがわかっているため
楽観的かつエネルギーに満ちた状態ではじめること

・ラポールの構築、相手に対する信頼、謝意の表明をし
業務と関係ないトピックから始める



2)自分が話すのではなく、相手の話に耳を傾ける

・1on1の成否を決める最大の予測因子は
「部下が積極的に参加していること」である

・それは「相手がどのくらいの時間、話をしたか」で評価できる。
理想的な割合は「50~90%部下が話している」ことである。

・アクティブリスニング(傾聴)と建設的な問いかけ(質問)をする。
安心して話ができるように、ボディランゲージやリアクションに意識を払う。



3)マネジャーとしての見解を加える

・部下の話をじっくり聞いたら、
マネジャーとしての見解を示す必要がある。

・率直かつ、具体的なフィードバックを与える機会になり、
部下・マネジャーが満足できる解決策を編み出す場になる

・チームメンバーが提案する解決策が実行可能な場合
(たとえマネジャー自身の解決策ほど優れていなかったとしても)
メンバーの提案を採用することが、コミットメントと実行を促す上で重要である



4)柔軟性を持つ

・設定したアジェンダに添いつつ
必要に応じて柔軟に対応する

・特に「最も重要度が高い事柄に焦点を絞る」ことがポイントである。

・消化できなければ次回に持ち越せばよい。



5)上手に終わらせる

・マネジャーと部下の双方が、
- ミーティングを通じて得られた教訓
- 次のステップとして行動に移すべきこと
(マネジャーのサポートも含める)
を明確にする

・これらを文書にして残すことで
その行動が実行に移される可能性が高まる

・最後に「直属の部下が時間を割いてくれたことに
感謝を伝えることをわすれない」こと。

・またその気持ちを体現するために、
「時間通りにはじめて、時間通りに終了すること」が大切である

***

■「改善を続ける」

1on1を評価するための重要な指標は
「部下がそのミーティングに戦術的な価値を見出し
個人的にも満足できると感じたか」である。

そのため、チームの各メンバーにフィードバックを求め、
改善に向けたアイデアを尋ねる必要がある。

○チームに1on1についてフィードバックを求める

・以下3つの質問に匿名で答えてもらう。

「1on1でうまくいっていることはなんですか?」
「1on1でうまくいっていないことはなんですか?」
「それらを改善するためのアイデアはありますか?」

※”Make the Most of Your One-on-One Meetings”、
HBR, Novembaer-December 2022
「1on1ミーティングを最大化する方法」より引用・編集
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■なるほど、です。

これまでも1on1について
色々なやり方が示されてきた記事などを
読んできましたが、

・「1on1ミーティングの捉え方とマネジャーの役割」

・「1on1ミーティングの準備をする」

・「1on1ミーティングを実施する」

・「改善を続ける」

などの1on1への考え方から準備、
実施と改善について、
網羅的かつシンプルにまとめられています。

実際の1on1を振り返る際の、
チェックリストにもなる記事だな

と感じます。

■ただ、やればよい

傾聴すれば良いだけではなく
やる意味を伝えるところから

準備から実施、そして改善まで伝え、
振り返っていくこと、

このことが重要であることを
私も改めて思った次第です。

ご参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

変化を望むならば、まずは己自身が変わらねばならない。

マハトマ・ガンディー
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