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3419号 2023年7月4日

「チームで強みを活用する」ための3点セットをご説明します(詳細版)

(本日のお話 2293字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

さて、本日のお話です。

これでもか!というくらい
最近ずっと「強み」について
語らせていただいている今日このごろ。

今日もご想像通り(!)
引き続き、お伝えして参りたいと思います。
(お付き合い頂いている皆様、ありがとうございます)

ということで、早速参りたいと思います!

タイトルは

【 「チームで強みを活用する」ための3点セットをご説明します(詳細版)。 】

それでは、どうぞ。

■チーム力を高めるには

”チーム内の誰が何を知っているのか
お互いに認識し合うこと”。

これがチームにおける
情報の効率性などを高め、
いわゆるチーム力の一部を高めてくれます

そんな理論が

『トランザクティブ・メモリー・システム』

という先行研究にありましたよ、

という内容を昨日お伝えさせていただきました。

※詳しくはこちら↓
トランザクティブ・メモリー・システムってなんだ?
https://1lejend.com/b/detail/HSfoIRnMfw/4536803/

■そして、この理論に基づいて、

「チーム内で強みを活用する」

ために、以下の3つの要素(3点セット)

1,強みの認識
2,強みの信頼
3,強みの調整

をおさえると
活用できる可能性が高まるよ、

と提唱している論文の内容があります。

この詳細を今日はぜひ、
皆さまにご紹介したいと思っております。

論文ではありますが、具体的で使えそう!
と感じる内容でございましたので、

平たく要約しつつ、まとめてみました。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【「チームで強みを活用する3点セット」をご説明します】

<その1,強みの認識>

◯どういうもの?

・強みの認識とは、誰がどのような強みを持っているかについて、
チームメンバーが共有する知識のことである。

◯見つける方法は?:

・1)アセスメントを使う
(例:VIAアセスメント、ストレングス・ファインダーなど)
・2)強みを見抜くワークを行う
(例:フィードフォワードインタビュー、リフレクテッド・ベストセルフ、ストレングス・スポッティングなど)

◯気をつけるべき点は?

・他者の強みを認識できるかどうかは、「他者の強みを能力」に依存する。
具体的には以下の3つである。
1)年齢や経験(長いほど強化されやすい)
2)特定の性格タイプ(好感度や肯定的情動が高い人)ほど自然に身につく
3)強みに関する知識の有無



<その2,強みの信頼>

◯どういうもの?

・強みに信頼とは、
チームメンバーが他のチームメンバーの強みをどの程度信頼しているか、のこと。

◯見つける方法は?

・「強みの相互承認」を行うこと。

研究によると、チームメンバーが同僚の強み、才能、スキルを尊重し、
肯定することを相互に認識することで、誰がどの仕事をするか、
誰と協力して行動するかについて合同しやすくなるため
ワークチームの効果的な機能が高まるという。
(Grutterink,Van der Vegtら, 2013)

◯気をつけるべき点は?

・チーム内で中核的なタスクに関わるものほど「重要なもの」として考え
それ以外の「他者の強み」を見落としてしまう可能性があるので、注意が必要。

(例:たとえば、ユーモアや、謙虚さ、楽観性などは、
チームビルディングなどに関わるが、タスクに直接は影響しない、など)



<その3,強みの調整>

◯どういうもの?

・強みの調整とは、グループのタスクを完了させるために、
チームメンバー個々の強みを、効果的かつ組織的に活用すること。
(Lewis, 2013)

◯見つける方法は?

・「メンバーの強みに沿った職務やチームの役割配分や変更を
”共同で決定する”こと」である。
(例:「熱意」という強みを持つ人に、ミーティングの議長を任せるなど。
本人もそれを使うとエンゲージメントが高まる)

◯気をつけるべき点は?

・大規模な単一領域グループ(全員営業で大人数のグループ)などでは
強みの調整が困難になる可能性がある。

その場合は、「強みに基づく非公式な役割(例:面白い人、慎重な人など)」を
割り当てて、グループ全体に役立てるようにする。

※Woerkom, Marianne van, Maria Christina Meyers, and Arnold B. Bakker. (2022).
『組織における強みの活用の考察:マルチレベルの構成要素』
「第3章:個人の強みをチームで活かす:集団的強みの活用に向けて」より著者編

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■そう、

「チームで強みを活用する」ためには
この3点セット

1,強みの認識
2,強みの信頼
3,強みの調整

が大事だ、というお話ですね。

気をつけるべき点も
明確でわかりやすいです。

■この内容を見ながら
私が改めて思ったことは、

『強みの活用には、
アセスメントだけでは不十分である』

ということです。

ストレングス・ファインダーなどで
お互いを理解するのはとても大事です。

まさに、

「1、強みの認識」

になります。

これもとても大切な要素ですが
欲を言うのであれば、そこに加えて

・強みの相互承認をして
「2,強みの信頼」を意図的に高める、

・お互いに役割を分担して
「3,強みの調整」を行う、

この部分を行ってこそ、

”チームでの
強みの活用が促進される”

というのは、実務的な意味で
ぜひ抑えておきたいポイントだな、

と思うのでした。

■もしかすると、
やや照れくさいかもしれませんが

「強みに基づく対話」
(相互に認め合う、役割を認識し合う)

の重要性を改めて
感じさせられた論文でございました。

ということで、
皆様のご参考になれば幸いです。

※また「1、強みの認識」の説明に出てきた
横文字のコンボのごとき

・フィードフォワードインタビュー
・リフレクテッド・ベストセルフ
・ストレングス・スポッティング

という謎の手法ついては、
また後日お伝えできればと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

偉大な発見や改革には
常に多くの人の知性による協力が不可欠である。

アレキサンダー・グラハム・ベル
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