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4457号 2026年5月9日

今週の一冊『問いかけて心をつかむ 「聞く」プレゼンの技術』

(本日のお話 2403字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、高校の授業作成、
週明けの研修プログラムの作成でした。

高校の授業も、気軽な形で「こんなことやってみたい!」と昨年のプログラムを変えたところ、それによって苦戦をしております(汗)
高校生が短い時間で、ある程度のアウトプットにするために、どういった補助線を引けばよいのか…。
こうしたことと格闘している常勤の先生方は本当にすごいなと思います。

一方、AIとの対話によって格段に楽になっているので、本当に有り難い限りだな、とも感じるこの頃。
このタイミングでGWがあってよかった・・・としみじみ思っている次第です。



さて、本日のお話です。

最近「積ん読」が凄すぎて、部屋が埋もれ始めております(汗)。

ということで、いつもは毎週日曜日に行っている「今週の1冊」のコーナーを、不定期&頻度を上げてお届けしていきたいと思います。

今日ご紹介するのは、組織・人事領域のエキスパートとして、累計15,000時間を超えるワークショップ・プレゼンテーション・登壇実績を持つ広江さんによる「プレゼン技術」の書籍です。

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『問いかけて心をつかむ 「聞く」プレゼンの技術 緊張をほぐす・共感を得る・行動してもらうために役立つスキル30』

広江 朋紀 (著)
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私事になりますが、大学院に通っていた頃(もうかれこれ4年前になります。時が経つのは早い…!)、ゲスト講師として、オンラインで広江さんの講義を聞く機会がありました。

そのとき強く印象に残ったのが、「短い時間で、ぐっと人を引きつけていく振るまい」でした。
「ああ、これが場を作るということか」と、直感的に感じたのを今でも覚えています。

その広江さんが、ワークワークショップや研修の現場で、初めて会う人とどのように関わり、距離を縮め、学びを届けているのか。そのノウハウが、30のスキルとして体系的にまとめられているのが本書です。

改めて読んでみると、「これはやっている」と共感する部分もあれば、「ここまで細かく意識してやっているのか⋯!」と素直に驚かされる部分もある。
同じような仕事をしている者として、非常に実用的な1冊だと感じました。

ということで、早速中身を見てまいりましょう。

■本書のキーワードは「聞く」

プレゼンというと「話す」方に意識が向きがちです。

しかし、本書の核心にあるのは「聞く」というキーワードです。ただし、ここでいう「聞く」は、耳で音を拾うという意味よりも、「自分に問いかける」「相手を知ろうとする」「相手を見る」などを比喩的に表した、もっと大きな意味です。

・「自分に聞く」ーー自分が本当に何を大切にしているかを内側に問いかけること。
・「相手に聞く」ーー相手の好奇心や興味、モチベーションのタイプ、求めているものを観察し、感じ取ること。
・「場に聞く」ーーその場全体がシステムとして何を起こしているかを、耳だけでなく全体で捉えようとすること。

この三層構造の「聞く」を土台として、「自分・相手・場に影響を与える30のプレゼンススキル」に繋がっていくという構成です。以下、目次です。

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〈目次概要〉
序章 聞くことが圧倒的に大切な理由
◯第1部 自分に聞く技術
第1章 自分が本当に伝えたいことを明確にする
第2章 自分自身をよく聞ける状態にもっていく
◯第2部 相手に聞く技術
第3章 相手の人間観を聞く
第4章 相手が手にしたい目的を聞く
◯第3部 場に聞く技術
第5章 場に働く力を知る
第6章 つかみどころのない場を捉えるには
◯第4部 自分、相手、場に影響を与えるプレゼンスキル30
第7章 プレゼンスキルを凝縮したピラミッドモデル
第8章 印象(プレゼンス)~場に影響を与える自身の印象を整える~
第9章 構造(ストラクチャー)~場にインパクトを与える順序、構成~
第10章 内容(コンテンツ)~場の共感を紡ぐキラーメッセージ~
第11章 伝え方(デリバリー)~場の心をわしづかみにする表現技術~
第12章 つながり方(インタラクション)~双方向の開かれた関係性~
◯第5部 プレゼン現場で役立つQ&A集
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■特に印象に残ったスキルたち

共感するところが多い一冊ですが、読んでいて「これは使ってみたい」と思ったポイントをいくつか挙げてみます。

◯⑴リアル背景の効果
オンライン研修では、バーチャル背景よりもリアルな背景を見せたほうが、「真実味・専門性・イノベーティブ・信頼性」の面で印象が高まる、という話。
今さらといえば今さらなのですが、部屋を模様替えして、きれいな本棚をリアル画面として移そうかな、などと思ってきました。

◯⑵3分でワンメッセージ
1パートで伝えることは1つ。それを3分のポイントで伝える。
シンプルですが、こうした「洗練された3分話」を沢山持っておくのが大事なように思います。

◯⑶ キラーメッセージは13文字以内
印象に残るメッセージは、短くなければいけない。
13文字という具体的な数字がリアルで、ポイントの言葉は洗練させないとな、と思いました。

◯⑷ Q&A의ニュートラル化のルーティン
質疑応答の場面で、ニュートラルな状態に自分を戻すためのルーティンを持っておく(水を飲む、肩の力を抜く、相手に微笑む)。
この3つを3秒で行う、という話も印象的でした。場の圧に飲まれないための、小さくて大切な習慣ですね。やってみたいと思います。

◯⑸ 質疑応答の5ステップ
⑴感謝を示す → ⑵集中して聞く → ⑶質問を要約して繰り返す → ⑷質問に答える → ⑸回答を確認してお礼や励ましを伝える。
これも実際にやっていることではあるのですが、こうして順番に言語化されると、ヌケモレが防げそうだな、と思いました。

■まとめと感想

今回の書籍は「自分が普段から意識していること」について書かれた本でもあります。つまり、全く未知なことというより、比較的詳しい領域の書籍です。こうした書籍を読む価値は、2つあると私は思っています。

ひとつは、「すでにできていることを言葉にできる」こと。 自分がなんとなくやっていたことに名前がついたとき、それは「スキル」として自分の中に定着する。再現性が生まれる、ということです。

もうひとつは、「まだできていないことを小さく取り入れられる」こと。 ごくわずかなスキルだとしても、それを意識して行動に移すことで、少しずつ場での振る舞いが変わっていきます。そして、更にアップデートすることもできます。

この2つのスタンスを持ちながら読み進めると、単なるノウハウ本以上の価値が生まれてくるように思った次第です。

人前で話すことに抵抗感がある方、研修やファシリテーションに携わっていきたい方には、ぜひ手に取ってみてほしい1冊です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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