今週の一冊『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために』
(本日のお話 3290字/読了時間5分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日土曜日は、
研修事前学習用の動画撮影でした。
現在、家がスタジオ化しております。
*
さて、本日のお話です。
毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。
今週の一冊は、
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『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために』
佐藤尚之 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/B079JRSVVQ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_l1BaFbV7ZJZMG
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です。
■本日お勧めの一冊。
ビジネスでマーケティング
営業等に関わるような方、
または、
これから商売をしていこう
(副業などを含め)
と考える方に、
特にお勧めしたい一冊です。
結論、
「これからの時代はファンが超大事!」
という話です。
■さて、話が少し回り道になりますが
私の周りがたまたまそうなのか、
あるいはそのような情報が
目についてしまうのかがわかりませんが、
ゆくゆくは
「自分で何かしら商売をしてみよう」
と考える人が、以前より
明らかに増えているように感じます。
(副業OKという会社も増えてますよね)
しかしもし始めようとしても
「お客さん、どうやって見つければいいの?」
「このお客さんの数じゃ、食べていけないよ、、、」
と悩まれる方、非常に多いです。
はい、よくわかります。
まあ、それはそうです。
実際に、お客様と出会い
関係を深めるためには、
膨大な時間と労力がかかりそうです。
出会いの数も大切そうです。
■しかし、どんな状況であろうと、
この本は、
「これからのビジネスの成功のためには、
”応援してくれるファン(たとえ少数でも)”
とことん尽くすべし!」
という理由を、説得力のある形で
理論と事例を元に語ってくれる本です。
■私はこの本を読んで、
お仕事の機会をいただく人事の皆さま、
ワークショップにご参加いただく皆さまなど、
応援していただける、
選んでいただける方に益々コミットをしたい、
と思わされました。
その方の人生での、
「学びと挑戦を応援する」と同時に、
「応援したくなるような新しい試みを
打ち出し続ける自分(会社)である」
ことが、先が見えない中で、
今、私と会社ができる一番大切なことだと
気付かされました。
、、、という、まずは私の感想です。
■では、この本、どんなことが
書かれているのでしょうか?
以下、概要について。
書籍の紹介より引用です。
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人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、
新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。
生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に必要だ。
それは、ファンを大切にし、ファンをベースにして
中長期的に売上や価値を上げていく考え方であり、
その重要性と効果的な運用の方法を、
豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する。
※Amazon本の紹介より引用
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(ここまで)
■新規顧客獲得が、
どんどん困難になっている。
その時代に色々やっても
ジリ貧(またはむしろ嫌われる)のが現状である。
*
例えば、皆さまも経験があるでしょう。
・なかなか終わらないYouTube広告
(6秒ならまだしも、30秒など許せない!)
・ネットで現れる不快なバナー
(しかも「✕」がちっちゃくて消せない、間違ってクリックしてしまう)
・ウェブを開いたら、ひたすら届く中身のないメルマガ
(私のはそうではない、と信じておりますが、、、汗
もしそうだったらごめんなさい)
・資料請求したら、やたらとかかってくる営業電話
という「新規の必死な営業」に、
遭遇をしたことがあるのではないかと。
■情報がどんどん増えて、
私達も何がなんだかわからず
とりあえず申し込んでみるものの、
クリックした数に比例して届く
圧倒的な情報に打ちのめされ、
「もういらんわい!!」
と”情報疲れ”をしている。
新規顧客を獲得するのは、
「1)情報の波」
そして、
「2)人口が現象の波」
という2つの波で、
ますます厳しくなっていくのです。
これは、基本的にBtoC、BtoB、
あらゆる仕事で同じことが言えます。
■では、ビジネスをする人が、
何をどうすればよいのか?
それが
『ファンベース』
という考え方です。
*
「パレードの法則」という
有名な法則があります。
それは、別名「20:80の法則」とも呼ばれ、
具体的には、
”20%のお客様が、売上の80%を占めている”
という傾向を見つけた法則です。
(他にも、色んなことに応用できます。
組織の成果を出す営業の割合や、
成果に繋がる時間の使い方の割合など)
そして、調べてみるとこの法則は、
実際に当てはまっていることがわかりました。
大切にすべきなのは、
売上の80%を作ってくれる、
「上位20%のファン」
であり、さらに言えば、
そのうちの更に20%の
「上位4%のコアファン」
を何よりも大切にすること。
そして、価値を共に創り上げるパートナーにすること。
それが成功につながる、
といいます。
■そして、その「ファンベース」の考え方を軸に、
「戦略を組み立てよ」といいます。
例えば以下の3つの王道パターン。
(ちょっとマニアックになりますが)
1)中長期ファンベース施策のみで構築する
… 焦らない。じわじわと目の前のファンを大切にし、
LTV(ライフタイムバリュー)を上げ、ファンを増やしていく。
少数のコアファンを作る
2)短期・単発施策でファンをゼロから作っていく事から始める
… 予算があるなら、ファンをゼロから作ることができる。
しかし、ファンの入り口にするためには、
最初の接点で、グッとお客様の心を掴むことが大切
3)中長期ファンベース施策を軸に、
短期・単発施策を組み合わせていく(★おすすめ)
… 今いるファンを大切にする施策を断続的に打っていく。
同時に、短期・単発施策(マーケティングイベントなど)を
組み合わせて、相乗効果を図っていくという、1)2)の複合技。
とのこと。
(このあたりが気になる方は、
是非本書をよんでみてくださいね)
■かつ、そのための姿勢として、
以下の7つを提唱します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<ファンベースを形にするための心構え>
{1}スモールスタートで楽しむ
{2}時間をかけることを楽しむ
{3}ファンになってもらう過程を楽しむ
{4}常連さんをお迎えすることを楽しむ
{5}ファンという少数と楽しむ
{6}コミュニティ運営を楽しむ
{7}キレイゴトを楽しむ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とのこと。
■これらは、本当に地道で、
時間がかかり、手間もかかり、
華々しいものではないかも知れない。
しかし、
とても充実した絆の深い関係を
お客様と共創する素晴らしいもので、
これこそがこれからの時代に必要な
マーケティングではないか、
と著者は語ります。
■、、、えっ、
マーケティングに関わっていないから、
自分にはこれらは関係がない?
そんな声も聞こえそうですが、
そうは言わず聞いていただきたい。
これは何もビジネスだけではなく、
”大切な人間関係を創り、継続し、育てるための技術”
と同じである、とも言えます。
■『TED』という世界的なプレゼンテーションの会合で、
ロバート・ウォールディンガー教授がある研究結果を
スピーチしました。
それは、
75年にわたる研究からわかったことが、
”私達を健康かつ幸せにするものは、
富でも名声でも無我夢中には働くことでもなく
良い人間関係に尽きる”
ことでした。
そして、定年退職後に一番幸福な人は、
『仕事仲間に変わる新しい仲間を
自ら進んで作った人たち』
であったとのことでした。
■この「ファンベース」の考えは、
もちろんビジネスの話でもありますが、
特に上記の7つの項目は、
良好な人間関係を作り上げるためのもの、
と言えます。
ゆえに、
”大切な人間関係を創り、継続し、育てるための技術”
として、ご興味がある方は
ぜひお手にとっていただくと、
きっと気づきがある一冊になるかと思います。
よろしければ、ぜひ。
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<今週の一冊>
『ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために』
佐藤尚之 (著)
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