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4187号 2025年8月12日

強みを活かすには、戦う場所を選びなさい

(本日のお話 2052字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

日曜日は、大阪から妻の実家の茨城へ移動し、
月曜日にかけて、お盆休みを家族と過ごしておりました。

田舎なので、外でカエルを捕まえたりして、
子どもが楽しそうなのが嬉しい時間でした。

その他、15kmのランニングなど。



さて、本日のお話です。

今日も引き続き、強みについてのお話をしてみたいと思います。
テーマは「強みの活かし方」について、思うことを述べてみたいと思います。

ということで、よろしければお付き合いくださいませ。
それでは、どうぞ!



■優秀なヤツはどこへいっても優秀は本当か?

中学生くらいの頃のお話です。
父親の友人家族での集まりがありました。

そこで、父とその友人が、こんな話をしていました。

「優秀なヤツはどこへ行っても優秀なんだよ」

ああ、そんなものなのかな、確かに学校でも優秀な人は何でもできるし、そうではない人は他もパッとしないような気もするな…。
そんなことを子供心ながら思った気がします。

しかし、その言葉は、「呪縛」のようにもなっていました。

最初の飲食の仕事では、皆のように動き続けられない自分を責めました。
次の仕事でも、普通に皆ができる申込書や契約書がいつまでたってもミスが減らない自分を責めました。
そして、「ああ、自分はここで活躍できなければ、どこへ行ってもできない」と、強迫観念のような気持ちに繋がっていた気もします。
何気ない言葉も、侮れません。

▽▽▽

しかし、父と友人の話は、これまでの「日本社会の仕組み」を考えると、当然の考えだったようです。
著書『日本社会の仕組み』の中で、こんな記述があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
企業は新卒採用者の選抜にあたり、卒業大学のランクを重視している。企業がそれによって評価しているのは、「地頭のよさ」「要領のよさ」「地道に継続して学習する力」といった「ポテンシャル(潜在能力)」だという。
この3つの能力があれば、どの部署に配置してもまじめに努力し、早く仕事を覚え、適応することが期待できるからだ。(P62)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しかし、これは「どの部署に配置しても適応できる能力こそが、優秀さの証」。
これは日本独自のこれまでの雇用慣行による「優秀さ」でした。

■偏っていても、活躍できる時代へ

しかし、現在はこうした雇用の現状も少しずつ変わってきました。

私ごとですが、独立してから「自分の能力が開放された感」があります。
これは、自分の偏りである「とにかく動いてしまう」「アイデアを思いついたらやらずにはいられない」という活発性や着想に基づいた行動力が、バシッとハマったからでした。

これまでは、「社内で稟議をあげる」「関係部署と調整をする」「論理的に説得して周りを巻き込む」みたいなことが求められていました。
そこに、自分だけの偏ったアイデアだけで走ることは、「計画性のないヤツ」とみなされて空回りすることも少なくありませんでした。

しかし、独立すると、全く変わります。

とにかく手数が大事です。
一人で企画し行動することは、最高の武器になります。
社内の調整よりも「好奇心の赴くままに、思いついたアイデアをやりまくる」ほうが、商売としてもうまく行きます。

私は、何も変わっていません。
ただ、「自分を活かす場所」を変えただけで、水を得た魚のようになれた、ということとも言えます。

ゆえに、「自分の戦う場所」「自分を活かす場所」の選び方が、以前より柔軟になってきている、と言えます。

■「どこで戦うか」の場所選びこそ重要

「強み」を活かしていくには、「場所選び」がとても大切です。

場所選びとは、どの「レベルで戦うか」という話が含まれます。

たとえば、コンサル業界でも、超一流のマッキンゼーみたいなところもあれば、中小企業のサポートに入る何でも屋的なコンサルもあるでしょう。
どちらが優れているというわけではないですが、正直、ビジネスの規模や動かす金額でいうと、そこには違いがあります。

正直な話、大学院で「この人には、到底敵わないな」と思わされる能力の高さを持った人は、いくらでもいました。
もしその人と、同じ会社、同じ部署にいたら、私は足元にも及ばないだろうと。

これは、例えるならば、ドラゴンボールのクリリンが、彼は“地球人最強”ではあるものの、サイヤ人やフリーザのような存在が出てくると、戦闘力的にはもう太刀打ちできない感覚に近いものがあります。

地球人同士の場にいれば、クリリンの強みはしっかり機能します。
神々の戦いでは登場場面がなくても、曲がりなりにも地球人では最強です。

「常に強者と戦って、鍛え続けることが美しい」。
これは一理あるかもしれませんが一方で、「自分がもっとも楽しく力を発揮できる場はどこか?」、そして「自分なりに影響力を高められる場所はどこか」を見極めることも、大切ではないか、とも思います。

■「自分のレベル」で強みの貢献をする

人生は、誰かと競争するものでもありません。

圧倒的強者の中で、無理にストレッチし続けて、周囲との比較に苦しみ、「自分の強みが発揮できない…」と感じてしまったら、それは本来の「幸福につながる強み」の活かし方から遠ざかってしまうと思うからです。

世の中には、いろいろな場所・いろいろなレベルがあります。

すべての人がトップを目指さなくてよい。

自分の今いる場所で、自分の強みを活かして、誰かの力になれること、それはそれで、十分に意味のあることなのだと思います。
そして、経験を経て、力量がつき、影響力が高まったら、そのとき戦うステージを上げて、与える影響の半径を大きくしながら戦えばよい、そんなことを思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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