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4146号 2025年7月2日

大学のリーダーシップ・プログラムから考える「強いチームの3つの条件」とは?

(本日のお話 3221字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

先日、立教大学のビジネスリーダーシッププログラムの約3ヶ月の集大成であるクライアント企業を招いての「本選」の発表がありました。

※立教大学 経営学部「ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)」
https://blp.rikkyo.ac.jp

「本選」とは大学1年生は約400名、合計90グループから選ばれた6組が本選でクライアント企業様の前で発表するという一大イベントになっています。

会場は開始から熱気に包まれており、たくさんの喜びの声や、そして悔しさをにじませる声なども聞こえて、特に入学してからの大学1年生にとってはほんとに濃厚な3ヶ月だったのだと、感じさせられる時間でした。

私は、大学1年生と2年生の2クラスを受け持たせていただいてそれぞれ行いますが、本選とそれまでの道のりを振り返りつつ、思うことがありました。

テーマは「強みチームの条件」です。

それでは、どうぞ!

■素晴らしきリーダーシップの旅路

大学1年生の本選の発表後、クラスで写真を取りました。

そのときに、「まだ入学してから3ヶ月しか経ってないんだ、1年ぐらい経った気分がする」「立教大学入ってよかった」「終わるのが寂しい」という数々の声が聞こえてきました。

そんな声の中、このリーダーシッププログラムがいかに濃密なものなのかと、この大船団の一員として関わる中で改めて感じていました。

正直なところ、自分は教員と言う立場で関わらせてもらっていますが、学生さんから学ぶことのほうが、多いように感じます。

長く生きてるからとか、社会に出て経験が多いからすごいとかエラいなんて話は、勘違いも甚だしく、ただの経験・知識・スキルの差でしかない、と個人的には思っています。

特に「できる事は全部やる」「最後まであきらめない」など、多くの社会人にとって、とても重要なスタンス、今この瞬間を全力向いてるかどうかと言うところに私は人としての美しさがにじみ出るように思います。

そういう意味では、みんなが一生懸命課題に取り組み、そしてチームの中でなんとか進めようとしている姿は「とても美しかった」のでした。

(もちろんチームがうまくいかず、悩むプロセスも、人間関係のスッキリしなさや難しさを知る大切な糧であり、また貴重な旅路だと思います)

■「強いチーム」がやっていること

さて、とはいえ「本選」という”選び・選ばれる”というイベントに向けて、多くの運営人と学生が本気で取り組むわけです。

特に今年は、皆のレベルが高く、「このパワポどうやって作ったんだ??」とか、「ここは、ディズニーランドか?」と思うようなプレゼンのインパクトを醸し出すチームもあり、審査も難しく、僅差を争うものになっていました。

結果と言うのは、審査をする側との組み合わせ、瞬間の空気、当日のコンディションなど、ライブのように行われるため、いつもかつチームが必ず勝つとも限りません。残念ながら選ばれなかったチームも状況が違っていたら選ばれていたと思われるチームもいくつもあるのが、こうした場面です。

・・・とはいいつつ、アウトプットが優れていると思うチームにはいくつか特徴があると、感じてもいます。

それを「強みチームの条件」として、3つ挙げるとすると、こんなことが言えそうだ、とも思いました。

■(1)チームワークができている

まず強いチームの条件の1つ目が、「チームワークができていること」です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・全員が課題解決のために分担した役割を遂行し、チームについても振り返り続ける
・課題の達成に対してお互いにフィードバックをし続ける
・そういったやり取りができる「関係性」が醸成されている
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

逆にいえば、チームワークがないと、そもそもアウトプットに向けての車を走らせる「エンジンやガソリンやオイル」が足りていません。

そういうチームの場合、フリーライダー的な人がいる、ミーティングに集まらない、笑わない、固い雰囲気、皆が目を見て話していないなどの兆候が現れます。

そうすると遠慮しあって、なかなか言い合えない空気になるため、建設的な話や目標に向けての熱量も調整されず、結果、アウトプットも磨ききれないように感じます。

■(2)他者にフィードバックを求め続ける

そして、2つ目の強みチームの条件ですが、「他者にフィードバックを求め続ける」ということです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・隙がどこにあるか、どうすればもっと良くなるかを徹底的に考え抜いていた
・スライドのブラッシュアップ、プレゼン時間の秒単位調整、想定質問対策を入念に準備
・多くの先輩・教員・同僚からのフィードバックを真摯に受け取り、反映させていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フィードバックと言うのは、時に批判的な視点で伝えられるので、あまり好ましく思わない人もいます。

しかし、良いアウトプットが出るチームは本当に自分たちからフィードバックを求め続けています。そして改善し続けます。

■(3)最後まで諦めない

最後ですが、「強いチームは最後まであきらめない」ということです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・「勝ち上がる」前提で準備を進めている
・プレゼン提出後も改善を続ける
・「これぐらいでいいか」と手を止めず、最後の瞬間までブラッシュアップを怠らない
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうした姿勢が、明暗を分けるようにも感じられました。

■まとめと感想

今回、私自身は教員として学生の皆さんのプレゼンにツッコミを入れていきました。やはり学生に比べて知識の量も違うので、その面で貢献をできるように自分なりに役割を果たそうとしたつもりではあります。

一方、自分ができたことは、ほんのごく僅かな、微々たることしかありません。むしろ学ぶこととして、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・自分が未知なことに対して、果敢にフィードバックを求めに行く
・知らないことに対して知らないことを認める
・多くの人に会いに行き、フィードバックをもらいに行く
・今の自分が見える範囲を少しでも広げるために、貪欲に行動する
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなスタンスがとても眩しく、そして自分自身、学ぶべきところだとも思ったのでした。

社会に出てある程度時間が多くなってくると、「自分の持っている武器で、なんとかしようとする」傾向も、以前より増えているような気もしました。

あるいは「学びやすいから」という理由で、書籍などにいきがちですが、実際に生声を聞きにいくのも大事です。

そして、価値がある(世に評価されるもの)を出すんだという気概を持ってフィードバックを受けに行くというスタンスも、正直まだまだ足りないことがたくさんあるとも感じさせられました。

改めて、自分は自分の道で、自分で納得でき、そして世にも役立つアウトプットをもっと追求していきたいと思わされた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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