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2175号 2020年2月4日

カナダ日記 vol.4 ~ついていけなくて、孤独を感じ始めた日~

(本日のお話 2804字/読了時間4分)


■こんにちは。紀藤です。

現在、カナダに来ております。

そして3日前より
個人的なチャレンジである、

「カナダでのコーチング研修」

について記載をしております。

1日目はこれまでの中で、

・「日本人が来た!」ということで、
 思ったより、暖かく受け入れた、

・頑張って伝えようとすると、
 意外と伝わることがわかった

というポジティブなお話でした。

今日は2日目からのお話を、
皆さまにご共有できればと思います。

今回は、私の「内面の葛藤」のお話です。
ゆえに少々、長い話なのですが、、
よろしければお付き合いくださいませ。


タイトルは、


【カナダ日記 vol.4 ~ついていけなくて、孤独を感じ始めた日~ 】


それでは、どうぞ。


■カナダでの2日目の話。

2日目からが勝負でした。

当たり前だけども、
皆日本から来た、いち参加者を助けるために
ここに来ているわけではなく、
「それぞれの学び」のために来ているのです。


■たくさんの参加者がいました。

・6歳の子供を置いてシカゴから来た女性、
・60歳以降のキャリアをかけるためにきたカナダ人男性、
・多国籍のITチームのマネジメントを
 より良くするためにきたブルガリア人の男性、

、、、それぞれが、
自分の学びのために、
高いお金と時間を投資してきています。

ゆえに国は違えども、
文化も雰囲気が違っても
みんな真剣に学ぼうとしています。



■2日目がスタートすると
昨日とは打って変わって、
違った雰囲気が変わっていました。

そのシステム(グループ)が、
これまでコースで培ってきた関係を思い出し、

関係が深いところ、そうでもないところ、
それぞれ小グループに分かれていきました。


■今回初めてこのシステム(グループ)に参加した私は、
まるで転校生のように、
どこのシステムにも所属することができませんでした。

「きっと、海外から転校してきた子供って、
 こういう気持ちなんだろうな」

などと想像しながら。



■研修の前に、
「三日間終わったときに後悔しないように」
と自分で書いたものを見返してみました。

・友達ができている、
・自分から積極的に発言している
・まず手を挙げる

、、、

そんなことを書いていたのですが、
自分でも恥ずかしくなるくらい、
書いただけの「綺麗事」になっていました。

偉そうな事を言って、スミマセン。


■2日目のワークになると、
全体を通じたロールプレイングで、

ものすごいスピードで質問と回答と、
ディスカッションが飛び交います。

日本のコースと違って、
みんなバンバン手を挙げます。

もう終わり、
あと1つの質問で終了と言っているのに、
みんな我先にと手を挙げて、
自分の言いたいこと、
質問したいことを聞いていきます。



■その学びの渦の中に入っていかなければ、、、
と思いながらも、

実際そこで何が話し合われたのかがわからないと、
質問もでてきません。

一対一で、相手が自分に気を遣って
話をしてくれてるのではなく、

全体のペースが中心になると、
自分は何もできないことを知らされます。


みんなが笑ったり、頷いたり、
あーっとため息をついたときに、

英語が聞き取れなくて、
なぜそういう気持ちになったのかが
全くわからない。

ハハハ、、、、と笑ってみるけど、
なんだか虚しくなります。

その引きつった笑顔が、
周りにも伝わってるんだろうな、
と自意識過剰になり、更に笑顔は引きつります。



■予習をしていたものの、
今までやったことがない内容になると、

前提条件がわからず、
ワークも、何をしたらいいのかがわかりません。

「一緒にいる人に聞いてね」
と講師に言われても

「相手に迷惑をかけてしまうじゃないか」
という気持ちがもたげてきます。


■それでも、なんとか参加しようと、
午後、ロールプレイングのクライアント役に手を挙げました。

17名の参加者の前で、
ロープレをすることになりました。

2人のコーチ役。
4人のクライアント役が選ばれ、
そのうちの1人が私です。

シナリオは、

”古くからの友人で、
4人でお金を出し合って作った、
コンサルティングの会社があった。

でも6ヶ月たったら、スタートアップの資金の
2000万円が、ロゴ作成やらカードやらで、
殆ど消えてしまっていた。
 
関係と会社が危機を迎えている、
お互い責め合っている。でもお金はない。
さあどうする?”

というような内容。

私は、クライアント役のある男性
(お客さんとの関係を気にしている人)
を演じることになりました。

当たり前ですが、英語です。


■コーチ役のメンバーが、
私に質問をしてくれます。

「How do you feel about xxxxxxxxx?」

みたいに聞かれました。

が、その内容の「xxxxxxxx」の部分を、
的確に聞き取ることができず、質問がわからない。

シナリオを進めるために、
黙っているわけにもいかず、
何か言わないと、と思う。

でも、質問がわからないから、
適当なことを言ったら、
その場の流れを壊してしまうんじゃなかろうか、とも思う。
不安、恐れ、ビビリが顔出してきます。

結局、言ったのが、

「自分は今、、、、孤独を感じています」

みたいな話でした。

自分でも、

「いやいやそれはシナリオじゃなくて、
 自分(紀藤)が今感じていることだろ!」

とツッコミをいれながら、
出てきた言葉は、それでした。



■初日は「意外と行けそう」
と思っていたのですが、
2日目は違いました。

確かにそこには言葉の壁がありました。
何でもかんでも言っちゃえ、
という気になれない自分がいました。

心の中で湧き上がってくることがあっても、

「これを言ったら流れを壊してしまうんじゃないか」

「これを言ったら、トンチンカンなこと
 言ってる奴と思われるんじゃないか」

「今その話をしてるんじゃないけどな
 と思われるんじゃないか」

という気持ちが出てきました。

きっと、参加者の人は、
そう思わないはずなのですが、
「時差ボケ」による眠さもあいまって、
自分の思考がネガティブに引っ張られます。


■恥ずかしながら、
自分がいつも偉そうに言っている

・まずは挑戦してみることが大事、とか
・勇気を持って一方踏み出してみよう

と言った言葉が恥ずかしくなる位、
なかなか発言ができない自分が、
確かにそこにいました。


自分が取り残されている、
寂しさと孤独を感じていき、

自分の英語力にも、
更に自信を失っていきました。

(まあ、元々ないのですが、、、)



■自分が話さなくなると、
その場に存在しないのと同様になっていきます。

リアクションがない、
攻めてこない、
場に入ろうとしていない、

すると「いないもの」として
進められてしまう状況を、
私は感じていました。


初日の前半、
自分でなんとか話をしていたときは、
みんな自分の存在を意識してくれていたのが、

自分が黙れば黙るほど、
自分の目を見てくれなくなる人が
増えていったように感じました。



■こういった葛藤を感じると、
自分の内面の対話が始まります。

自分が場において「弱者」になったとき、
貢献できるものがなくなったときに、
簡単に自分の自信は折れてしまうものなのだ、

と薄っぺらい自分にも気づきました。

堂々と、
「それでも自分に貢献ができることがある」
と自分の道を貫けばいいのに、
なかなかできないものでした。

そして実際は英語力もさしてないのに、
ちょっとでも英語ができるように見せようと、
カッコつける自分も知りました。

「英語による研修」という経験を通じて、
いろいろな自分が見えてきました。


■家に帰って

「今日は60点だった」

と反省をしつつ、翌日の最終日、
と入っても後悔しないように、と考えます。

そして開き直ることにしました。
最終日、3日目に続きます。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>
人生はトランプゲームに似ている。
配られた手は決定論を意味し、
どう切るかはあなたの自由意志である。

ジャワーハルラルー・ネルー
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