今週の一冊『「感謝」の心理学 ~心理学者がすすめる「感謝する自分」を育む21日間プログラム』
(本日のお話 2124字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
毎週日曜日は、最近読んだ本の中からの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、こちらの本です。
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『「感謝」の心理学 ~心理学者がすすめる「感謝する自分」を育む21日間プログラム』
ロバート・A・エモンズ
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ポジティブ心理学の研究の有名な分野に、「感謝」の効果があります。
「感謝をする」という行為は、良いものではあると感覚的にわかっているものの、科学的な効果として認知されているかというと、まだまだ理解は広がってはいないと思われます。
本書は、ポジティブ心理学者で、感謝研究の第一人者でもあるロバート_A_エモンズ博士が、感謝の効果を科学的に解明した一冊です。
感謝についての書籍は、他にもいくつも出ていますが、研究や論文のデータの引用が多く、一般向けの感謝の効果を示した実用書ということで、興味深く読ませていただきました。
ということで、中身のポイントを見てまいりましょう!
■「感謝」の効果とは
「感謝の効果」とは一体どのようなものか。
そのことについて、本書ではこのようにまとめています。
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・エネルギー、注意力、熱意や活力などが高まる
・自分で設定した目標達成に成功する
・ストレス対処が改善、向上する
・トラウマの記憶が終結する
・自分には価値があるという感覚や自信が高まる
・強固で安全な社会的関係を築く
・寛大になり、他者の役に立つ
・喜ばしい経験がもたらす楽しさが持続する
・迷走神経の調子が高まり、心臓の健康が増進する
・目的意識や回復力が向上する
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5とのこと。
ちなみに、この後ご紹介する有名な介入方法である「感謝日記」をつけている人は、つけていない人と比較して、25%多く幸せを感じ、毎晩1時間30分以上多く睡眠をとり、毎週33%多く運動している、とのこと。
感謝をすることの科学は、ここ20年ほどで急速に増えているようです。
■「感謝日記」の書き方
さて、では「感謝」ができる人になるために、どのような方法があるのか。
それが本書のサブタイトルでもある「21日間の感謝日記プログラム」となります。
「感謝日記」は有名なものなので、ポジティブ心理学などに興味がある人は、おそらくどこかで見聞きしたことがあるのではないかと思います。
内容は、「ありがたいと思ったことを書く」というシンプルな行為で、それを行うことで、幸福感やエンゲージメントが高まるなど、実証研究で示されている、インパクトのある介入方法です。
その上で、「感謝日記」を書く上で、研究結果に基づくと、以下の3点を気をつけて書くことが勧められています。
◯⑴ 特定性(具体性)
真実は細部に宿る、といいます。
たとえば妻に対して、一般的な表現で「感謝している」というのではなく、「結婚17年という月日を通じて、約2400食もの昼食を私に作ってくれたことに感謝している」というので、どちらの感謝により意味があると感じるかは自明である。
また、具体的に感謝することで、「感謝疲れ」を避けることができる。
そして、具体的に思い出すことで、その感謝の行為を、自分でも確認することができる。
◯⑵ 意外性(驚き)
感情の強さ(気持ちの大きさや強度)が大事。
「意外なもの」(突然の贈りものなど)には、強い感情反応を感じる。
出来事をありがちなものではなく、贈りもののような大切なものに焦点を当てると良い。
たとえば、目新しくて期待も予想もしていなかった出来事や状況、経験について、あるいは興味を持った出来事や状況について書いてみる。
意外であったことを明確にすることで、日記は新鮮なものになる。
◯⑶ 希少性(今ほしいもの)
人は、希少なものに価値を見出す。
「今しかない(今後は二度と来ない)」と考えると、その日を最大限に活用しようとする。
家族や友人と共にいる時間を、最後かもしれない、と思って過ごすこと。
以上のようなことが、ポイントとして触れられていました。
その他、意外と知られていない研究結果に基づいた書き方のポイントとして、こんなことも書かれていました。
・感謝日記は、定期的(毎日)に恩恵を数えるよりも、時々(週2回など)恩恵を数えるほうがウェルビーイングを高めることがある。
ー理由は「感謝疲れ」を避けることができるから。
・成功だけ思い出すより、悲しみや失敗、その他の痛みを伴う経験を思い出すほうが、感謝の気持ちを高めるのに役立つ。
ー難しい局面を乗り越えたとき、感謝の気持ちは活性化されるため。
・人の死について考えると、感謝の気持ちは増加する。
■まとめと感想
「感謝疲れ」というのは、実感としてやったことがある人は「わかる!」というものだと思います。
なんでも「快楽順応」があるので、やり過ぎは効果を減らすのですよね。
また、日記を書かずとも、「希少性」はよくわかります。
今、私も息子(5歳)が「おんぶしてー」とよくねだってきます。
別におんぶは構わないのですが、少し運動量が少ないので体幹が弱めなのが心配で(気にし過ぎかもしれませんが)、自分で歩くように促したい気持ちがあります。
一方、「こうやっておんぶ、といってくるのもあと1~2年かな…」と思うと、「仕方ないなあ」と激甘やかしをしてしまいます。
でも、こうした行為に感謝を覚えるのは、まさに「希少性(今しかない)」ということかな、と感じたりするのでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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