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3457号 2023年8月11日

「花火のような研修」で終わらせないための3つのポイント ~『人材開発・組織開発コンサルティング』第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ5 実践する)を読んで~

(本日のお話 2568字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

さて、世の中は夏休み。
長期休暇を取られている方も
いらっしゃるのかな、と思います。

私も、本日は家族の日で
子供を連れてバスやら電車に乗って、
気づけば夜になっておりました。
(たいへん、疲れました苦笑)



さて、本日のお話です。

そんな今日この頃(?)ですが、
引き続き、人材開発・組織開発の「日本初の教科書」である、

『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』
(中原淳/著)


を題材にまとめと感想を記述していきたいと思います。

460頁の著書の探求も、あと60頁、、、!
本日を含めてあと3回でございます。

ということで、今日も張り切ってまいりましょう。

それではまいりましょう!

タイトルは

【「花火のような研修」で終わらせないための3つのポイント

~『人材開発・組織開発コンサルティング』
第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ(ステップ5 実践する)を読んで~】

それでは、どうぞ。

■夏休み真っ只中。

家のベランダから、
姿は見えませんが、夏の風物詩の

”花火の音”

が週末に聞こえてくるこの頃。

花火は、実に気分が高揚し、
盛り上がるものではありますが、

その反面として

”刹那的な物事”

の比喩として用いられることもありますね。

■まさに、ある意味、
企業などで行う「研修」なども、

「花火みたいな研修」

なんて言われることもあります(汗)

研修に携わるものとして
残念ではありますが、

今でもそういう研修は
まだまだあると思いますし、

かつてはもっともっと、
刹那的なものが研修ばかり
であったようにも感じられます。

(うーん、反省ですね・・・)

■さて、ご紹介の本書、

「人材開発・組織開発コンサルティング」

においても、

またその他の人材開発の目指す姿としても
そのような刹那的な介入は
決して良いものとは捉えていません。

それは手間がかかることではありますが
まさに本書で言われているように、

・クライアントとコンサルタントが
出会い、共に課題に取り組むことを決め
(=ステップ1,ステップ2)

・課題(As is)と目指す姿(To be)を考え、
問題と、課題を挙げて、定量調査、定性調査でより詳しく、
事実を明らかにして
(=ステップ3)

・そしてフィードバックミーティングで
取り組むべき課題を特定する
(=ステップ4)

ここまでのプロセスがあってこその

【ステップ5 実践する】

を行うことで、

”その実践に、魂が宿る”

といえるのだと思います。

■課題分析や介入施策を
複数考え、優先順位をつけること

そして最もふさわしいものを
カスタイマイズして考えることは
実に骨が折れるものです。

ゆえに、予算や時間など、
必ずしもいつ何時も100%、
完ぺきにできるとは限らないとも思います。

しかし、それでもなお
ジレンマを抱えながらとしても、

組織へのインパクトを考えると、

”「実践するまでの道のり」こそ重要”

なのです。

■、、、とはいいつつ、

では、それらの実践においては
様々な手法があり、それに共通する

「押さえるべき点」

もあるわけです。

(良くない意味での)花火のような
刹那的なものだけにとどまらないために、
どのような点に留意をすればよいのか?

そのことが、
本パートに記載されています。

10頁くらいの内容ではありますが、
以下3つのポイントを共有させていただきます。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【第5章 人と組織の課題解決の7つのステップ
(ステップ5 実践する) ポイントまとめ】

具体的施策は、すでに「第2部 人材開発・組織開発の理論と実践」で述べた。
企業における人材開発には、階層別研修(新人研修や管理職研修)、
リーダーシップ研修など多種多様なものがある。
専門書などにも当たる必要がある。

<1、とにもかくにも「目的」を打ち込んで、打ち込んで、打ち込む>

・「現場で意外に忘れ去られること」=「目的を押さえる」こと

・特に以下の5点については、伝え続ける必要がある。

- 1,Why are we here?(なぜ、今、わたしたちはここにいるのか?)
- 2,Why do?(なぜ、この人材開発・組織開発をやるのか?)
- 3,Why now?(なぜ、今やらなくてはならないのか?)
- 4,Why us?(なぜ、私たちがやらなければならないのか?)
- 5,What's merit?(チームや個人にどんなメリットがあるのか?)



<2,インターバルを設けて、転移を促す>

・施策を設計するときは「現場での実践機会(転移の機会)」を設けて、学んだことを実践してもらう

・インターバルの期間を、そのまま「転移(現場で実践すること)」の期間とすること

・こうした設計は、研修・ワークショップの回数を増やすことになるが、人材開発・組織開発で学んだことや対話した内容が、実践される(転移する)可能性を確実に高めることができる



<3,オンラインも、オフラインも活用する>

・オンライン研修と対面研修には学習効果に差はないことがわかっている。

・対面の学習機会には「人のつながりをつくりやすい」ことがある。
一方、泣き所(脆弱性)があった。それが人を対面で多数集めるのにはコストがかかるため、
何度も集めることが難しい。

・「目的を打ち込む」事を忘れないようにしつつ、どちらも活用すること

※引用:
『人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門』(中原淳/著)
P395~P405
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

とのこと。

■「実践」は色々あります。

たとえば、

・レゴを使ったワークショップで現実を見える化する

・絵を使ってビジュアライズをする

・ワールドカフェで対話を行う

・アプリシエイティブインクワイアリ(AI)で未来を作る

・ストレングス・ファインダーでそれぞれの強みを知る

などなど。

どの方法がいいかは、
あくまでも課題や対象者などの
それぞれの文脈に依存します。

それを詳しく伝えることは
なかなか難しいことではありますが、

いずれの場合においても
で語られているような

1,目的を打ち込む

2,インターバルを設けて実践する

3,オンラインとオフラインの融合

などを行うことで
「実践」が今の時代にあったような形で
より効果を発揮するといえそうです。

ということで、

「実践」といいつつ、

「実践の手段(やり方)」よりも

もっと高次の押さえるポイントも
しっかり考慮して進める事が大事だな、

そんなことを思った次第でございます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人間の最大の誘惑は、
あまりにも小さなことに満足してしまうことだ。

トマス・マートン
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