メールマガジン バックナンバー

『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 』

今週の一冊『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 』

2678号 2021年6月20日

(本日のお話 2799字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、
終日キャリアワークショップの実施。

ご参加者の皆様のアンケートでも
「キャリアついてあまり考えていない」
という結果も半数ほどでしたが、

やはり節目節目で立ち止まり、

これからの未来、
5年10年でどうなっていくのか

その中で自分は仕事生活において
どうありたいのか、

そのためにどのように
自分が変わっていく必要があるのか

、、、など考える事は
本当に大事なことだよな、

と私自身思った次第。

(そして、ご参加いただきました皆様、
土曜日の貴重な時間に、ありがとうございました!)



さて、本日の話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナー。

今週の一冊は

=========================

『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 』

中原淳+パーソル総合研究所(著)

=========================

です。

■さて、皆さまは
「残業」されていますか?

コロナ禍になって
リモートワークも増えて

”プライベートとの境目がなくなって
むしろ残業が増えた”

という方も耳にしますが、
実際のところどうでしょう。

■私の「残業エピソード」で言えば、
新卒で働いた飲食チェーンを思い出します。

22歳の当時。

神奈川県にある居酒屋店舗で
深夜3時くらいでしょうか。

レジまわりで、
お店の締め作業をしていた際、

当時のY店長から、
ふいにこう風に言われたわけです。

「いやー、紀藤くん、
僕たち絶対成長してるよね。

だって、こんなに働いてる人いないよ?
頑張ろうね」

、、、と。

そうですね、、、と答えつつ、
何となく釈然としない想いが
私の中にはありました。

■その理由の1つ目が、

「毎日ひたすらフライパンふったり、
レタスを切ったりしているけど、
果たしてこれを”成長”と呼ぶのだろうか?」

という疑問があったこと。

(料理は作るの早くなりましたけど)

2つ目が、その時のY店長が

アルバイトや社員から
尊敬されているというよりも、

「Y店長、もうちょっと
頼りがいがあったらいいのに」

と言われるタイプの方でしたので、

なんだか店長本人自身が、
自分で「成長していると言い聞かせている」ように
新卒ながら聞こえたこと。

■ゆえに、

「僕たち絶対成長してるよね。
だって、こんなに働いてる人いないよ?」

という言葉だけが、
やたらと耳に残り、

十数年経った今なお、
その時の感覚とともに鮮明に思い出されます。

■思い出してしまったので、
もう一つ関連してエピソードです。

その飲食チェーンの全体会議において、
当時の経営陣が

”店舗で働く社員の人たちが、
最近のニュースなどを全然知らない”

ことについて

「(新聞読んでいないことについて)
現場に集中してるんだな。
そんなお前だが俺は大好きだ!!」

と言っていたこと。

その幹部の方は激励のつもりで
お話されたと思いますが、

聞いていた私は、

「世の中のニュースを知らず、
新聞に書かれている事も知らないような状況で
これまた”成長”と言えるのだろうか?」

とも思ったのでした。

■、、、と私のエピソードが
やたら長くなってしまいましたが、

今回ご紹介の『残業学』の書籍によると、
このような説明がされています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・「残業麻痺」状態で働いている人は
「自分の成長のために残業している」と感じる割合が
「残業麻痺」をしていない人に比べて『4.2倍』も多い。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

とか、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・長時間残業の日々が続き、職場内だけで仕事をしていると
その職場で必要なスキルは磨かれていく一方で、
新しいスキルを学ぶことができなくなります。

残業なしの人に比べて、
週60時間以上働く人(月80時間以上残業する人)は

学習・趣味・自己啓発・社会参加活動などの時間が
『約4割』も削られています。

また「視野の幅が狭くなってしまう問題」がもあります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

など。

前者の「残業麻痺」の話は、

「僕たち絶対成長してるよね。
だって、こんなに働いてる人いないよ?」

のエピソード。

「視野の幅が狭くなってしまう問題」は

「(新聞読んでいないことについて)
現場に集中してるんだな。
そんなお前だが俺は大好きだ!!」

のエピソード、、、

まさに当てはまっていたな、などと
振り返り思ったのでした。

■、、、まあ、
このあたりの余談は置いておきつつ

私のエピソードを
長々と紹介してしまいましたが

皆さまの中にも心当たりがある方も、
いらっしゃるかもしれません。

そして今回ご紹介の『残業学』は、

悩ましく、今なお囚われがちな
「残業」をテーマにした書籍です。

特徴は、

”大規模調査によるデータと
分析した研究結果”

を元に

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1,残業がどこでどのくらい起こっているのか(what)
2,残業が起こってしまうメカニズムと功罪(why)
3,残業いかに改善することができるのか'(how)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

についてエビデンスベースで
説得力をもって語っていること。

加えて、講義形式で
笑えるイラストも多く、

実にわかりやすく
まとめてくれています。

■読み進める中で

なぜ、「残業成長神話」が
起こってしまったのか?

それを日本の高度経済成長や
歴史的な背景と照らし合わせて考察したり

残業することが我々にもたらす
デメリットについてもデータとして示し、

この問題を冷静に判断し
次の行動を考えていくための、
大変有益な情報を与えてくれます。

私も大変、学びになりました。

以下、書籍の内容のご紹介です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

超高齢化社会を迎え、あらゆる仕組みを
アップデートする必要に迫られている日本。

女性やシニア、外国人をはじめとした
多様な人々の力が鍵となる中、
それを拒む最大の障壁が、日本独特の働き方「残業」です。

政府も企業も「働き方改革」を叫ぶ今、
本当に必要なのはそれぞれの「持論」ではなく、
客観的なデータを基にした「ガチ」な対話。

一体なぜ、日本人は長時間労働をしているのか?

歴史、習慣、システム、働く人の思い――

2万人を超える調査データを分析し、
あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明。

仕事と人生の「希望」は、ここから始まります。
パーソル総合研究所×立教大学・中原淳の共同研究
「希望の残業学」プロジェクトを書籍化!

※Amazon本の紹介より引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■ということで、

・残業に悩まれるご本人、

・あるいは管理職の方、

・またはパートナーの帰りが遅く
悩まれている方、、、

「残業」が気にある多くの方にとって
気づきの多い一冊になるかと思います。

まずは問題を認識することから。

残業に悩む人に
お勧めしたい1冊です。

よろしければ是非。

==========================
<今週の一冊>

『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? 』

中原淳+パーソル総合研究所(著)

==========================

365日日刊。学びと挑戦をするみなさまに、背中を押すメルマガお届け中。

  • 人材育成に関する情報
  • 参考になる本のご紹介
  • 人事交流会などのイベント案内

メルマガを登録する

キーワードから探す
カテゴリーから探す
配信月から探す