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4444号 2026年4月26日

今週の一冊『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』

(本日のお話 1715字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中からご紹介をする「今週の一冊」のコーナーです。
本日取り上げる本はこちらです。

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『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』

博報堂生活総合研究所 (著), 酒井崇匡 (その他)
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「Z世代」という言葉は、ニュージェネレーション的な代名詞としてしばしば聞きます。しかし「Z家族」と名付け、Z世代とそれを取り巻く家族のあり方にも変化が起こっていること。それを、博報堂生活総合研究所の若者への長期時系列調査により、定量データで明らかにした書籍が、この一冊です。

結論から言えば、具体的には、「親が子供の良き理解者(メンター)として機能している家族の形」が広がっている、と述べています。

読んでみると、Z世代と言われる人たちの実態が、両親との関係性、文化、考え方などが、父・母とのLINEの対話内容も開示された上で、たしかにリアルに浮き上がってくる、実に興味深い一冊でした。

ということで、早速中身を見てまいりましょう!

■「Z世代」とはどんな世代なのか?

さて、Z世代とはどんな世代なのでしょうか?

本書では、明確に「Z世代とは、ほにゃららなもの」という定義は見られなかったように思われますが、あるサイトでは「Z世代とは、1995~2015年頃生まれで、デジタルテクノロジーを自然な形で使いこなし、多様性や包括性を重視することが特徴的な世代」と表現されていました。

現在でいえば、Z世代は約16~30代前半くらい、ということでしょう。(ちなみに続く世代はα世代とされており、現在の15歳くらいまで、とのこと)

■「Z世代」の親との関係性とは?

本書のキーワードが、モンスターペアレンツならぬ「メンター・ペアレンツ」というものです。それが、「メンター」といえば、社会人になりたての時に、自分を育ててくれるちょっと上の先輩、みたいなイメージ。

親との距離がかつてのものよりずっと近くなり、「親=反抗期を経て、乗り越えるべき存在」みたいなものではなく、「親=気軽に相談できて、服や趣味も相談できる、誰よりも近い存在」となっている、といいます。

本書の「はじめに」では、このようなデータが示されています。以下引用です。

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◯「はじめに」より
・Z世代の6割は、親と共通の趣味がある
・Z世代男子の3人中2人、女子の8割は、20歳前後になっても親から誕生日プレゼントをもらっている
・Z世代男子の3割、女子の5割が、親と洋服などファッションアイテムを共有している
・Z世代が本当の自分を一番見せている、価値観に一番影響を受けている相手は、親友ではなく母親
・Z世代が「生きがいや充実感を感じるとき」は、「親しい異性といるとき」よりも「家族といるとき」
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たしかに、私(40代前半)が中学生・高校生のときは、「親と歩くのは恥ずかしい」「買い物を親と行くのは恥ずかしい」というのは、メインストリームとしての価値観だったように思います。

一方、大学1~2年生への授業で学生に高校時代の話を聞くと、「お母さんと2人で、クラシックのコンサートに行くのが楽しみ」とか「学校見学をお母さんと行脚した」と楽しそうに語る男子大学生がいて、「へー、そうなんだ…!」とその距離の近さに驚いた記憶があります。

■「Z家族」が若者の幸福度を高める

本書では、様々なデータが示されますが、個人的には印象に残った話は、「若者の幸福度が爆上がりしている」というお話でした。

しばしば上の世代の人たちから「ゼロ成長の今の時代の若者はかわいそう…」と言われるが、データを見ると「生活満足度」「幸福を感じる程度」「生活の楽しさを感じる程度」は、30年前に比べて、いずれも大きく向上している、という話でした。

そして、その理由を紐解くと、本書のタイトルでもある「Z家族」という「親密な人間関係(家族)」に繋がっているのでは、と考察されていることです。つまり、幸福に影響を与える「人間関係」において、家族が様々な役割を担うようになっている、ということです。

たしかに、人は孤独ではなく、繋がっている関係があることで、幸せを感じやすくなるというのは、確かにあるのかもしれません。

■まとめ:印象に残ったこと

最後に、本書から印象に残った話を、いくつか箇条書きで書いてみたいと思います。

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・「近頃の若者は…」という言説は、アリストテレスの時代からずっと続く「みんな大好きなあるあるな話題」である。若者はいつの時代もスケープゴートにされる。

・たとえば「夢を持てない方だ」と答えるのは若者もそうだが、40~50代の回答もほぼ一緒。「空気を読みすぎる」というのも同様で若手も上の層も同じ。変わったのは若者ではなく、時代である。

・30年前(1994年)から、現在(2024年時点)で変わったものは、就職における「ベンチャー志向」から「大企業志向」になっていること。(わかりますね…、私もベンチャー志向でした。時代がそうでしたね)

・「若者の環境意識が高い」と言われているが、データでは必ずしもそうではないと示している。学校で環境教育が取り入れられたり、一部の人がデモをしていることから印象がついたのではないか。

・SNSが存在しなかった昔に比べて、現代の若者は「自分の限界というものを知っている」率が、48.5%→61.3%へ増加。自分の好きなことについてより得意な人・詳しい人がいることを目にする機会が増えたからかもしれない。(一方それを受け入れて、「自分らしさは自分で持っていれば、人に伝える必要はない」「自分のことが、好きだ」という意識も向上している)

・30年前に比べて、家庭内で一番多くいる場所が「自分の部屋」ではなく、「リビング」で過ごす若者の割合が増えている(56.4%→83.6%まで上昇)。「リビングでもスマホなどで自分の世界に入れるから」という理由も考察されている。

・「ゼロ成長の今の時代の若者はかわいそう」と言われるが、事実は「生活満足度」「幸福を感じる程度」「生活の楽しさを感じる程度」は、どれも大きく向上している。
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こうしたデータを元に見ることで、今の世の中で見えていないものが見えてくるような、そんな面白さを感じる一冊でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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