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3367号 2023年5月13日

研修が「全く役に立たない」と評価された日

(本日のお話 2562字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日金曜日は、
IT企業の中堅社員の方を対象にした
ストレングス・ファインダー研修の実施でした。

今週は4日間、合計100名超の方に
ストレングス・ファインダーの研修を
実施させていただきました。

こうしたご縁、
月並みですがありがたいなあ、
としみじみ感じております。

(ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!)



さて、本日のお話です。

こうした研修を提供できる機会、
実にありがたいことだ、

、、、と言うものの、
実は今回の研修で考えさせられることもありました。

何かというと

「研修評価が
極めて低い人がいた」

というお話です。

今日はこのことについて、
研修講師としての役割から思うところと
そこからの学び(=反省)を
ご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【研修が「全く役に立たない」と評価された日】

それではどうぞ。

■研修評価には
様々な手法があります。

その中で信頼がおける評価手法は

”研修転移を予測する3つの質問”
(研修内容が職場で実践されること)

とされています。

研修後に、以下の3つの質問を
参加者に問うのです。

それが、

・「この研修は、仕事の役に立つと思いますか?(有用度)」

・「この研修は、仕事に関連していると思いますか?(関連度)」

・「この研修は、仕事で活用できそうですか?(自己効力感)」

の3つです。

この項目について
5件法(5:大いにそう思う~1:全くそう思わない)で確認をするのが、
研修評価のスタンダードと言われます。

■そして、今週の研修でも

そのスタンダードに沿って
研修評価を参加者に行いました。

、、、がその結果、
ある1名の参加者の方から、

この有用度・関連度・有用度・自己効力感について、
ことごとく、

「1:全く思わない」

という評価を頂いた、、、

となってしまったのでした(汗)

■もちろん色々あるのですが
1日もの研修を行ってこうなったのは
結論、私の実力不足。

ただただ、反省です。。。

というのも、
研修のニーズを確認し、
またプログラムもある程度回数を重ねて
完成されているものの場合、

”3:どちらでもない”

以下のスコアがつくことは
実はさほどありません。

前提条件がズレていなければ、

「5:大いにそう思う~4:思う」

とつくことが多いもので、

それは他の研修プログラムでも
同じ傾向があると思っています。

■その中で、

1:全く思わない~2:思わない

という評価をされるのには
何か理由がある可能性がある、

と推察されます。

その理由は、
本人に聞く以外にありませんが、

・研修の案内段階で、
十分に目的が伝わっていなかった とか、

・業務が立て込んでいて
集中ができなかった、

という準備段階での課題も
あるかもしれません。

あるいは研修中に

・受講者同士の中で
噛み合わないようなやりとりがあった
(普段の関係性を持ち込むと、たまに起こると感じます)

とか

・講師の関わりの中で
信頼を失するようなコミュニケーションがあった
(しっかりフォローができなかった、など)

などもありえます。

■繰り返しますが、
それが何かはわかりません。

しかし、

「役に立たない」というチェックは
強いメッセージです。

何か理解して欲しい
主張したいことがあった、
しかし、それが汲み取られなかった、

という可能性は大いにありそうです。

■その中で、

もちろん色んな個人の考えがあるとはいえ

外部支援者の役割としては、
その研修の時間内に

「学んだことをやってみよう」

という自己効力感を
できる限り多くの方に持っていただくこと、

そして全体としての
やってみよう!というモメンタム(勢い)を
つくりあげること。

そうしなければ、

研修内容が、職場での実践につながることを
期待することはできないのでしょう。

周りがやる気になっていても
「こんなの意味ないっすよ」という一つの声で、
急に勢いが削がれることがあるもの。

だからこそ、

明らかに強い抵抗感が含まれる
ネガティブな評価(すなわち1~2)は
”負け”と思いますし、

少なくとも、
「やってもいいかな」くらいまで
持っていくことが求められる

と私は感じます。

■そして改めて

その研修の1日を
振り返って思った反省点が、

(その低評価をチェックした方と)
『研修中のコミュニケーションが少なかった』

ということにふと気づきました。

■基本、研修をするときは

1,個別にやり取りをした
参加者にチェックをつける

2,研修が終わるまでに
全員にチェックがつく状態にする

ということをしています。

これをすることで、

オンラインでも対面でも、
よく参加してくれる人に話が集中し

そうではない人との
コミュニケーションが薄くなる、

という不公平感が
少なくなるようになった、と感じます。

それが良いか悪いかは
人の考えにもよりますが、
個人的は意外と大事な気がしています。

そうしたやり取りの中で
モヤモヤが見えたのであれば
解消する機会にもなるからです。

■しかし、今回はオンラインで
顔が見えづらいということに加え

最初に少しやり取りをしただけで
長らくやり取りをせずにいてしまいました。

今思えば少し気になる言動があった気もするものの
その方に深掘りするよりも、

全体の進行状況に意識を向けていた自分が
確かにいたな、、、

とも思ったのでした。

■ただ、改めて振り返って、

「1人1人の参加者の懸念は
もっともっと大切に取り扱うべきなのだ」

と自戒を込めて感じております。

かなり厳しい質問や、
反対意見があったとしても、

その目的を明確に示すことで、
全体としての実行の勢いを消さずにいられます。

また、ネガティブな意見があっても

その意見、頂いた人に
しっかりと相対することで

御本人にも他の参加者の方にも
研修の意味を誠実に伝えることにもなるのでしょう。

■、、、ということで、

私のお仕事の話から

”研修講師としての役割”

について思うことを
述べさせていただきました。

こうした

「一期一会で
その時しか向き合えない」

というのは、

外部講師もそうですし
その他の仕事でも共通することはあるように思います。

全体に話すからといって
そこにいるのは、生身の1人1人の人間。

ゆえに真剣に、
一人ひとりと向き合うことを
片時も忘れてはいけないのだろう、、、

そんなことを感じさせられた次第です。

また来週も研修が続きますので、
気を引き締めて向き合いたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

今日なし得ることに全力を尽くせ。
そうすれば、明日は一段の進歩があるでしょう。

アイザック・ニュートン
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