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2444号 2020年10月30日

ペーシングの技術 〜どんな人からも「話しやすい人」と思ってもらう方法(後編)〜

(本日のお話 2423字/読了時間3分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は3件の打ち合わせ。
ならびに、システムコーチングの
導入事例のインタビュー。

また『7つの習慣』のオンライン
社内ファシリテーター集中養成コースの
実施立ち会いなど。

すぐに変化はなくとも、
未来にむけて確実に影響があることを、
粛々と積み重ねていきたいと思います。

成長のウルトラCはない。
愚直にやるのみです。



さて、本日のお話です。

前々回、前回と、
「コーチングの代表的な技術」として、

『ペーシング(歩調合わせ)』

をお伝えしてまいりました。

本日も続けてまいります。

それでは早速参りましょう。
タイトルは、


【ペーシングの技術 〜どんな人からも「話しやすい人」と思ってもらう方法(後編)】


それでは、どうぞ。



■「自分のことを話す」というのは、
実際、なかなか抵抗があるものです。

(皆様はいかがでしょうか?)


もちろん、全然躊躇がない、という人も
もちろんいらっしゃるかと思いますが、

「こんなこと話をしてひかれたらどうしよう」
「話をしていて、相手が興味なかったら嫌だな」
「受け取ってくれなかったら凹む」

など、心の奥には柔らかい
繊細な部分があるものです。



■ゆえに、

「相手の可能性を引き出し、
相手がゴールに向かう手助けをするコーチング」

においては、

“相手が安心して、信頼感を持って話ができるための
空気づくり“

が極めて重要になってくるわけです。



■そして、そのキーワードが

『ペーシング』(歩調合わせ)

であり、特に、

「非言語(ノンバーバル)のペーシング」

が重要になるというのが、
昨日までお伝えしてきたお話でした。



■それでは、「非言語(ノンバーバル)のペーシング」には、
どのような種類があるのでしょうか?


また、こちらも説明っぽくなりますが、
これまた、かなり役に立つと思っておりますので
イメージしつつ、読んでいただけますと幸いです。

(ここから)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<「非言語」によるペーシング(歩調合わせ)>

{聴覚のペーシング}

1)話すスピード

”ゆっくり話をする人にはゆっくり”が快適で
”早口で話す人はテンポよく話すこと”が快適だったりします。

人によって心地よく快適に話せる
「会話のテンポやリズム」は違うもの。

チャキチャキ話したい人なのに、
「そうなんですね、、、、、」とあまり間を置きすぎると
相手は居心地の悪さを感じるかもしれません。

逆に、ゆっくり考える人のに
「それで?それで?」とまくしたてられても
ストレスを感じる人もいるでしょう。

相手と話すスピードをあわせましょう。



2)声のトーン

今度は声の大きさです。

”はっきり大きく喋る人”もいれば
”静かに小さく話す人”もいます。

静かに話しをしている人に
大声で「へえー!それで?!」などと
迫力満点で聞いても、相手は答えづらくなるかも
しれません。

あるいは、

”淡々と話しをする人”もいれば
”抑揚たっぷりに話しをする人”

もいるでしょう。


・声のトーン
ボリューム(大きい小さい)、
− 抑揚(波の大小)

も相手に合わせて話をすると、
相手にとって心地よい対話の場を生み出せます。



{視覚のペーシング}


1)顔の表情

相手と顔の表情を合わせること。

笑顔の時は笑顔。
真剣な表情の時は真剣な表情。

相手が真面目に考えている時に
満面の笑顔でも効果的でないこともあります。

感情の反映である「顔の表情」を
相手のペースに合わせましょう


2)姿勢


相手が前のめりのときは
自分も前のめりになる。

上を向いて考えている様子のときは
一緒に上を向いて考えるしぐさをしてみる。

相手が腕を組んだら、
自分もさり気なく腕を組む。


人は自分の行動に影響を受けて
同じような仕草をしてくれると
自然と安心な空気を作ることができます。


(※表情や姿勢を相手に合わせることを
「ミラーリング」とも言います)


3)視線・アイコンタクト


また大切なものが視線です。

相手が目線をそらして考えているときは、
自分も少し目線を外してみる。

相手が自分を見て話をしているときは
自分も相手を見て、目でうなずく。

”目は口ほどに物を言う”

というように、目の動きや視線は
とても多くの情報を持っています。

視線・アイコンタクトを使いながら
相手とペースを合わせていきます。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


となります。

いかがでしょうか?
自然とやっている方もいれば、
全然意識をしていなかった、という方も
いらっしゃるかも知れません。

ただ、実際にやってみると
(自分も相手にペーシングを上手にやってもらうと)

自然と口が回る、
色々と話したくなってくるという効果が
きっと体感できるはず。



■ゆえに、最初のうちはぎこちなくとも、
何度も何度も繰り返し意識をしていくと
「無意識で行える能力」になるのです。

すると、

”相手が話をしやすい雰囲気を
意図的に作り出せるようになる”

のです。

そしてこれは、
人が人と共に生きていく上で、
大変役に立つスキルになるでしょう。




■、、、ということで

今回の「ペーシング」のお話、
合計3部作をまとめると、
以下のような話になります。


・コーチングでは対話が大事。

・しかし、何の制約もなく、
自分の思いや考えを話すことは難しいもの。

・ゆえに、相手との間に
「信頼感・安心感」を醸成する必要がある。

・そのためのコーチングの代表的なスキルが
「ペーシング」である。

・『ペーシング』をまとめると
以下のような内容である。

◯言語によるペーシング
1)相手と同じ「言葉」を使う
2)相手と同じ「言葉づかい」をする
3)相手と「共通の話題」にふれる

・◯非言語によるペーシング(★得に重要)
{聴覚}
1)話のテンポ
2)声のトーン
{視覚}
1)顔の表情 2)姿勢
3)視線・アイコンタクト

・これらの内容を習慣として使えるようになると
相手に信頼感・安心感を意図して与えることができる


というお話でした。



■気づけば大分、
ボリュームが出てしまいましたが、
ぜひご活用していただきつつ、
効果を体感いただけますと、大変嬉しく思います。


ぜひ、やってみてくださいね!

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。


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<本日の名言>

われわれは、自分に関心を寄せてくれる人々に
関心を寄せる。

プブリウス・シルス(紀元前一世紀の喜劇作家)

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