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3495号 2023年9月19日

『サビカスのキャリア構成理論』を読む ー本書の全体像ー

(本日のお話 2017字/読了時間3分)

■おはようございます。紀藤です。

皆様、三連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。

私は、後半はNHKの番組などを視聴しておりました。
(テレビがないのでipadで・・・)

・『プロフェッショナルの流儀』の
YOSHIKI、井上尚弥の会

・『サグラダファミリア特集』

などを見ていたのですが
一流のプロフェッショナルというのは
妥協がなく、尋常じゃない努力を重ねているのだなあ、、、

と印象的に思っておりました。

言葉として

「宿命」

というキーワードを出していた方もいたのですが、

・自分が生かされている
その領域とともに生き続ける、

・常にそのことを考え続けるし
それが自分にとっては当たり前のことである、

というニュアンスの話を
誰もが共通して語られており、
「自分はそういうものをもっているだろうか」などと考え
刺激を受けておりました。

プロは、素直にかっこよし!です。



さて、本日のお話です。

そんなNHKの番組を見たからでしょうか。

後日、皆で読書会を行う予定の
積読していた書籍、

『サビカス キャリア構成理論
四つの〈物語〉で学ぶキャリアの形成と発達』

マーク・L・サビカス (著), 水野 修次郎 (翻訳), 長谷川 能扶子 (翻訳)


が気になり、途中まで読んでみました。

すると、これが実に面白い、、、!

キャリアカウンセリング論の大家である
サビカス博士の集大成とも言える本とされ、

こちらの本を読みつつ、
キャリア構成理論についての学びを深めております。

濃厚な著作なので、これから
何回かに分けて読み進めていきたいと思います。

ということで今日は第一回にて、
本書の全体像をお伝えしてみたいと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは

【『サビカスのキャリア構成理論』を読む  ー本書の全体像ー】

それでは、どうぞ。

■キャリアの理論の代表的なものの1つに

『キャリア構成理論』

と呼ばれるものがあります。

曰く、

”キャリア構成理論は、

文化や社会の中で個人がどのようにして
自己構成し、キャリア構成をするかを
一般的な知識として普及し、
広く活用できるようにまとめた理論である”

とのこと。

もう少し具体的な説明では、
以下のように本書で書かれています。
(引用します)

◯「キャリア構成理論」は

・個人が出来事の意味を解釈するプロセスと
対人関係プロセスを説明するものである。

・人は、これらのプロセスを通して自己を構成して
仕事の方向性を決め、キャリアの意味を見出す。

◯「キャリア構成理論」では、

・個人は社会生活に適応するために、
キャリアを構成すると定義する

・社会の中で主体的に行動し、モチベーションを保つ

・社会で活動する上で、自分の職業適性にマッチした役割を選択し、
働く事によって自己を表現する

、、、とのこと。

■うん流し読みしただけだと
よくわからん、という感じでしょうか。

私なりに解釈をすると、

・人は自分が経験した出来事に
意味付けをして”自分を定義”する”

・また人は社会的な生き物であり
社会の中で役割を引き受けて、生きていく

・その中で、
ー自分とは何者か?
ー何を大切にしているのか?
ー何を動機にしてどういう人間なのか?
を考えるための補助線が、キャリア構成理論

ともいえるのかな、と思いました。

■私も、自分自身でしばしば
考えてしまいますが、

「自分の歩んできた道・歩んでいく道」

について、
何かしらの意味やストーリーを見つけて、
そこに”自分なりの価値”を感じたいと思ってしまいます。

だって、自分の生き方が
なんの意味もないものだったら、
なんだか寂しいではないですか、、、。

しかし、そこには

気質的、遺伝的なもの、
元々持っているハンデキャップ
あるいは優れたもの、

生まれ育った家庭環境
突如起こった不慮の出来事など
自分では避けられなかったこと

選択できたであろうこと
どう頑張っても選択できなかったこと

など人による違いが現れます。

その中でそれぞれが
自分の人生のキャンパスに絵を書く、
物語を書くのがキャリアのようなものです。

■そうした複雑な人間の、

キャリアという”轍”を
どのように読み解くのか。

それを人が働く人生=キャリアに
どのように活かしていくのか、、、

これを本書では

「キャリア構成のメタ理論の構造」

という大きな枠組みを提供することによって、
研究者やカウンセラーが
ライフコースの全般を把握することができる、

としています。

■ちなみに、この
”キャリア構成のメタ理論の構造”
なるものを説明したいのですが、だいぶ複雑です。。

ゆえに、本書では4人の方の
具体的なライフストーリーを
ケースとして詳しく紐解いています。

具体的には

◯ケース1,道を拓く人(Pathmaker)_ロバート

:安定した愛着と外交的な性格で、
自己実現に向かうニーズに焦点を当てた

◯ケース2,守る人(Guardian)_ウィリアム

:人間関係に内向的なので慣習を受容する傾向。
安全・安心ニーズに焦点をあてた

◯ケース3,道を探す人(Searcher)_ポール

:外交的で規範に懐疑的になる傾向があるため、
昇進すること、冒険することに焦点を当てた

◯ケース4,漂う人(Differ)_フレッド

:人間関係と規範に対する恐怖、内向的で規範を受け入れる志向により
やる気を失い意気消沈した状態であり、動機や適応性が欠如した

という研究対象にしています。

これらの内容はまだこれから読み進めますが、

こうした「一つではないパターン」があることを知り
それを認めることがそれぞれのキャリアに一つのストーリーを見出す
きっかけにもなるようにも感じている次第です。

面白そうです、、、!

ということで、また今後、
こちらの内容についてもご紹介していきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

絶望してはいけない。
だが、もし絶望してしまったら、
絶望の中、進み続けるのだ。

エドマンド・バーク
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