メールマガジン バックナンバー

2943号 2022年3月13日

今週の一冊 『自分の薬をつくる』

(本日のお話 2108字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、朝8時から
大学院の同期4名と、皇居にてランニング。
天気もよく、大変気持ちが良い朝でした。

また午後からは、大学院の授業。

『グループプロセス介入入門』

という組織開発のプロフェッショナルを招いての
対話を通じた授業でした。

内容としては、

・グループで起こっている、
各個人の”今ーここ”の気持ちを読み解き、

・何が起こっていたのかを
丁寧に紐解くプロセスを通じて、

・科学や理論だけでは紐解くことが難しい
「人の心が関わる対話」を理解していくという、

とても濃厚な学びでした。

先行研究や理論だけではない、
実践からしか見えない臨床の知も含め
大学院にて学べること、実にありがたいな、

と感じた次第です。

あと2回の授業も楽しみたいと思います。



さて、前置きが長くなりましたが、
本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する、
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『自分の薬をつくる』

坂口恭平(著)/晶文社


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です。

■人は多かれ少なかれ
「悩み」を抱えているものです。

それが大きなものになって
抱えきれなくなると、
深刻なことにもなりえます。

そんな中で、この著者は

「いのっちの電話」
(いのちではなく、いのっちです)

という名前で希死念慮に苦しむ人々との対話を
2万人以上続けてきました。

本にも紹介されていますが
ご自身の携帯番号を公開しており

そこにかけると著者の坂口氏が対話をする
という取り組みを行っている方です。

■その「いのっちの電話」に電話をかけた人は、

うつ病や躁鬱病などと診断され、
元気がなくなっている状態が多いようですが、

お話をすると不思議と元気がでて、
心と体に変化が起きる、とのこと。

もちろん、何か化学的な薬を
処方したわけではありません。

■では、実際にその

”「いのっちの電話」では
どんなやり取りがされているのか?”

これを2019年にワークショップとして
行ったのですが、

それを書籍としてまとめて
紙上体験をしましょう、

というのが、この本のコンセプトです。

■ちなみに

『自分の薬をつくる』

という表現が、実にイイのです。

たとえば、

「良い習慣をつくりましょう」とか
「自分を元気にする日課を作ろう」

などというと、

”毎日やらなければならない”

という感覚がしてしまいます。

3日坊主、などというように
習慣とか日課というと、
一度休んでしまうとなんだか負けた感じがする。。。

そうすると、せっかく新しく、
プラスになることを始めたはずなのに

やっぱりできないんだ、と
変にネガティブに考えてしまって
結局よいアイデアも続かない、、、

なんてことがあるものです。



しかし『薬』という表現ならどうか?

慢性的に飲むくすりなら、
毎日サプリメントのように飲むでしょう。

日々飲むけど、ちょっと飲み忘れても
別に自分を責めたりすることはありません。

なので、

悩みでしんどい人に対して

「よい習慣と日課」をつくろう

「自分の薬」と表現することで

気楽に取り組める、という効果もあるわけです。

■そして、実際の

自分の薬の作り方としては、
是非本書をお読みいただきたいと思いますが、

基本的には、

「アウトプットをする(言葉にする)」

ことを通じて、
自分の中に溜め込むことを防ぐ、

という形になります。

その「薬」の作り方は人によって
まちまちではありますが、

基本インプット過剰になり
もう周りの声を聞きたくない、という時に

人は悩みの重さを感じて、
不調をきたしやすいようです。
(たしかに、わかります)

ゆえに、必要に応じて、
インプットを減らし、
その分アウトプットを増やすのです。

■ちなみに本書を読み、

私(紀藤)の場合だと、
こんな風に「自分の薬」がつくられているな、
と思いました。

つまり、ちょっと元気がないときも、
これを回していけば、基本元気になる、というもの。

最初の処方箋は「メルマガ」です。

日々、何か学んだこと、
感じたことを言葉にすることで、
何か小さな達成感を覚えることができます。

これは実に大きいです。



そして、次の処方箋が「運動(ランニング)」です。

なんだか上手くいかないことがあっても
走って疲れて、汗をかいて、お風呂に入れば、
だいたいどうでもよくなってきます。

これも大きい。



加えて寝る前に「一行日記」も書きます。
これもいい処方箋です。

書くコツは「加点日記」にすることです。
自分で今日できた小さなことを書き記して、
赤ペンで◎をつけたりします。

自己効力感が上がるのです。

その他も、年間のビジョンを描く、
OKRとして3ヶ月の目標を書く、なども

カンフル剤として
今の自分の体質にとても合った薬のようなものだ、

と感じております。

■書籍の中には、

色々な悩みを持った人に対して
ユーモアを交えながら対話をしつつ

「それぞれの薬」

を言葉によって処方していきます。

そのお話を紙面上で体験しながら、

「自分にとっての薬ってなんだろう」と
考えてみると、

悩みをもたれているかたは日々心地よく、
元気な方は、更に自分をゴキゲンかつ快適にできるきっかけが
見つかるかもしれません。

お勧めでございます。

よろしければ、ぜひ。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『自分の薬をつくる』

坂口恭平(著)/晶文社


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