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3544号 2023年11月7日

マネジャーの大変さの輪郭 ー『管理職 罰ゲーム』よりー

(本日のお話 2385字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は、管理職向けの研修の
「全体キックオフ」の実施など。



さて、本日のお話です。

少し前に「日経ビジネス」の記事で、
『管理職 罰ゲーム』という特集がありました。

最近、私も管理職のインタビューを通じて
その葛藤や大変な状況も理解しつつあるものの

”何が大変な要因なのか?”

については、やや曖昧でした。

しかし、インタビューの生声に加えて
本記事を読んでみると

近年の管理職が大変になっている理由、
「大変さの輪郭」みたいなものが
明らかになってくるようにも感じたのでした。

ということで、
本日はこの記事からの学びについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは、

【マネジャーの大変さの輪郭 ー『管理職 罰ゲーム』よりー】

それでは、どうぞ。

■以下、日経ビジネスの引用です。

(ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
若手は日ごろ細かい業務を積極的に手伝ってくれる。怠惰というわけではない。
ただ男性管理職は「責任を伴う仕事を避けたがる」と肩を落とす。

マネジメントと現場業務を兼ねるプレーイングマネジャーにならざるを得ず、
スケジュールは会議で埋め尽くされていく。
そこに部下の労務管理や経費の承認、部下と1対1で面談する「1on1(ワンオンワン)」などが重なる。

(中略)

今、日本企業の管理職が疲弊している。
企業が直面する課題が管理職の肩にのしかかっているのだ。

リクルートマネジメントソリューションズ(東京・港)は23年6月、
企業の人事担当者と管理職を対象にしたアンケートを実施。

企業課題のトップは「ミドルマネジメント層の過重負担」で一致した。

(中略)

リクルートマネジメントソリューションズの木越智彰主任研究員は

「最近の管理職は短期の業績達成やメンバーの育成といった以前からの重要業務に加え、
中長期的なキャリア形成の支援やイノベーションも求められるようになった。
仕事が相当難しくなっている」と指摘。

管理職の負担が増す中で報酬ややりがいが追いつかなければ、
割に合わないものに感じられるのは自然な流れだ。
なり手不足に歯止めがかからなくなる。

(日経ビジネス, 2023年10月6日号)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)

とのこと。

■うーん、、、

思わず押し黙ってしまうくらい
管理職の大変さが感じられます。

ちなみに現在、3社の管理職に関連する方の
インタビューを実施していますが、
その中の難しさとして挙げられていたものは
比較的、共通するようにも見えました。



例えば、こんな話は
よくあるようにも感じます。

◯マネジメントの役割認識が不明瞭

・マネジャーに期待されることを
明確に言葉にされたことがない

・かつて誰かから学んだり、
こうあるべきと聞いたことがない

・マネジメント以外に、
リーダーシップも発揮されるような期待がある

◯目標達成と部下育成のバランス

・売上を上げる以外に、
どこまで何をすればよいのかがわからない

・部下の育成に対して、
どこまで責任を持てばよいのかわからない

◯兼務が多く、時間がない

・兼務が多く、すべてのことに
責任を持ちきれない状況である

◯マネジャーへのフィードバックがない

・自分のやり方が正しいのか、
あるいはよくないのかフィードバックを
貰う機会が少なく、不安である

、、、などなど。

■しかし、

こうした声が明らかになってくると
少なくとも、良くしようと動けることもできるようです。

例えばある会社だと、

「マネジャーの役割が曖昧」

という話が顕在化されてきた結果

・「戦略」に対するマネジメント
・「ビジョン」に対するマネジメント
・「メンバー」に対するマネジメント

などなど、

それぞれのポジションに求める
マネジメントを現場~経営に至るものを
プロットして検討されて言葉にされる、

ということをされていました。

確かに、このように言葉にできれば、
(すぐに全てが解決するわけではないにせよ)
明瞭になることもある、と感じます。

■管理職の負担増の課題は、

上記の記事で

”最近の管理職は短期の業績達成や
メンバーの育成といった以前からの重要業務に加え、

中長期的なキャリア形成の支援や
イノベーションも求められるようになった”

と書かれていました。



更に一粒ずつ見ていくと

「短期の業績達成」も、
以前よりも、産業構造からビジネス環境は
難しくなっている業界は多いようにも感じますし、

「メンバー育成」も
多様な人材活用(年上部下、若手部下、介護・育休など)、
そして世代の考えの違い、ハラスメントなども考慮する必要があり、
更に難易度が高まっています。

加えて

「中長期なキャリア形成の支援」といった、
管理職本人も、そこまで考える機会がなかったであろうことを
部下に対して支援するように求められ、

かつ、様々な分野を横断的に学ばなければできない
「イノベーション」も求められる。

、、、

ともししたのであれば、

”管理職はスーパーマンのような
能力を求められるのか”

と及び腰になるのも
わからなくもありません。

■現在、こうした管理職の負担増の
課題認識もあり

・管理職の役割をわける
(育成と、売上達成をわける)

・管理職の定義を明確にする

・全員管理職として育成していく

、、、などの施策が
検討されているとのことが
記事にも書かれていました。

■すぐに答えが出る問題ではなく、

複雑に絡み合ったはなしですが
日本の多くの企業が直面している課題であり、

また、この状況を少しでも
現場と経営にとって望ましい形にするため、

考えながらできるところから
やっていきたい、、、

そんな事を思う次第です。

まずは、

「現状の見える化」から
手をつけられるところから
私も支援をしていきたい、

そんなことを感じた記事でございました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

高く登ろうと思うなら、自分の足を使うことだ。
高い所へは他人によって運ばれてはならない。

ニーチェ
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