「できて当然」が増える40代に、「できない新人」である自分を許してあげたい
(本日のお話:3523 字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、高校の授業。また1件の打ち合わせでした。夜は、13kmのランニングなど。
風邪で出なくなった声も、復活してなんとか研修に間に合いました…!耳鼻科医さん(そして研修会場のマイク)に感謝です。
*
さて、本日のお話です。
今年の4月から、はじめての試みとして
「高校の非常勤講師」をさせていただいています。
授業は「リーダーシップ概論」。
私立高校3年生の自由選択授業の一つで、
「全員発揮のシェアド・リーダーシップ」をベースとしたものです。
「チームの目標に貢献する影響力(=リーダーシップ)」を、
プロジェクトを通じて経験しながら学びましょう、というテーマです。
前期2時間×10回、中期2時間×10回の計20回。
相当な時間をいただいて、この授業を担当させていただいていますが、
私個人のキャリアとしても「新たな経験」をさせていただいているな…と、
つくづく感じています。
もちろん、自分の至らなさも含めて。
▽▽▽
そんな中、先日「匿名での授業アンケート」という名の
「フィードバック探索」を行いました。
企業の研修でも、「フィードバック探索、大事だよ~」なんて言いながら、
いざ自分が実際にやってみると、なかなか、痛い。
今日は、この経験からの振り返りを書いてみたいと思います。
個人的な振り返りですが、何かしらの参考になれば幸いです。
それでは、どうぞ!
■「同じ2時間」でも、まるで違う
私は普段、企業研修に関わらせていただくことが多いです。
「強み」に関する研修が一番多く、比較的慣れているのですが、それ以外にも、
新入社員研修、OJTトレーナー研修、リーダーシップ研修、マネジメント研修、
コーチング研修など、さまざまなテーマを扱うことがあります。
はたまた、組織開発のプロジェクトや、
人事の外部パートナーとして人材開発企画の壁打ち役をしたり、
企業内大学の立ち上げ&プログラムの作成などに関わらせていただいたり。
色々です。
ただ、対象はいずれも「社会人」です。
3年前から大学の兼任講師として「大学生」に
授業で関わらせていただくことも増えてきましたが、
「高校生」は初めてです。
そして、中高一貫校なので、もともと関係性がある生徒同士。
しかも男子校というのも初めて。
皆さん、本当に元気がよい。
企業研修では、グループワークを始めても
「どうする、どうする…」と沈黙している場面も、
なきにしもあらずです。
しかし、高校生の場合は、むしろ静かにしてもらうほうが大変なほど。
もちろん、元気がよいのは素晴らしいことなのですが、
そのエネルギーを学びに向けていくのが、なかなか難しい。
同じ「2時間」でも、ワークショップ、研修、授業と、呼び名はさまざまであるとはいえ、
まるで違うものだと体感しておりました。
■「授業アンケート(匿名)」をやってみる
さて、実際に授業に関わらせていただく中で、毎度のこと、
考えてしまう問いがありました。
それが、「この授業は、本当に高校生の役に立っているのか?」ということです。
もちろん、授業のシラバスで目標は定義されており、
例年のプログラムなども参考にしながら、授業を設計しています。
しかし、実際に生徒たちが何を、どう感じているのかは、なかなか見えない。
授業中は、元気に話し合っている。
楽しそうにも見える。
しかし、それが本当に「リーダーシップを学ぶ」ということにつながっているのか。
「盛り上がっていること」と「学びになっていること」は、
必ずしも同じではありません。
そんなことを考える中で、一度、生徒たちの率直な声を聞いてみたいと思いました。
そこで、「授業アンケート」を行うことにしました。
「授業は学びになっているのか」
「講義とグループワークのバランス」
「課題の量や質」「自由コメント(良い点・改善点)」などなど。
できるだけ本音を書いてもらいたかったので、匿名で回答してもらうことにしました。
▽▽▽
さて、その結果。
詳細は控えさせていただくのですが、想像していたよりも、
厳しいコメントも一部見られました。
授業の目的が伝わっていない。
授業の難易度が高い。
課題の量が多い。
評価の透明性や妥当性が見えづらい……などなど。
もちろん、肯定的なコメントもありましたし、
すべての生徒がそのように感じているわけではありません。
しかし、薄々感じていたことも、実際に言葉として表され、
そして一定の傾向として書き記されると、グサッと来るものがありました。
少なくない生徒たちの時間をもらい、「教員」という名前を冠する仕事をしている以上、
それに見合うものを渡したい。
そう思いつつ、「本当にできていたのだろうか…」と考えると、
自分の至らなさを感じずにはいられませんでした。
普段から「フィードバックを求めることが大事」と伝えている自分が、
いざフィードバックを受ける立場になると、こんなにも心が揺れる。
言うは易し、行うは難し。
改めて、「フィードバックの痛み」を実感したのでした。
■40代になると、「できない自分」を認めづらくなる?
さて、こうしたフィードバックを受けながら、ふと考えたことがあります。
それは、「できない自分を認めることが、
年齢を重ねるほど難しくなっているのではなかろうか」ということです。
40代になって、妙に感じ始めたのが
「しっかりしていないといけない」という気持ちです。
社会に出て、少なくない時間を経てきた中で、
「できて当然と思われること」に自分を合わせなければ、
と思う気持ちが強くなってきました。
たとえば、プロジェクトマネジメント、ロジカルシンキング、
積極的なリーダーシップ発揮、
利害関係者との交渉などなど。
しかし、改めて自分がそれらのことをしっかりできているかというと、どうにも怪しい。
…というのも、営業やコーチングなど、経験を積んできた領域はあるものの、
大掛かりなプロジェクトをマネジメントするとか、
難しい社内の利害関係の交渉などなど、
そうした経験は、残念ながら豊富にあるとはいえません。
一般的な企業で働く社会人として求められるスキルについては、
育てきれていないスキルも目立ちます。
普段は「強みを活かすことが大事」と伝えている私ですが、だからといって、
できないことをそのままにしてよいわけでもない。
特に「教える立場」である以上、ある程度できるようにならないと、
と思ったりもするのです。
…40代、絶賛ゆらいでおります。
■「いつまでも新人である領域」を持ち続けたい
同時に、今回の経験から、もう一つ思ったことがあります。
それは、「いつまでも新人である領域を持ち続けたい」ということです。
よく、「いつまでも新人気分でいるなよ」なんて言葉があります。
確かに、同じ仕事を何年も続けているのであれば、いつまでも新人のような感覚では困る、
というのもわかります。
しかし、年齢が幾つになろうとも、経験していないことは、できないものです。
いくら取り繕っても、実際にやってみれば、すぐにバレてしまう。
だからこそ、「いつまでも新人気分でいるなよ」ではなく、
むしろ「いつまでも新人である領域」を常に持ちながらいたい、
そんなことを自分に許可したいと思います。
それが、たとえ「できて当然」と思われることだったとしても。
▽▽▽
ちなみに、最近、某スクールで「クリティカルシンキング」を
改めて学び始めました。
正直なところ、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなんて、
もっと若いうちに身につけておくものだろう、と思っていたところもありました。
しかし、実際には40代、50代になってから学んでいる方も少なくない様子。
それを見て、なんだか少し安心しました。
「ああ、他にも学んでいる人はいるんだな」…と。
もちろん、もっと早く学んでおけばよかった、と思うことはあります。
実際、そのほうがよかったのでしょう。
しかし、過去に戻ることはできないのですから、今から学べばよい。
自分なりに一つずつ、積み重ねていく。
そんなふうに考えていきたいものです。
■まとめと感想
そんなわけで、今回の授業アンケートを通じて、改めて自分の至らなさを感じたわけですが、
同時に、これも新しい経験をしているからこそ得られたものなのだろう、とも思いました。
40代になり、社会人としての経験は積んできたと思われる年齢です。
しかし、経験していないことは、やっぱりできない。
知らないことは、知らない。
そして、年齢を重ねるほど、できない自分を認めることは、思いのほか痛みを伴います。
でも、それにメッキをはって、できるふりをするほうが、長期的な痛みは、
たぶん大きいです。
今回いただいたフィードバックも、その一つ。
こうしたグサッとくるコメントを、残りの授業や、
これからの授業づくりに活かしたいと思います。
そして、去年よりできることが増える状態に、自分自身の身を常に置いていかないとな…、
そんなことを、授業アンケートを眺めながら、思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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