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今週の一冊『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』

今週の一冊『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』

2405号 2020年9月20日

(本日のお話  2905字/読了時間5分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日土曜日は、2件の打ち合わせ。
また、大学院のオンライン入学説明会への参加。

人や組織についてより理論的に学び、
再現性高く貢献したいという欲求が、
日増しに高まっております。

受かる受からないはわかりませんが、
いずれにせよ来年、受検をしようと思います。

そして夕方からは
妻の実家の茨城県ひたちなか市へ帰省でした。



さて、本日のお話です。

毎週日曜日は、お勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は、

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『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』
加藤洋平 (著)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0739Q42P5/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_2b1zFbPJEAZRR

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です。

■最近のマイブーム。

「成人発達理論」の濃厚な一冊。

読んでみて、いやはや、

「その道の専門分野のプロが大人の成長を定義すると
このように理路整然と整理できるのだなあ…」

と、非常に納得をした一冊でした。

「成長」という曖昧模糊としたものを、
きちんと言葉で定義をされた感覚です。

■ちなみに、発達心理学では
近年になるまで、

「成長は子供がするもの」であり、
「大人になってからは成長しない」

という考えがあったそうです。

しかし、ここでわざわざ

「”成人”発達理論」

と呼ぶところに、

人は大人になっても
能力を伸ばしていくし、
出来ることも増えていくし
「成長」していくものである、

と成人発達理論のロバート・キーガン博士は
定義をしました。

■では、「成長」ってなんだ?

と捉えたときに、
成長には2種類の成長があることを
この著書では、冒頭に説明します。

まず1つ目は、

『1)人間としての器の成長(人間性や度量)』。

そして、2つ目が、

『2)具体的な能力(スキル)の成長』

この2点となります。

■しかし、特に日本で注目されている
発達心理学の大人の成長は

1)人間としての器の成長

に重きが置かれており、

2)具体的な能力の成長

については、あまり詳しく語られていない。

、、、しかし、当然ながら、
我々が成長をしていくためには、

”「人間性」と「能力」の2つを
自転車の車輪のように
双方、成長させる必要がある”

わけです。

そうしなければ、実際に
現実社会で望む成果につなげることが
難しいことは、想像に難くないでしょう。

■では、どうすれば、

1)人間としての器の成長

2)能力の成長

を、理論的背景に基づいて理解し、
意図的に育てていくことができるのか?

、、、このことについて、
今回ご紹介の著書『能力の成長』では、

・ハーバード大学教育大学員教授 ロバート・キーガンの
『成人発達理論』で、
「1)人間としての器の成長」を語り

を念頭に起きつつ、同じく

・ハーバード大学教育大学院教授 カート・フィッシャーの成長モデル
『ダイナミックスキル理論』で、
「2)具体的な能力の成長」を語り、

それらを理論的に、
明快に教えてくれます。

ゆえに、

「私たちは、どのように能力を
発達させていけばよいのか?」

を、よくある自己啓発本であるような、

「まず行動が大事だ」
「圧倒的PDCAを回し続けること」
「量的な経験が理論へと昇華していくもの」

という、確かに正しいけれども
やはり誰かの個人的経験を拭えない主張ではなく、

「理論」

として語ってくれるところに
非常に説得力を感じさせてくれます。

■実際の内容としては、

”人は、多様な経験を動的プロセス(人やプロジェクトとの関わり)を
通じてすることで、

ダイナミックに、それこそ
網の目のように広がりと深さを持って
広がっていくものだ”

という「ダイナミックスキル理論」から入り、

そのダイナミックスキル理論を形作る様々な要因を
(環境の影響や、スキルの成長のプロセスや、メカニズム)

解像度高く、かつ、隙がない形で
言語として表現し尽くしているところに、
圧倒的な著書の強みを感じます。



以下、著書に書かれていた代表的な「理論」でした。

(途中から小難しくなってきますが…
なんとなくイメージしていただければ幸いです)

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<キーワードのまとめ>
『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』より

◯『発達の網の目』のメタファー

… 一つのスキルが直線的に伸びるのではなく
様々な能力がお互いに関係し合いながら成長していく

(★つまり、幅がある多様な経験をすることが、
能力の成長のためには大事!)

◯能力の『環境依存性』

… 人は周りの環境によって、能力を発揮できる幅が変わってくる。
前職で優秀でも、次の職場では能力が発揮できない、というように
「能力は環境に依存する」という事実がある。

(★ゆえに、自分の能力が発揮される状況、特性などを
自分でも自覚しておくことが大事!なのです)

◯能力の『課題依存性』

… 私たちは、”具体的な課題”を通してしか、成長ができない。
つまり、何かの能力を高めるためには具体的な課題をしないとダメ。

(★例えば、英語のスピーキング能力も、実際に話をするという課題がないと
能力は伸びることはない、つまり「場」を設けよ!ということですね)

◯能力の『変動性』

… 私たち自信の感情状態、身体状態でも
発言できる能力が変わってくる

(★いつでも100%力が出せるとは限らない、ということですね。
力が出せる、感情・身体状態を理解しましょう)

◯成長と時間の関係『マクロ・メソ・ミクロな成長』

… 年単位の成長(マクロな成長)のためには
月単位の成長(メソな成長)が必要で、メソな成長のためには
1日単位の成長(ミクロな成長)が必要である。

(★日々の成長を大事にできなければ、能力の成長は起こらない!
ということですね。目に見えずとも1分1秒の成長が大事なのです)

◯『フラクタル』な能力の成長をする

… 「能力の成長」とは、点→線→面→立体、そして
立体が点となり、線、面、立体とまた大きくなることを続けていく、
雪の結晶のような構造をしている。

(★同じことを繰り返しているようでも、
レベルが変わってきているのです。それは微妙な差異ですが、
能力の成長において極めて重要なポイントです)

◯「能力の成長」に関する5つの法則

… 1統合化、2複合化、3焦点化、4代用化 5差異化
というようにいくつかの段階がある。

(、、、なんだか難しくなってきました)

◯フィッシャーが提唱する『13の能力レベル』

… 反射階層、感覚運動階層、表彰階層、抽象階層、原理階層
(、、、本書を読んでください笑)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

というようなイメージ。

後半の、

「5つの法則レベル」や、
「13の能力レベル」などは、

言葉だけ並べてみると
意味不明な感じがしますが(汗)

説明を読むと「ああ、そういうことね」と
理解いただけるようなわかりやすい事例で
表現されています。

後半力尽きてしまい、
解説を割愛させていただきました。
スミマセン。

■しかし、このような抽象度が高いことを、
言葉にして切り分けて伝えられることに
私はただただ、感動をしておりました。

重厚感があるタイトルや見た目の本は、
確かに読むのに躊躇することもありますが、
やはり学者がまとめただけあり、

『モヤモヤっとした「成長」という言葉を
レベル・ステップを明快に分けて教えてくれる』

という意味で、
思考を明瞭にしてくれる
気持ちよさがあります。

そしてそれは「成長」という言葉に
奥深さをもたせてくれて、かつ
立ち戻れる場所を与えてくれる気がします。

ということで、ぜひ
人材開発や人の成長に関わる方、
あるいは自分自身の成長に興味がある方は
学び多き冊になるかと思います。

よろしければ、ぜひ!

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<今週の一冊>

『成人発達理論による能力の成長 -ダイナミックスキル理論の実践的活用法-』
加藤洋平 (著)



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