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3157号 2022年10月13日

マズローは薄氷の上をスケートしていた

(本日のお話 2036字/読了時間2分)


■おはようございます。紀藤です。

昨日は久しぶりに10キロのランニング。

ただ走るだけなのに、
体も心も、すごく満たされた気持ちになります。

心身のメンテナンスは
やっぱり大事だと痛感しました。



さて、本日のお話です。

今日は、心理学者マズローの著書からの学びを、
皆様にご紹介させていただければと思います。

タイトルは、



【マズローは薄氷の上をスケートしていた ー『人間性の心理学』序章よりー】



それでは、どうぞ。



■皆さまの中にも、


「マズローの欲求五段階説」


という考え方を
聞いたことがある方は、
少なくないのではないでしょうか。

曰く、こんな話です。

**

・「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、
 人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。

 自己実現の欲求 (Self-actualization)
 承認(尊重)の欲求 (Esteem)
 社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
 安全の欲求 (Safety needs)
 生理的欲求 (Physiological needs)

Wikipediaより

**

おなじみの感じですね。



■ただ意外と知られていないのが、上記の

マズローの欲求五段階説は
多くの批判があるということです。

こちらもWikipediaからの
引用で恐縮ですが、例えば、

・マズローの着想は科学的な厳密さの欠如により多々批判されている

・5段階欲求という図式は、西洋的な価値判断
 またイデオロギーにバイアスがかかっているとして非難されている。

・多数の文化心理学者が、この概念を他の文化、社会と関連付けて考慮したところ、
 一般原理として採用することは到底できないと述べている


などなど。

なるほど、、、。
現実的な話として、
他の学者から批判的な意見も多々あるようです。



■そんな中、マズローの著書


『人間性の心理学 ーモチベーションとパーソナリティ』
https://www.amazon.co.jp/dp/4382049245/ref=cm_sw_r_tw_dp_BXMVNMG0Z8PFJEXW8GRC

という書籍がありますが、

これを読むと、
マズローが何を言いたかったのかという
彼の考え方に、触れることができます。


まだ私も序章だけではありますが、
読み進める中で、その一端に触れることができた気がしました。


以下、一部引用させていただきます。

(ここから)
~~~~~~~~~

”この社会の多くの人は、深い絶望やひねくれたものの見方をしている。
 それは時として、精神的に消耗させるような悪意や残酷さに変わる。
 
 実際、彼らは人間性や社会を改善する可能性、
 人間の内在的価値を発見する可能性、
 あるいは全般に人生を愛する可能性を否定している”(序章XXii)
 

 
”人は、行動の原因となる動機づけを、
 たとえばその人の一般的楽観主義とか悲観主義に合わせて”選ぶ”。
 
 後者の選択が今日では非常に多くなされており、
 あまりに多いので私はその現象を「水準低下の動機づけ」と
 名付けるとよいと思う。
 
 簡単にいえば、これは中程度の欲求よりも低レベルの欲求を好み、
 高いレベルの欲求よりも中程度の欲求を好む傾向である。”(序章XXVii)
 
~~~~~~~~~
(ここまで)

読んでみると、マズローの

人間や社会の可能性を信じたい気持ち
悲観主義や絶望により持っている可能性を押さえつけている現状への憤り

などを感じます。


その上で、


・自己実現者は人間の不幸の深い原因から比較的免れている
・自己実現者は”感謝する”ことができる
・自己実現は、若い人には生じない

などなど知られることも語っております。



■一方、私が感銘を受けたのは、

実は上記の言われている部分以上に
このように記述されているところでした。

上記のマズローに対する
種々の批判に対して、本人が述べているところです。

以下引用いたします。

(ここから)
~~~~~~~~~~

自己実現者についての私の研究は、
非常にうまく言ったことを告白しなければならない。

それは大きな賭けであり、
直感的な信念を頑固に追求したのであり、

その過程では、科学的方法の基本的基準や
哲学的批判のいくつかを無視したりした。

それは私自身が信じ、受け入れていた基準であったし、
私は薄氷の上をスケートしていることもたいへんよくわかっていた。

この探究は、不安、葛藤、そして自己疑念などに
逆らって進められたのである。

(序章XXXViii)
~~~~~~~~~~~~
(ここまで)



■なるほど、、、、

心理学者であるマズローも
種々の批判が起こることはわかっており、

それでもなお、語りたいことがあった、
探究したいことがあったからこそ、

”自分自身が学び、信じてきた基準を無視し
 薄氷の上をスケートするように”
 
自分の信ずるところを
新しいやり方で導こうとされたのだ、

ということを感じました。



■この欲求五段階説なりが、
実際にどうなのかはわかりませんが、


『批判があることがわかった上で、
 それでも新しい道を切り開く』
 

というその行為全体に、
尊敬の念を覚えたのでした。



■著書の内容は深くて、

なかなか理解するのに
骨が折れていますが、

こうした可能性を追求するという世界観、
私自身共感しますし、共感し、自分に取り入れたい、

と感じています。


ということで、また読みつつ、
今後も咀嚼してお伝えできればと思います。


ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

本日も皆さまにとって、素晴らしい1日となりますように。

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<本日の名言>

最高の収穫と最大の悦びを手に入れる秘訣とは、
冒険的な生き方をすることなのだ!

フリードリヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者)

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