メールマガジン バックナンバー

3546号 2023年11月9日

その人の存在には、残り香が漂う

(本日のお話 1952字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

引き続き、沖縄に来ております。

生活リズムは変わらないのですが、
暖かく、海が見えるというだけで
少し気持ちが明るくなるようにも感じます。
場所の影響は、やはり大きいですね。

昨日は、3件のアポイント、
1件のインタビューの実施でございました。



さて、本日のお話です。

最近、

『リーダーシップに出会う瞬間 成人発達理論による自己成長のプロセス』

なる書籍について、再度読み直しをしていました。

本を読んで、
メルマガとしてまとめも、
悲しいくらい忘れるのですよね。。。(涙)
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/9448/
(これ、誰が書いたんだ?と思いました)

ただ、読み直す中で、
「なるほどなあ」と学ぶこと、発見することも多く
考えさせられております。


ということで今日はその書籍の中で、
印象に残った話と、そこからの気づきを
ご紹介させていただければと思います。

それでは早速まいりましょう!

タイトルは

【その人の存在には、残り香が漂う】

それでは、どうぞ。

■『リーダーシップに出会う瞬間』。

この書籍は、物語形式で進みます。

ストーリーは、
30歳の管理職を打診された女性(主人公)が
その管理職を目指す中で、

リーダーシップについて考えるような出来事に出会い、
そして自らを成長させていく物語です。



その書籍のワンシーンで、主人公と
他部署でリーダーシップを発揮しているある女性課長(森尾課長)が
一緒にランチをしている場面がありました。

この森尾課長は、自分の軸があり、
どんな状況でも冷静かつ、前向きに対応できるそんな人。

上に、石田部長がいますが、
石田部長よりも存在感を放っているように見えます。

その森尾課長と主人公がランチの最中
石田部長から「至急」とメールが入りました。
どうやら部長から呼び出しがあったようす。

そんな場面のやりとりです。

(ここから)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「石田部長の至急、久しぶりに聞きました。
懐かしいです」

と言うと、森尾さんはころころと笑って、

「あら、本社でも石田部長の至急呼び出しは有名なのねえ。
さあて、今月の発注数と在庫数が合わなかったのかしら。
ごめんなさいね、せっかく来てくれているのに。
すぐ戻れると思うけど、ちょっと待っていてね」

森尾さんが去った椅子には、さわやかな気配が残った。

「その人の人柄ってさ、去った後に残り香みたいに残るよね」

私の気持ちを読んだかのようにユミちゃんがいった。

※引用;『リーダーシップに出会う瞬間』P43-44
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(ここまで)

■ごくごく、短いやりとりです。

しかし、ここで書かれている

”人柄は、去った後に残り香みたいに残る”
このフレーズにいたく共感しました。

■この書籍で言われている
「リーダーシップ」とは「影響力」と定義されます。
リーダーシップとは
”2人以上の人が存在するときに、
そこに起きる影響力の与え合いのこと”
という説明をしていますが、
まさに人は、人に何かしらの影響を与え、
与えられながら生きています。

■たしかに、これは
私達の仕事でも、日常的にも感じます。

そこに存在する誰しもが、
様々な種類の、また大小様々な
”何かしらの影響”を場に与えているものです。

たとえば、ある人と
ミーティングをした後、

”なんだか前向きな気持ちになれたり、
やってみようと思える気持ちになる”

と思わされる人もいます。
あるいは、別の人と会議で一緒になると、

”知的で冷静に物事を見極めるような視点を
大切にしたい”

と思わされることもあります。

他にも
”ユーモアさを大事にしたい”、と思わされる人もいれば、
”勇気をもって本音を言う事が大事だ”、
と思わされる人もいます。

まさに、影響力であり、
場や人に与える”残り香”と言えそうです。

フローラルな、爽やかな香りがしそうです。

■一方、影響力とは
ポジティブなものばかりではありません。

ある人とミーティングした後は、

”いつもなんだか重たい気持ちになって
話をした後に、どっと疲れる”

という人もいます。
または別の人では

”なんだか自分に自信がなくなった。
自分にできることはちょっとしかないと思わされた”

という人もいます。

残り香としても、
ちょっとすえた匂いっぽいです。。。(汗)

■しばしば巡り合うのが
(多くの場合無自覚に)

「無表情で座っている管理職」とか
「日常的にさらりと愚痴をこぼす管理職」とか
「自分で決めようとしないリーダー」

などです。

その人はもちろん、その人なりに
精一杯やっている場合も多いし、

そう思ってしまう状況にあることを
共感してしまうこともありますが、

結果的に、望ましくない影響を与えていたり、
あるいはもっと良い影響が与えられるはずなのに、
そちら側の選択肢を選べていない、

ということもしばしばです。

■その時に起こっている現象が

「自分自身の影響力(=醸し出す残り香)について
自覚的でない」

ことが挙げられます。

あるいは自分の影響力に気づいているが

「周りへの影響うんぬんよりも、
自らの保身を選ぶ選択をしている」
(エゴリーダー)

という場合もあるようです。

これは書籍では「その人の器」とも表現され、
まさに「成人発達のレベル」で表されます。

一筋縄ではいかない、
聖人君子たりえない人間ならではの生々しい
領域の話ではありますが、

まずは少なくとも自分の影響力を自覚し、
その上で、判断をしていきたいもの。

■誰もがリーダーシップと言う名の影響力をもっていること。

そしてまずは、

“自分が周りに与えている影響力に
自覚的になり、かつ責任を持つ”

こと。

そこから始めたいものですし、望ましくは、

”自分が去った後にさわやかな香りがする”

そんな影響を残していきたいものだ、
そんな事を思わされた次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人はあなたが言ったことは忘れてしまう。
しかし、あなたにどんな気持ちにさせられたかは決して忘れない。

マヤ・アンジェロウ
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