自分だけの「強み」を見つける王道3ステップ <STEP2.磨く>
(本日のお話 3355字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は2件のミーティング。
また、書籍の執筆などでした。
夕方からは10kmのランニングでした。
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さて、本日のお話です。
本日も「強み」についてのお話をお伝えしたいと思います。
本日は、「強みの見つけ方・活かし方の3つのステップ」の続編です。
ここまでのお話はこちらからどうぞ。
https://note.com/courage_sapuri/n/n8e0b138d1bfa
それでは、早速まいりましょう!
■「STEP2:強みを磨く」ための3つの方法
強みを見つけ方、活かし方の次のステップが、「STEP2:磨く」です。
例えるならば、自分の内側にある「強みの玉」を取り出して磨くイメージです。自分の中にある「強みの玉」は、今はまだザラザラしていて、石のようにくすんだ色かもしれません。
自分の強みを言語化して特定するのは、あくまでも自分の内側に眠る「原石」を見つけたに過ぎません。それを美しく輝く「成熟した(matured)玉」として輝かせるために、磨く必要があるのです。
具体的に「磨く」とは、自分らしい強みのトップ5を決めること、そして、それらを仕事や対人関係などの場面で意識的に使ってみることを意味します。
ということで、磨くための具体的な方法を、論文や研究も参考にしながら、以下、詳しくお伝えしていきます。
■方法1:「強みのゴレンジャー」を選ぶ
まず、1つ目が「強みのゴレンジャーを選ぶ」です。
話が急に変わりますが、私が小学生の頃「ファイナルファンタジー5」が流行りました。多くの子どもたち(大人も)を魅了したレジェンド的ゲーム。
今では「ファイナルファンタジー16」まで続いていて、もはやゲームなのか映画なのかわからないクオリティになっていますが、30年前に私たちを魅了したこのゲームの真髄の1つに「ジョブ・システム」なるものがありました。
「ジョブシステム」とは、5人の仲間とその職業(ナイトとか魔法剣士とか白魔導士とか)が選べて、好きなようにパーティが作れるシステムです。
その編成を「攻めで攻めて攻めまくる戦士的な5人」で組むのもよし、あるいは「攻める・受ける・癒やすのバランス型な5人」でもOKです。
この自由度の高さに心を踊らせ、ラスボスを倒すために「自分だけの最強の5人」を磨いていく。これがめちゃくちゃ楽しかったことを覚えています。
こうした「5つの個性をあわせる魅力」は、あらゆるところで見られます。アニメでもアイドルでもそう。
代表作は、戦隊シリーズ「ゴレンジャー」(=赤・青・黄・ピンク)に始まり、『美少女戦士セーラームーン』(月・火・水・木・金=5人)もそうですね。
色々ありますが、SMAPやら嵐、またはももいろクローバーZなどなど、「ゴレンジャー」的な組み合わせには、私たちを魅了する何かがあるようです。
▽▽▽
さて、そんな話からぐっと研究の話に戻します。
実は強みの研究によると、「強みにもゴレンジャーがいる」ことがわかっています。ここで2つの研究を紹介します。
1つ目の研究ですが、ミシガン大学の論文です。引用件数10000件を超えるたいへん有名なポジティブ心理学の研究です。この論文では成人577名に、強みの活用と幸福度の関係についての調査をしました(Seligman et al., 2005)。
参加者が強み診断をし、「自分のトップ5つの強み(「特徴的な強み」)」を特定しました。そしてその後1週間毎日、これらのトップ5の強みのうち1つを新しい方法で使うようにしました。
その結果、「自分のトップ5の強みを使う」ことを行った群は、対照群に比べて、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の幸福度が高いことがわかりました。
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トップ5の強みを毎日使うと、幸福度が上がる…!
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次に、2つ目の研究もみてみましょう。
こちらは、スイスのチューリッヒ大学の論文です。ここでは「トップ5の強みと職場のポジティブな経験」についての調査を行いました(Harzer, 2013)。
研究方法は、成人1,111名に「自分らしい強み(上位の強み)と、職場におけるポジティブな経験(仕事満足度や楽しさ、エンゲージメント)との相関を調べる」ことを行いました。
その結果、「人はトップ5くらいまでの強みを、自分らしい強みとしてよく使っており、職場でこれらを使っている時に、ポジティブな経験を感じやすい」ことがわかったのでした。
やはり、「人はトップ5の強み(強みのゴレンジャー)を使うと、職場でのポジティブ経験も増える」という話になりました。
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1.自分らしい強みは、5つ程度に絞られる
2.自分らしい強みを使うと、ポジティブな経験が高まる
(幸福度、仕事満足度、エンゲージメントなど)
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「強みを磨く」には、STEP1で強み診断を通じて自分の強みの元をいくつか見つけましょう。そしてその中で、自分らしいと感じる強みを5つ選んでみましょう。
そして、それらの「自分だけの”強みのゴレンジャー”」を意識して使い、経験値を高め、強化していきましょう。そうすることで自分らしく幸福度を高めたり、成果につなげることができるようになります。
まずは、あなたらしい「強みゴレンジャー」を見つけてみましょう!
■方法2:「強み日記」を書く
強みは自分の一部であまりにも自然なものです。そのため、強みを使ったことに気が付かない事が多々あります。
強みに対して意識をするために、例えば「強み日記」を書くという方法があります。1日5分でできる、実にシンプルなワークです。
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<強み日記のやり方>
1)今日うまくいったことは何か?
2)どの強みを活用したか?を記録する
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「いつ・どこで・どんな風に強みを使ったのか」そしてそれが「どのように良い結果につながったのか」を自分で理解をしていなければ、再現をすることはできません。
「なんかうまくいったなー。よくわからんけど…!」ではよろしくない。
たまたまできたのではなく、意識して再現できるように、強みの活用を教訓にしていきましょう。
■方法3:「TTPする」(徹底的にパクる)
私の会社のスタッフさんが「親切心」という強みを上位に持っています。そのお話エピソードを聞いてみると、こんな話を教えてくれました。
「確かに私は“親切心”(他者に親切することで喜びを感じる)というのはあります。
例えばスーパーで倒れている自転車などを見ると、起こすことを習慣にしています。」
この話を聞いて、私は「あ、自分は完全にスルーしていたな」と、ハッとさせられるものがありました。
そして、それからたまに真似してやってみると、結構気持ちよく、幸せな気持ちになったりします。
また、別の方は「アクション(行動する)」という強みがあり、こんな工夫をしている、と話していました。
「“気になったら即ポチ”する。迷ったらYES。
基本的には、”はいかイエスかよろこんで”で回答し、とにかく行動することを自分に課しています」
これも真似してやってみることで、自分の一つの意思決定基準となりました。
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そんなときにおすすめしたいのが、このTTP(徹底的にパクる)です。
SNSで誰かがやっていること、本の事例、身近な人のちょっとした習慣……「これはいいな!」と思ったら、それを遠慮なく真似してみる。
真似することを恥じる必要はまったくありません。
というのも、私たちが今持っている知識やスキルの多くは、誰かが実践してきた方法の積み重ねです。
つまり、自分がゼロから生み出したものなんて、実はほとんど存在していません。
だからこそ、先人たちが開発してきた考え方や行動のアイデアを、敬意をもって真似ること。
それが何よりのショートカットです。
「自分でゼロから考える」よりも、「うまくいったものを模倣してみる」ことの方が、はるかに効果的で再現性があります。
強みはTTPしていきましょう!
ということで、本日はここまで。次回は「強みを輝かせる」というお話に続けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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