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『はじめてのリーダーのための実践!フィードバック ~耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」~』

今週の一冊『はじめてのリーダーのための実践!フィードバック ~耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」~』

2643号 2021年5月16日

(本日のお話 2225字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

土曜日は、終日
ストレングスファインダーを活用した
企業向けワークショップの実施。

人はつい、弱みに目が向いてしまいますが、

「強み」にフォーカスをして対話をすると、
皆さん元気に、楽しそうに喋られるのが実に印象的でした。

「普段、業務では見せない顔で
話をしていた」

という声もあって、

改めて”強み”にフォーカスをする大切さを、
ひしと感じた次第です。

時折意識をして、
お互いの「強み」にフォーカスをする事、
とても大事だなと思った1日でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
今週の1冊のコーナー。

今週の1冊は、

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『はじめてのリーダーのための実践!フィードバック
~耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」~』
中原 淳(著)



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です。

■見つけました。

世のリーダー、マネジャーの方に
これはぜひ読んでいただきたい、

と思った一冊です。

理論的かつ実践的で、

読めば明日からすぐ使える
考えと行動が凝縮されている

そんな本でございました。

■、、、というのも、

私自身、現在大学院で、
著者の中原先生に師事しておりますが、

その中の課題で

「プロジェクトのメンバーに
フィードバックする」

というお題がまさに出ております。

そんな流れで(今更ですが)
気になって買って読んで見たのでした。

そして、思ったのが

「理論と具体例、入ってて
長くなくて、イラストもたくさんあって、
めちゃわかりやすい!」

という率直な感想でした。

■さて、話をこの著書の

「フィードバック」
に焦点を当ててみると、

まず人が能力を高める上でも、

”フィードバック”とは
極めて重要な行動のようです。



「ダニングクルーガー効果」という

”実際の能力と、
自分の認知能力の相関性”

を調べた話があるのですが、

これによると、

・能力が高い人は、
自分の能力を客観的に認知している

(身の程をわきまえている、
ということでしょうか)

一方、逆に、

・能力が低い人は、
自分の能力を高く見積もりがちである

ことがわかりました。

■この話から言えることは

「能力が低い人ほど
自分のことを正しく認知していない」

ということ。

そしてもう一歩、
話を展開させてみると、

「正しい自己認知が、
能力を高める上で重要である」

と言い変えられる、

ことになります。

■じゃあ、どのように
自分のことを正しく認知するか?

と言うと、そうなのです。

そのパワフルなアクションの一つが、

「フィードバック」

なのです。

自分自身のことを内省する、
そして見つめることも大事ですが、

”他者からどう見えているかを知る =フィードバックを受けること”

は実にパワフルな手段になるわけです。

■しかしながら、

「フィードバック」とは、

正直、するほうもされるほうも、
本音はちょっとイヤなものです。

自分も、なんとなくわかっている。

だから、それを面と向かって言われるのがイヤで
「フィードバックを受ける本人もどこかで逃げている」

という側面もあるし、

あるいは、フィードバックをする側も、

今感じている問題点を口に出すと、
「修羅場になりそうで怖い」とか
「ショックを与えそうで怖い」と思うこともあります。

ゆえに、

・感じていることを言葉にできなかったり、
・あるいはお茶を濁してしまったり、

となってしまい、

・問題行動があるのに改善されない、

・結果的に本人の為にも、
チームの為にもならない

ことがしばしば
起こってしまうわけです。

あるいは、”やりすぎ系”だと

・相手の気持ちを汲み取れず、
ズバズバと言い過ぎて相手がパニックになる

・気持ちが折れて潰れてしまう、
ショックで立ち直れなくなる

等で、逆に信頼を損ねる、
パワハラ扱いされてしまう、、、

という繊細な事柄でも
あったりするのです。

■そんな、ガラス細工のように、

繊細で一工夫必要なフィードバック。

それを、

・いつ、どこで、どんな風に、

・どんな心構えを持って思ってやるのか、

・どんな準備をすればよいのか

について、

1)フィードバックが機能する
背景としての理論

2)体系的な技術とステップ

3)具体的な事例、ワークシート

を端的に、わかりやすく、
読みやすく短くまとめているのが

今回のご紹介している
一冊でございます。

■個人的なお勧めポイントとしては主に

「組織で働く上司向け」にターゲットを絞って、
書かれていること。

例えば

・年上部下にどうフィードバックをするか、とか

・逆ギレしてくる部下にどう対応するか、とか

・お地蔵さんのように黙りこくる部下に
どうフィードバックするか、

など、組織にありそうなケースが
ふんだんに盛り込まれています。

またこの本は、理論的な背景と
また実際の企業のインタビューを通じて
書かれているため説得力があります。

■その他、

”フィードバックする上での準備として
「SBI」情報が大事”

S=シチュエーション
B=ビヘイビア
I=インパクト

を”日頃から(ココ重要!)蓄積しておく事が大事、

という準備の仕方や、

”フィードバックをするための練習の
具体的実践方法”

あるいは、

”フィードバックに臨むための
穴埋めワークシート”

なども用意されており、

平たく言って

「めちゃくちゃ使える一冊」

であるかと。

■、、、ということで、

ぜひ部下のフィードバック、育成に悩む
リーダー・マネージャーの皆様に、
ぜひ手に取っていただきたい一冊。

既にこの技術を
体得されていらっしゃる方も、

改めてこのように整理してみると、
気づくところがあるのではなかろうかと思います。

(以下、著書の紹介です)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<今注目の人材育成法「フィードバック」を
図やイラスト、会話例やフレーズで
世界一わかりやすく徹底解説!>

現代のマネジャーは、かつてないほど部下育成が困難な環境にある。

・若手社員や年上の部下に、何を言っていいかわからない
・パワハラが怖くて、思ったことをストレートに言えない
・何より、部下を指導している時間がない……

そんな職場コミュニケーションに悩む
全マネジャーを救う人材育成法、その名は「フィードバック」
=「耳の痛いことを伝えて、部下と職場を立て直す技術」

本書では、そんなフィードバックについて
人材開発の第一人者である著者が、
「はじめてマネジャーになる」という人でも実践できるように、
図やイラストで丁寧に解説し、すぐに役立つ会話例・フレーズを多数収録!

その他にも、実際の部下指導の際に使える「フィードバックシート」や、
若手マネジャー3名にインタビューした「フィードバック事例」を掲載!

これからマネジャーになる人はもちろん、
経験豊富なベテラン管理職まで役立つ
言いにくいことを上手に伝えて、
職場とチームの生産性を上げる技術!

【本書の項目】

◯第1章 フィードバックの理論と部下育成の基礎知識

そもそも「フィードバック」って何?
フィードバックが注目される理由とは?
部下育成の理論から見てもフィードバックは合理的
フィードバックを阻む3つの壁……etc.

◯第2章 フィードバックの基本モデル
5ステップで実践するフィードバック

【事前準備編】
フィードバック前の情報収集

【実践編】
ステップ1 スタートの数分間で成否は決まる
ステップ2 鏡のように事実を伝える
ステップ3 相手に問題点を腹落ちさせる
ステップ4 部下の立て直しをサポートする
ステップ5 今後の期待をしっかりと述べる

【事後フォロー編】
事後のフォローも忘れない……etc.

◯第3章 フレーズとセリフで学ぶフィードバックのポイント

BADフィードバックフレーズ
×でも、よくやっていると思うよ、君も
×あれもそうだし、ほらこの前のあれも……
×君って◯◯的で、◯◯性が足りないよね

GOODフィードバックフレーズ
◎時間をかけて今後のために話し合おう
◎今の君は◯◯のように見えるんだけど、どう思う?
◎そうか、◯◯というふうに考えているんだね。でもね……etc.

◯第4章 会話例で学ぶ 部下のタイプ別フィードバック

上から目線で返してくる「逆フィードバック」タイプ
自分に都合良く解釈して「まるっとまとめちゃう」部下
何を言っても「大丈夫」で返す「ポジティブに逃げる」タイプ
自分の意見を言おうとしない「お地蔵様」部下
過去にすがって変わらない「ノスタルジー」部下……etc.

◯第5章 フィードバックを続けるための事前準備&テクニック

たった15分の「1on1」でフィードバックが変わる
忙しいマネジャーは「朝の声かけ」を習慣に
「トライアンギュレーション」で情報の裏をとる
フィードバック前には「脳内予行演習」
「模擬フィードバック演習」で自分自身を客観視する……etc.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

オススメです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『はじめてのリーダーのための実践!フィードバック
~耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」~』
中原 淳(著)


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