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2613号 2021年4月16日

「あの時の一言」が記憶に粘りつき、時を越えて、今に至る

(本日のお話 2523文字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は組織のインタビュー10件。
また夕方18時から5時間ぶっ通しで
大学院のチームプロジェクトの打ち合わせでした。

皆さんの論理的かつ積極的な姿勢に
本当に刺激になっている今日この頃。

新しい場というのは、実に学びが多いです。
もっともっと、頑張ろう。



さて、本日のお話です。


組織やチームには
実にさまざまな問題が起こるものです。

というより、問題のない組織なんて、
きっとありません。


そんな組織の課題中で、
特に多い状況が

・コミュニケーションが上手くいかない、
・本音を話しているような気がしない、
・ミーティングで誰も話さない、

などの課題の背景に

”「隠れた真因」が存在する”

ということ。


特に今年に入ってから複数の組織で

「組織開発プロジェクト」を通じて
インタビューを行っているのですが、

その中である傾向と、そして、
誰かとのコミュニケーションを行う上で、
注意したいと感じることがありました。


今日はそのお話について皆さまに
学びと気づきをご共有させていただければと思います。


タイトルは、



【「あの時の一言」が記憶に粘りつき、時を越えて、今に至る】



それでは、どうぞ。



■「今、職場でどんな課題がありますか?」

、、、

この質問を投げかけてみると
回答者から様々な答えが返ってきます。


・評価の公平性が課題だ
・上司のリーダーシップが課題だ
・業務手順の曖昧さが問題だ
・タスクとスキルのバランスがあってない

、、、などなど。


インタビューをしてみると、

『組織の6つのマネジメント課題』

として、

<ハードな側面>
・目的・戦略
・構造
・制度(施策)
・業務の手順・技術

<ソフトな側面>
・関係性
・人(タレント)

(※参考『入門 組織開発 活き活きと働ける職場を作る』(著:中村和彦)

が複雑に絡み合っている事に気が付きます。



■そして興味深いのが、

業務手順や構造の問題など
ハードの側面の課題は掘り下げていくと

「あの人は苦手である」
「あの人とは働きたくない」

よって、

「あの人とガチで話せない」

という”関係性”の課題になり、

問題の先送り、あるいは見ないふりで
職場内の生産性を下げていることが
実に多く見られます。



■ただし、そのような

”関係性”の課題は、

どっちが悪いと一概にいえないこともあるし、

言ったとしても、面倒くさいになったら嫌だし、
ということで保留にされがちなテーマ。


繊細だし、面倒くさいし、傷つきたくないし
すなわち、皆大人だから、誰も言わないだけなのです。

(逆にいえば、そういったことを
 率直に語り合える組織は”健全”と言えます)
 


■結果、やんわりと、

・その人との関わりを避ける、
・差し障りがない範囲でやりすごす、

等を行い、

結果、「隠された真因」が
”隠されたまま”になり、

ある瞬間、ネガティブな意味で熟成されて

離職やメンタル、
内部告発等で課題が噴出する、、、

なんてことが起こってくる。


、、、ということが
多くの職場で起こっているのです。


(ちなみに最近、
「あのメルマガは我が社のことですか?」
 と聞かれます。
  
 、、、が同時進行している
 組織開発が数社ありますが
 どれもに近しいことが起こっており、
 
 そういった意味でよく起こるケースであり、
 個別の誰かを語っているわけではありません。
 
 と補足させていただきました)



■そして、そんな
組織開発のプロセスの中で

個人としても
「これだけは気をつけないとなあ…」と
戒めとして感じる教訓がありました。


何かというと、


【「あの時の一言」の遺恨が、記憶に粘りつく】


という現象。



■「こういうケース、実に多い!」
と思ったのが、



過去何かで一緒に仕事をしていた人に対して、

”何気なく言われた「あの時の一言」”を
数年経っても引きずっており、今に影響している

ということ。


例えば、
 
・愛情を感じない、心無い叱責があった
 (と感じた)
 
・自分の大切にしている価値観をないがしろにされた
 (と感じた)
  
・自分のことを大切にされずに
 一方的に言われたと感じたコミュニケーションがあった
 (と捉えた)
  
ということ、


実際はどうかわからないにせよ、
「そう思った」という主観的事実が、

1年、2年、あるいは5年経っても、


”未だに記憶に粘りついていて、
 苦手意識として残り続ける”


ことが起きている、ということ。



■よく、

「体の傷は癒えるが、
 心の傷は言えない」
 
などと言われ、

言葉の暴力に気をつけましょう、
などと言われることがありますが、

人の心は、我々が思う以上に
柔らかいもののようです。


相手が覚えていなかったとしても、
自分にはそのつもりがなかったとしても、
”あの一言”が記憶に粘りついている。


そして今、上手くやっているように見えても、
実は心の奥で

”何かしらの遺恨が残っている”

ことは、やっぱりあるようなのです。


そしてそれは
普段のコミュニケーションの中でも
何かしらの形で影響しており、

望ましくない関係性になっていることが
大いに有り得るのだな…

と感じたのでした。



■そんなことを知った時に、
我々が気をつけるべきは



『自分が放つ一言、特に
 相手の内面に響く可能性がある言葉は
 慎重に選ぶ必要がある』


ということでしょう。


もちろん恐れて何も言わない、
というのも違いますが

「相手がどう捉えるのか」

は自分がそう思う、ではなく、
相手の立場で考えること。

当たり前のようですが、
極めて重要なのだと思うのです。



■加えて、もしすでに
何かしらの遺恨があると感じた場合は、


『その当時の感情を語り、理解し、
 受けとってもらう』


ことが、効果を発揮します。


話す方も受け取る側も
勇気がいる行動ですが、

「あの時はショックだった」という自己開示からの
「そうだったのか」という受け止めがあるだけで、
 
相互の関係性に変化が生まれます。


(ちなみに、”関係性”にアプローチする
 組織開発の手法は元々「集団精神療法」を背景に発展してきました。
 
 ゆえに、上記のアクションも、
 精神療法的色合いが強いですし、そういうものです。
 
 同時に繊細な話なので、取り扱いには注意です。
 強引に自己開示を求めてはいけません)
  
 

■いずれにせよ、

人と人の関係性において、


”『「あの時の一言」の遺恨が、記憶に粘りつく』
 ことを理解する”


ことは

職場でも、家庭でも、友人でも、

誰かと関わる社会で生きる私達一人ひとりにとって
大切なことであろうと思います。

それは回り回って、
様々なところに影響してくる…


そんなことを
リアルな方の声を聞く中で思った次第。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

戦争はしようと思った時に始まる。
しかし、終わって欲しいと思ったときには終わらない。

マキャヴェッリ(イタリアの政治思想家/1469-1527)

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