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60号 2013年5月29日

人材育成は「自転車」のようなもの

■おはようございます。紀藤です。

昨日から梅雨入りに入りましたね。
季節はどんどん変わっていきます。
夏を感じる今日この頃。

■さて先日ですが、
業界限定の人材育成勉強会というものを、
シークレットセミナーという形で行わせて頂きました。

同じ業界の人事の方同士、
抱えている課題やお悩みも共感するところが多く、
活発な意見交換をしていただけたようです。

ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

その中でも、「接客研修」「コーチング」などの
スキルも大事だけれど、やはりそれだけでは組織は変わらず、
何をどう教育するのがベストなのか、という意見もちらほら耳にしました。


■この問題は状況に応じて違うため、
一概に「こうである」という答えはないようにも思いますが、

私は、「効果的な教育」とは、
例えるならば、「自転車の両輪を効率よく回すこと」

だと考えています。

自転車には前輪と後輪があります。

自転車が前に進むことを「教育の成果」、
すなわち「成長」と考えるのであれば、
車輪が効率よく回転して、前に進んでいくことが重要となります。

しかしながら、前輪か後輪、
どちらかにブレーキがかかっていたら、
言うまでもなく、うまく前に進みません。

それでも無理やり前に進もうと漕いでも、
疲れるだけで、全く生産的ではありませんね。


■この車輪にはそれぞれ性質があると考えています。

・前輪は、「知識・技能」(ロジカルシンキング、マナー、戦略、商品知識など)
・後輪は、「態度・行動」(学ぶ意欲、メンバーとの協調性、主体的な行動など)

というイメージ。

どちらかだけ回って、
どちらかだけブレーキがかかっていたら、
もう一つも引っ張られて、
引きずられるように前に進むかもしれません。

しかし、願わくは、
前輪・後輪どちらのブレーキも開放して、
スピードにのって前に進みたい(成長したい)もの。

そのためには、

前輪の「知識・技能」(How to do = どうやってするか)
だけではなく、
後輪の「態度・行動」(How to be = どのようにあるか)
の両方の視点から、
人材育成を考えることが必要なのではないでしょうか、
とお伝えしています。


■とはいうものの、

「知識・技能の方が、即効性がありそう」、
「伝えるものが明確だから、周りにも〇〇をやると、宣言しやすい」
という考えをしがちなのですが、
「態度・行動」という、抽象的で見えづらい要素も
必ず存在し、結果に影響を与えています。

長期的に大きな成果を望むのであれば、
木で例えれば根の部分である「態度・行動」、
いわゆる「人格」に気付きを与える機会をもたらすことが重要だと思うのです。

それは、種蒔きのような行動で、
芽を出し、花を咲かせ、果実を得るのに、
若干のタイムラグがあるかもしれません。

ですが、自分にも、他人にも、
明日の成果にこだわりすぎるあまり、
「種を蒔く」教育をないがしろにしないようにしたいもの。


■もちろん、「知識・技能」も大切です。
しかし、効果的に成長するためには「態度・行動」も同じように大切だと思います。

どちらの「車輪」もないがしろにせず、
しっかりと回していくこと、回していくきっかけを与えていくことが、
人材育成という観点では重要なポイントではないでしょうか。

私自身も、前輪・後輪、偏らずしっかり回して、
自分自身も成長していこうと思う次第です。


皆さまにとって良い一日になりますように。

【本日の名言】 自分行動や態度の源であるパラダイムを見つめることなく、
表面的な行動や態度を変えようとしても、
長期的に見てほとんど意味がない。

           スティーブン・R・コヴィー

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