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2525号 2021年1月18日

「モノより体験」という研究結果を、一歩踏み込んで考えてみた

(本日のお話 1912字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日日曜日は、終日読書また、
隙間時間に趣味のピアノ等弾いて、
ゆるりと過ごしておりました。

その他、大学院の出願書の作成など。



さて、本日のお話です。

個人的な話ですが、初めて
「ダイニングテーブル」を購入しました。

私、基本モノを買わないのですが
(というか物欲が少ない)

それは何かを買う時に
いつも思い出す話があるからです。

今日はそのお話についての共有と、

気付きについて皆様にお伝えさせて
いただければと思います。

タイトルは、

【「モノより体験」という研究結果を、一歩踏み込んで考えてみた】

それでは、どうぞ。

■コーネル大学で心理学を教える
Thomas Gilovich教授によると、

「幸福度を高めるものとは一体何か?」

の研究を20年にわたり行ってきました。

その中で見つけた結論というのは

『モノにお金を払うな』

なるシンプルな原則であったそう。

■というのも、モノを買うと、
その時は幸福度を高めてくれるのですが、

”同時にモノによる幸福度は
すぐに衰えてしまう”

という特徴があるからです。

モノによる幸福度が衰える理由は、
大きく3つあると言われています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<モノによる幸福度が衰えてしまう理由>

1、新しいモノでもすぐに慣れる

(最初の1週間はよくても、段々と「日常」になり
ありがたみがなくなります)

2,ハードルを上げてしまう

(新しいモノに慣れると、
より良いモノを求めてしまうものです)

3,隣の芝は青くみえる

(所有はその性質上、比較をもたらします。
いいモノを持っている人と比べてしまいます)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

つまり、

”幸せになるためにモノを買うが、
その幸せは長続きしない”

という特徴がある、ということですね。

■では何にお金を使うのがよいか?

Thomas Gilovich教授によると、

『”体験”にお金を使うこと』

がよいと言っています。

というのも、抽象的な話ですが
自分自身が何で出来ているかと言うと

”自分のこれまでの経験、体験の蓄積”

から自分が出来ているからです。

その経験、体験とは、
思い出とそこから生み出される価値観

といってもいよいかも知れません。

・家族とハワイに行く、
・両親と家族でカニを食べる
・ギターを習う
・英語の勉強をする

、、、等々、

これまで自分が経験・体験してきたことは、
自分が何者か、という”自分のアイデンティティ”
と同化していくわけです。

そして、それらは
決して失われることはない。

かつ、思い出は美しいもの。

時間が経つほど、その価値が
逓増することがあります。

(あの旅行、楽しかったよねー、みたいに)

モノより価値が逓減することなく、
その持続性も高い。ゆえに、

『体験にお金を使うこと』

が良い、という結論です。

■、、、とここまでの話を踏まえて、

「じゃあ、モノ買わなくていいの?」

というと、そんな極端な話も
当然ながらないわけです。

では、どんなときに、

”モノにお金を使うと
効果的なのだろうか?”

をもう一歩踏み込んで
考えてみたいと思います。

そして何にお金を使うかは、
人によって様々で自由。

人それぞれの価値観に準じて
100人いれば100通りのお金の使い方をするので

正解というわけではないですが
一つの持論として聞いていただければと。

■モノを買う時に

「なぜモノによる幸福度が衰えるのか?」

を考えると、先程、
こんな3つの理由があるとお伝えしました。

<モノによる幸福度が衰えてしまう理由>

1、新しいモノでもすぐに慣れる
2,ハードルを上げてしまう
3,隣の芝は青くみえる

、、、では、上記の3つを
発生させないようなモノの買い方をすればよい。

端的に言えば、

『素晴らしい日常の体験が生み出される
「きっかけになるモノ」』

を購入することが、日々の幸福度を高める
モノの購入ではなかろうか、

と思ったのです。

■例えば、

「家」とか「車」

なども大きな買い物ですね。

(私は買ったことありませんけど)

買う派買わない派分かれますが、
買って本当に幸せそうな人は、

「その家(車)を通じて
作り出される時間と体験」

に存分に焦点を当てて
お話されていると感じます。

■私も冒頭で「ダイニングテーブルを買った」
というお話をいたしましたが、

そのモノの購入で作りたいのは、

”家族が団らんする場所”

であり、そのダイニングテーブルの
質の良し悪しでもないし、

どこどこ宅の高級ダイニングテーブルと
比較するためのものでもない。

(というか、そもそも安くていいモノが好き)

■お気に入りのものを買っても、
その価値は少しずつ慣れて逓減します。

それでも、

新しい日常の体験を生み出すための
トリガーとなるモノの購入

となった感覚は
ダイニングテーブルでもありましたし、

そういったモノの購入であれば
とても価値があることなのだろう、

、、、なんて思ったのでした。

■ここまでの話を踏まえて考えると、
以下の2点がポイントになるかと思います。

1,基本、「モノより体験にお金を使う」ほうが
中長期的な幸福度は高まる

(という前提はあるものの)

2,モノを買うのであれば”比較”や
”より良いモノがほしい”に焦点があたっていない
「日常の体験をより良くするモノ」を買う

が日々の幸福度を高める、
購入の意思決定基準ではないか、

そんなことを感じた次第です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

人間生活にはムダなものがかなりあるが、
そのムダなもののために情緒が生まれ、
うるおいができ、人の心がなごむようなものがある。

遠藤周作(小説家・エッセイスト/1923-1996)

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