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2679号 2021年6月22日

「信頼」を紐解こう!(前編)~研究によりわかった!信頼を形づくる5つの要因~

(本日のお話 2369字/読了時間4分)

■おはようございます。紀藤です。

昨日は5件のアポイント。
夜はコーチング(受ける方)でした。



さて、早速ですが本日のお話です。

現在、大学院の組織行動論にて
「リーダーシップ」を学んでいます。

その中での重要なキーワードが
「信頼」であるとのことを

『組織行動のマネジメント』
(著:スティーブン・P・ロビンス)

にて読み、読み進めながら

「これは確かに大事な要素だなあ…」

と思ったのでした。

ということで本日から全3回にわたって、

”「信頼」を紐解こう!シリーズ”

をお届けしたいと思います。

「信頼」なる大事だけれど
ちょっと曖昧なものを
一緒に紐解いて参りましょう!

タイトルは

【「信頼」を紐解こう!(前編)
~研究によりわかった!信頼を形づくる5つの要因~】

それでは、どうぞ。

■「信頼」。

大事ですよね。

目に見えないけど、
ないと色々困りそうです。

信頼をテーマにした研修で

『スピード・オブ・トラスト』
(フランクリン・コヴィー提供)

なるものがありますが、

”信頼があれば、スピードが上がる
信頼がなければ、スピードが下がる”

と端的に表現しましたが、
まさにその通りだと感じます。

■例えば、「営業と信頼」。

”お客様から強い「信頼」を
得られている営業”

であれば、

伝えた提案について

お客様の相見積もりや、
比較検討に時間をかけられることなく、

スパッと決めていただくことが
可能になるのでしょう。

つまり、「スピードが上がる」わけです。



あるいは、「上司部下と信頼」もそう。

上司から信頼を得られている
部下がいるならば、

その上司から
何かの提出書類について

微に入り細に入り
チェックをされるということも
少ないでしょう。

要は、「スピードが上がる」わけです

■さて、そんなメリットある「信頼」。

まずは

「信頼の定義とは何か?」

について、考えてみたいと思うのです。

組織行動論の書籍によると

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<「信頼」とは>

相手が言葉や行動、あるいは決断を通じて

『日和見的な行動をしない』であろうという

『前向きな期待』を指す

※参考:スティーブン・P・ロビンス『組織行動のマネジメント』(2009)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

、、、とのこと。

■んんー、ちょっと
分かりづらいですね(汗)

ただ、解説を見ると、
言っていることはシンプル。

まず『前向きな期待』というのは
「相手に対する知識や親密さ」のこと。

つまり、

”よく知っていて、仲が良い”

状態ですね。

これぞ「信頼」を定義している
重要な要素です。



そして次に

『日和見的な行動をしない』というのは、
「リスクや脆弱性が少ない」こと。

つまり、

”(相手の状況が変わったからと言って)
裏切られない、約束を破られない”

と思えるかどうか。

すなわち、「リスクの少なさ」を
感じられるかどうかが
信頼を定義している重要な要素です。

■まとめると、
「信頼」の二大要素とは、

1)「親密さ」=前向きな期待ができる or できない

2)「リスク」=日和見的な行動がある or ない

であり、

「信頼がある」というのは

”前向きな期待を持てる”し、
”リスクもなさそうだ”と思えることです。

そして、上記状態だと、

先程の「スピードが上がる」のような
プラスの結果に近づくであろうし、

逆であれば、マイナスの結果に
近づくであろう、、、

と言えそうです。

■、、、というのが
「信頼」についての定義のお話。

では、次に

「信頼とは一体何でできているのか?」

このことを考えたいと思うのです。

最近の研究によると、

「信頼」という概念の根底にある
”5つの要因”が特定されている

ことがわかりました。

信頼を形づくる5つ要因。
それは、以下の5つになります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<研究によりわかった!「信頼」を形づくる5つの要因>

1)誠実性・・・

誠意があり、信用に足ることを指す。
5つの中で最も重要性が高い。

「道徳的人格」「基本的な誠意」がなければ
その他の要因は意味を持たない、とされる。

2)能力・・・

”技術的な知識とスキル”、また
”対人的な知識とスキル”を持っていること。

口に出したことを実行する能力がある、
と信じられるかどうか、が重要。

3)一貫性・・・

言葉と行動が一致していること。
また、頼りがい、確実さ、状況処理における
判断能力があること。

これは特にマネジャーにとって
重要である、とされる。

4)忠誠心・・・

相手を守り、相手の顔を立てる意欲があること。
相手に花をもたせられること。

”日和見的な行動をとらない”ことの
象徴である要素。

5)開放性・・・

事実の全容を教えてくれるかどうか。
透明性があるかどうか。

隠し事がない人を人は信頼する。

※参考:スティーブン・P・ロビンス『組織行動のマネジメント』(2009)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■いかがでしょうか。

普段あまり意識をしない
「信頼」についても、

「信頼を形づくる5つの要因」

1)誠実性
2)能力
3)一貫性
4)忠誠心
5)開放性

という観点を持ってみると、
どうでしょうか。

そして、例えばですが、

「自分は5つの要因について、10点満点中
どれくらいあると思われているだろうか?」

と考えてみると、

「自分自身の信頼」を客観的に見てみる
一つの視点を得られるようにも思います。

■組織行動論では

「リーダーシップと信頼」と
取り上げられていますが、

「信頼」とは
目に見えないものではあるものの、

確かにそこに存在している、
組織においても大切な要素がです。

■見えづらいものですが、

このように因数分解をして
整理をして「信頼」を見つめてみると、

手触り感が持てて、
自分で意識をして
構築をできるようにもなるのでしょう。

ということで、本日のまとめです。

今日のお話は、

・信頼の定義における
二大要素は「親密さ」と「リスク」である。

・「親密さ」とは相手のことを知り、親密であること
「リスク」とは相手が日和見的な行動をしない、
リスクが少ないと思えること。

・では「信頼を形作る5つの要因」とは何か?

・「1)誠実性」「2)能力」「3)一貫性」
「4)忠誠心」「5)開放性」の5つである

・このように因数分解して考えると、
「信頼」という大事だけど掴みづらいものも
手触り考えられるのではないか

という内容でした。

■明日は、中編とのことで

「信頼の3つのタイプ」

・イケてない信頼
・イケている信頼

など様々な信頼のタイプについて
お伝えしたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

人のために仕えているときは、自分が親切を与えていると思わずに、
ツケを返していると思うようにせよ。

ベンジャミン・フランクリン(米国の政治家/1706-1790)

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