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『ダイアローグ 対話する組織』

今週の一冊『ダイアローグ 対話する組織』

2649号 2021年5月23日

(本日のお話 2515字/読了時間3分)

こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は大学院の授業。

並びに夜からは、大学院の仲間と
読書勉強会の実施でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナーです。

今週の一冊は

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『ダイアローグ 対話する組織』
中原 淳(著)、長岡 健 (著)



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です。

■皆様は普段、
職場で(あるいは家庭でも)

「対話」

されていらっしゃいますでしょうか?

なんとなくのおしゃべり、
「雑談」とも違う。

あるいは真剣な意思決定のための
「議論」とも違う。

また、一方的に物事を伝える
「伝達」とも違う。

真剣だけど、自由な雰囲気で語る
「対話」の場。

言葉やコミュニケーションを通じて

”新しい何かを作り上げていくプロセスこそが
「対話」(=ダイアローグ)である”

今回ご紹介する一冊の
中核のメッセージがこれです。

■なんとなく多くの方が感じている、

しかし明確にその大切さを
「なぜか」を説明できないのが、

”コミュニケーションの価値”

ではないかと思います。

コミュニケーションには

対話・会話・議論、
ただ一緒にいること…

様々な意味が含まれていますが、

その中でも

そのチームあれ、
夫婦関係であれ、友人関係であれ

意図を持って、
その場の空気や雰囲気を形作るものが
「対話」ではないかと。

■しかしながら、一方

そんな対話の大切さは
何となくわかっていても、

「なぜ重要なのか」説明する事が難しく、
つい後回しになってしまうがゆえ、

つい軽んじられて、結論を急ぐような
”議論”になってしまう。

例えば、

「今日の会議のお題は、◯◯。
そのゴールに向かって話し合えばいい」とか、

「そもそも問題を整理すると、AとBとC。
論理的に考えて、君がAをすべきだ」

と、収束に向けた意思決定、

あるいは合理的な解決だけに
向かっていく、みたいに。

■合理的に考えたら、
確かにそうなのかもしれない。

、、、しかし
何だか釈然としない。

明確に反論できないんだけれども、

なんだかモヤモヤする、
納得できない気がする、、、

こんな曖昧な状況と言うのは
現実の社会ではたくさん起こります。

■そして、そんな組織における

あるあるモヤモヤ問題を
解決するための一つの方策が

「対話をすること」

にではないか、、、

そのことをこの著書では
考えさせてくれます。

■この本の魅力は、
「対話」がもたらす効果について、

・理論的背景
・哲学的背景
・対話がもたらす効果効能

を明確に言葉にし、
整理をしてくれているところです。

やはり、大学の先生が書かれた本
「なんとなく」の主観で抱えてはいないと
言う事が特徴かと思います

■著者の主な構成は、以下の3つです。

まず1つ目、

”伝わらないのは「導管メタファー」のコミュニケーションが
人々の当たり前になっているから”。

「導管」と言うのは、その字のごとく

自分の頭と相手の頭に”管”を接続して、
その管を通じて相手に情報を流し込めば届く、

つまり、

「自分の頭の中にある思いを言葉にして
正しく伝えさえすれば」

「相手にも正しく理解される」

という思い込みがある、

なる、コミュニケーションの問題点です。

上司が部下に

「俺はきちんと伝えたよな?
なんでやってないんだ」

みたいに言うシーンがあります。

伝えた=伝わる=行動する

という単純な図式で
人は動かないのは考えてみれば当然ですが、

現実の会社では「伝えれば伝わる」という
解釈をしていること、結構あるようです。

しかし、

「こういったつもり」
「いや、自分はこう解釈した」

こんな自分の価値観や思い込み、
すれ違いを解消し、相互理解を深めていくためには

この「導管型コミュニケーション」から脱却が必要、

と著者は述べます。

■そして著書のポイントの2つ目。

「対話が必要な哲学的背景を理解する」

ことです。

対話の重要性は

「社会構成主義」

という哲学的背景を
理解することが近道になります。

ちなみに、”社会構成主義”とは

「物事の意味とは客観的事実ではなく、
社会的な構成物(人々のコミュニケーションによって作られるもの)である」

という意味で、
ここでは捉えられています。



例えば、「会社の戦略を決める」という場面が
研修であったとします。

そして同じような状況を
A~D 4グループ、それぞれが話し合って決めるという設定。

オープンになっている情報が、
市場・資源・顧客・競合などなど、、、
全部同じだったとしても、

グループディスカッションして
そして決まった戦略は、
当然グループごとに違います。

なぜ違うかと言うと、

”なされた対話が違うから”

に他ありません。

同じ情報があっても、あるいは

人がその場の空気や、全体の合意や
意見の強い誰かの声や、様々なものを感じ取って
人は合意形成・意思決定をしていきます。

始まりの情報と
結論の意思決定の間にあるものは
間違いなく

「対話」

であり、

「人々は対話を通じて現実を作っていく」
(=社会構成主義)

と言えるわけです。

ゆえに、

対話の質=結果の質に影響する、

と言えるのでしょう。

■そして3つ目。

「組織における対話の意義/効果的なやり方」

についてです。

1つ目、2つ目の点を踏まえて

・協調的な問題解決、問題設定、
・知識の共有
・組織の変革

を対話を通じて

どのような考え方、
どんなプロセスで行っていくのかを
伝えています。

例えば、

・問題解決モードではなく
「問題発見をしていく」というスタンスの対話の大切さ

・組織の中である暗黙知・実践知を共有するための
経験やエピソードを語り合うことの重要性

・多様な視点をお互い受け入れるための
自由な空気を作るための対話、

等、企業の事例を伝えつつ、
対話の重要性を伝えています。

■書籍のボリュームとしては
200ページ強の短い本ですが、

「なぜ対話が必要なのか?」

をシンプルかつ、説得力を持って
整理してくれる1冊でございます。

もちろん対話が
すべての万能薬とは思いません。

しかし、改めて

仕事と対話は切っても切り離せない。

むしろ対話こそ、
成果の質を決めるのだろう…

そんなことを考えるきっかけになる
一冊かと思います。

コミュニケーションの大切さを
語り合ってみたいチームは

ぜひこの書籍を題材に
色々と語ってみるのも面白いかなと思います。

よろしければ是非。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『ダイアローグ 対話する組織』
中原 淳(著)、長岡 健 (著)



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