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2125号 2019年12月16日

今週の一冊『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』

(本日のお話 2390字/読了時間2分半)


■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、お世話になっているIT企業にて、
『ストレングスファインダー研修』の実施でした。

1年前に同企業にて研修に参加いただいた方が、
研修終了時、自主的に「研修に参加しての感想」などを、
今年の参加者に伝えにお越しいただき、
大変嬉しく、心温まる時間でした。

A社の皆様、お休みにも関わらず、
ありがとうございました!

こういった取り組みが本当に会社を良くしていく、
と心より思います。



さて、本日の話です。

毎週日曜日は、お勧めの1冊をご紹介する、
今週の一冊のコーナーです。

今週の一冊は、

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『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』

北野 唯我 (著)



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です。


■OPENNESS(オープネス)。

タイトルの通り、

「職場の空気」

特に、オープンで開示された、
風通しの良さのことを意味する言葉です。


この本は、

「職場の雰囲気、空気感、
 このような目に見えないものが、

 明らかに、企業業績に影響を、
 与えていることがわかってきた」

ということを伝えてくれます。


■この本、何が素晴らしいかというと、

「職場の空気は大事」という、

確かに誰もがなんとなく感じてはいることを、

きちんと

”統計的なデータと関連させて”、
”論理的かつ客観的に”

情報を提供してくれているところなのです。


具体的に言うと、

『オープンワーク』
https://www.vorkers.com/

と言う、

日本で最大規模の企業評価サイトがあり、
840万人の内部口コミが集められているのですが、
このデータを用いて考察します。


ちなみに、このサイトは、

・半匿名性
 (裏では本人確認ができるが、投稿内容は匿名になっている
  よって、虚偽の投稿がしづらい)

・事実に基づいていない情報は投稿ができない
 (経営陣は皆傲慢だ!など個人の意見でなく、
  客観的な事実の投稿を促される)

・実際の社員による、投稿内容の質の担保

などなどの仕組みにより、
その会社のことを知ることができます。



世界最大規模の誰もがしる外資系金融会社が、
今後の業績推移の予測のために、
『オープンワーク』データを活用しているほど、

信頼がおけるデータとされています。

(実は私も、企業に伺う際に、
 その会社の内情を知る上でこのサイトを参考にしますが、
 極めて詳しく、かつ実情に即した反映がされている、
 と感じています)


■そこのデータを活用して、
約2400社の会社の実情を定量的に見ながら、

・待遇の満足度
・社員の士気
・風通しの良さ
・人材の長期育成
・20代の成長環境

と、

・実際の業績の推移

の関連性を、

戦略コンサルタント出身で、
多くの組織を俯瞰的に捉えてきた著者が分析をします。

そして語るのが、


『今の日本で最も大切なことは、
 職場の空気感(オープネス)にこそ、ある』


と、大変説得力を持って、
説明をしてくれています。


言われてみると確かにその通りだ、
と感じていた項目が、

データと紐付けられて、
確かさを増していく感覚を持つでしょう。


■今、日本では、

”多くの組織が立ち行かなくなっている空気”

が増えつつあります。


例えば、

・上層部のビジョンがわからず、
 社員の士気が下がっている、とか

・一部の人間だけが、
 必要な情報を持っていると感じる、とか

・なぜこの意思決定をされたのかが伝わらない、とか

・社長がどんな思いで、なぜ経営者をやっているのか、
 そして何をしようとしているのかわからない、とか

・いつでも相談して、と言いながら、
 実際に相談すると歓迎されないと感じる、とか

・自分の才能や強みを前面に打ち出すと、
 煙たがられるように感じる、とか

・ミスや失敗など公言してしまったら、
 自分のポジションが危うくなるから言わない、
 という空気がある、


などなど。

きっと、皆様の組織でも、
当てはまることがあるはず。


そして、そのような組織が、
今は良くても、これから5年、10年、15年経ったとき、

日本全体が右肩下がりになって行く中で、
どのようになっていくか考えたときに、

迎えるべき未来は、
決して明るいものではなさそうである、

ということは、
想像に難くありません。


■この

「想像に難くない」

でも、

「証明されていないからなあなあにしてきた」

ことを、

1つの事実として、
データをもとに伝えてくれる、

というところに、
この本の希少性と価値を感じます。


現在、

「なんとなく感じていた大切なこと」

が、やっぱり大切だったんだ、
ということが、定性的なデータが集まることにより、
証明されつつあると感じます。


そしてこれからも、
テクノロジーと集まる情報により、

曖昧だったけれども大切なことが、
ますます着目されていくようになっていくでしょう。


■組織に着目した本であるため、

「読んで役に立った!」

と言う人は限られるかもしれませんが、

人事、経営、管理職、組織開発に関わる方は、
知っておくべき情報が上手にまとめられた本です。

手に取っていただくと、
参考になられるかと。

よろしければ、ぜひ。


(以下、著書の紹介です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
※amazon「BOOK」データベースより

「職場の空気」と「企業の業績」には、強い関係がある。

「風通しが悪い」のに、「社員の士気が高い」会社はほぼ存在しない。

「給料」と「社員の士気」はあまり関係ない。

オープネスは、「高ければ高いほどいい」わけではない。

リーダーの真価は「失敗が起こったときどう対応するか」ではかれる。

オープネスを「組織のカナリア」として使うことで、業績の悪化を防げる。

事業再生に成功する組織は「士気の高い部署」から変革する…

『転職の思考法』で日本人の働き方に変革を起こした著者によるまったく新しい組織の教科書!

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<今週の一冊>

『OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める』
北野 唯我 (著)



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