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今週の一冊 『最新版 論文の教室: レポートから卒論まで』

今週の一冊 『最新版 論文の教室: レポートから卒論まで』

3188号 2022年11月13日

(本日のお話 2085字/読了時間2分)


■こんにちは。紀藤です。

現在、友人の家族と
山梨のキャンプ場に来ております。

紅葉が綺麗で、季節も過ごしやすく
豊かな時間だな、と感じます。



さて、本日のお話です。

毎週に日曜日はお勧めの一冊をご紹介する
「今週の一冊」のコーナー。

今週の一冊は

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『最新版 論文の教室: レポートから卒論まで』

戸田山 和久 (著) (NHKブックス)


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です。



■論文。

もう、この響きだけで
巨塔に立ち向かうかのような抵抗感を
覚えてしまうのは、私だけでしょうか(汗)

大学院の同期の仲間でも、
実は同じように感じている人も
いたりするのでは、、、と密かに期待(?)しております。


なぜ抵抗感を感じるのか考えると

・そもそも論理的に伝えることに
 苦手意識がある

・論文として正しい書き方を
 よくよく考えれば教わっていない
 
・論文の書き方はブラックボックスなので
 自己流があっているのかも不明
 
みたいな不安や疑問がつもり、
そんな感情を生んでいるかも、、、

と思います。



■ただ社会で働く上で
あるいは学生をしていても、

パッション(感情)だけで
なんとななることはほぼありません。

話す、書く両面においても
論理的に物事を伝えることは、
こちらの主張を伝え、受け取ってもらい
そして合意を得る上でも重要なスキルです。



■その中で、

表面的に論理的っぽく
「~である」「~といえる」みたいに
雰囲気だけそれっぽくしても

やたら長く冗長だったり
文の構造も形が整っていなかったり
アウトラインの構造も読みづらかったりすると

結局伝わらず、
わかる人にはすぐわかってしまいます。



■じゃあ、どうすればよいのか。

その中で大学院の先生から
おすすめされたこちらの本が役に立つと思いました。

早速ですが、本の内容を紹介しますと
このように説明されています。

(ここから)
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累計28万部のロングセラー、最後の大改訂!
キミは論文って何かを知っているか?

「論文書き方本の最終兵器」を10年ぶりにアップデート。

主人公は作文のヘタな大学新入生。
彼がダメ論文を「Aプラス論文」へ改善するまでのプロセスを追いながら、
論文の基本からアウトラインの作り方、草稿のまとめ方、仕上げ方までを伝授する。

類書にはないウリとして、
主張の説得力を高めるための「論証」のテクニックを分かりやすく解説。

さらに、この10年間の環境の変化をふまえて、
文献や資料探し、情報検索の方法についてさらに詳しい解説をほどこすほか、
明快で読みやすい論文を書くための文章指南パートを大幅増量!


第1章 論文の宿題が出ちゃった!
第2章 論文には「問いと主張と論証」が必要だ
第3章 論文にはダンドリも必要だ
第4章 論文とは「型にはまった」文章である
第5章 論文の種としてのアウトライン
第6章 そもそも論証ってどういうこと?
第7章 「パラグラフ・ライティング」という考え方
第8章 わかりやすい文章を書くために
第9章 最後の仕上げ
巻末豪華五大付録
A 論文提出直前のチェックリスト
B 論文完成までのフローチャート
C ここだけのインサイダー情報:論文の評価基準
D 「禁句集」――作文ヘタ夫くんの使いがちな表現トップテン+α
E おすすめの図書など

※Amazon本の紹介より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ここまで)



■この本の対象者は

レポートを書く必要がある
「大学生」にも役立ちます。

レジュメやプレゼンをする
「社会人」にも役立ちます。


「論文」そのものを
完成させるために役立つことはもとより


”自分を高めるための手段としての
「論文書き」”


としてこの本では位置づけられています。

それは

”感情”に訴えて説得するのではなく
”理性”を動かして相手を動かす技法

を知りたいとおもう
多くの人の武器になるかと思います。



■そして具体的な方法として

”論文の型”である
「1)問い→2)主張→3)論証」

すなわち、

1)問い:与えられた問い、または自分で立てた問いに対して
2)主張:一つの明確な答えを主張し、
3)その主張を論理的に裏付けるための真実的・理論的な根拠を提示して主張を論証する

の骨格を身につけるため方法が
丁寧に紹介されています。


同時に、基礎だけではなく

”論文を書くための
具体的な心構えやテクニック(鉄則)”

にも触れていただいています。


■例えば

・「曖昧さ」と「はぐらかし」は厳禁。

・結論の正しさにこだわるな。重要なのは論証の説得力だ。

・論文のタイトルには「この論文を読むと読者は何がわかるようになるのか」を書く。

・要約は文章を一様に短くすることではない。
 1.筆者はどういう問題を立てているか
 2.筆者はそれにどう答えているか
 3.筆者は自分の答えのためにどのような論証をしているか の3点のみ抑える
 
・アウトラインが太ったものが論文だ。
 アウトラインから出来上がった論文は構成のしっかりしたものになる。
 論文を書くときはまずアウトラインを作ろう。
 
・アウトラインは成長し変化する。
 アウトラインは常に暫定的なものと考えよう。

・カテゴリー・ミステイクを避けるためには
 一つの階層が同じカテゴリーの項目だけを含むようにする。
 
※引用:戸田山 和久(2022)『最新版 論文の教室: レポートから卒論まで』

など。

豊富な経験を教訓として書かれいるのが
とてもありがたいです。



■そして内容も
ユーモアにあふれていて
読み物としても楽しめます。

ですので、「論文」というテーマについて
良い意味で裏切られるのが
本書の魅力であると感じました。

ということで、
論理的に伝える力を磨きたい方に
おすすめの一冊でございます。
私も参考にしながら実践に活かしたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<今週の一冊>

『最新版 論文の教室: レポートから卒論まで』

戸田山 和久 (著) (NHKブックス)

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