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3497号 2023年9月21日

身近な人ほど面白い!「キャリア・アンカーのインタビュー」

(本日のお話 2234字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日はIT企業のマネージャーの皆様への、
ストレングスファインダー研修の実施。
また夜からは、研修企画のミーティングでした。



さて、本日のお話です。

昨日の夜は、
実施予定のキャリア研修のワークについて
パートナーの方とロールプレイングを行っておりました。

合計1.5時間ほどのキャリアについてインタビューで、
これまで幾度となく話し合っているはずなのに、

相手の知らない側面がたくさん見えて、
非常に有意義な時間になっておりました。

今日はそんな「キャリアインタビュー」からの気づきについて
皆様にご共有させていただければと思います。

それではまいりましょう!

タイトルは,

【身近な人ほど面白い!キャリア・アンカーのインタビュー】

それでは、どうぞ。

■『キャリア・アンカー』という、

キャリアにおいて有名な

”長期的な仕事生活(キャリア)の拠り所となる
自分を知るための重要なツール”

と呼ばれるものがあります。

これはアメリカの組織心理学者の
エドガー・シャインによって開発されましたが、

この「キャリアにおけるゆずれない軸」を
(キャリアの錨(いかり)=キャリア・アンカー)
認識することによって、

・キャリアにおいて最適な選択ができる
・個人的な価値観も仕事で満たせるようになる

としました。

■そして、研究の結果

「人が持つキャリアの軸」を
8つのキャリア・アンカーのタイプとして示しました。

ちなみに、以下の8つです。

・専門・職能別能力
・経営管理能力
・自律・独立
・保障・安定
・起業家的創造性
・奉仕・社会貢献
・純粋挑戦
・生活様式

です。

そして「キャリア・アンカー」を探索する方法は、
2つのステップによって成り立ちます。

■1つが、セルフアセスメント。

40問ほどのキャリアについての質問を答えることで、
自分が8つのうちでどれを好んでいるのかに
”あたり”をつけることができます

しかし、上記のアセスメント”だけ”では
「本人の好み」を示していることになり、

実際の歩みから考えた時、
必ずしもそのようになっているとは限りません。

よって、2つ目のステップとして
「インタビュー」があります。

ペアの方に協力してもらい、
1時間ほどのインタビューを行うのです。

■そこでは、以下のような質問を
めっこり聞いていきます。

例えば、

・受けた教育
(高校時代に好きだった科目、文理選択,大学で専攻したもの。
それを選んだことは今振り返ってどう思うか)

・最初の仕事
(当初求めていた大きな目的、望んでいたものは何か)

・大きな節目、転機
(どのような変化があり、その時どう感じたか?
それは自分の目的にどのような関わりがあったか)

・キャリアの振り返り
(楽しかったこと/楽しくなかったこと。避けたいこと何か、
これまでのキャリアで自分の目的の変化はあったか)

・これからのキャリア
(これからのキャリアはどうなると思うか・
楽しみにしていることは何か。心配していることはあるか。)

・キャリアのパターンについて
(自分の才能・動機・価値観は何か)

などなど、、、

■これをじっくりと深ぼることで

”自分自身がこれまでの歩みの上で
何を大切にしているのか”

が浮き上がってくるのです。

そして、キャリアアンカーのセルフアセスメントと、
インタビュー結果を照らし合わせて、

「自分の中でこれはゆずれない!」といういう
一つのキャリア・アンカーを見つけます。

そのことで、自分がキャリアに置いて迷った時に、
選択する指針、一つの灯台のようなものとある

、、、とのこと。

■このことは、

これまでも理解していましたが、実は

「身近な人にこのキャリア・アンカーのインタビューを
めっこりやってみる機会」

は、ふと思うとあまりありませんでした。

そんな中で、いつもお仕事でパートナーとして
共に動いている講師・コーチの方にやってみたところ、

・幼少期のご両親の影響

・自分(紀藤)が知らなかった
その方の大変な経験、ハードな経験

・大きな転機と、今の考えに至った理由

・これから何を大切に生きていきたいのか

など、

その人が歩んできた旅路が
温度を伴って見えてきた感じがしたのでした。

そして、その人の仕事をする上での
「喜びや動機」が見えてきて、

一緒に仕事する時は、その方の
そのような価値観を大切にしたいな、、、

そんなことを感じさせられたのでした。

■ここで思ったこと。

それはシンプルな話ですが、

「普段、仕事でめっこり関わっている人ほど
”キャリアや大切にしていること”について
話をする機会が少なかった」

ということでした。

仕事で、業務上、
やり取りする必要があることが
たくさんある場合は、

意図せず、その「短期的な業務」について
話をすることに終始してしまいます。

あるいは、チェックインとして
近況について話をすることがあっても、

過去のディープな部分は、
意外と触れる機会が少ないこともしばしば、、、

■自分のように
人と組織に関わる仕事をしている人ですらそう。

、、、としたら、

それ以外の職種,業種の人は更に、こうした

「その人の人生の軌跡,来し方、
大切にしていること、強み,動機」

などを聞くことは少ないのかもしれない、、、

自分自身のことを振り返りながら
そんなことも思ったのでした。

■しかし、こうした
1時間ちょっとのインタビューをするだけでも、

その人の背景が、ぐっと広がります。

それらのことを知ると、
相手への理解が生まれ、
相手のことをより尊重できる、とも感じます。

近いほど、もしかしたら見えていないのかもしれない。

そして,身近な人ほど、
キャリアインタビューを行うことで見える
新たな側面があるのかもしれない、、、

自分の家族、古くからの友人、親族
色んな人にやってみたら
面白いかも知れない、、、

そんなことを感じた次第でございます。

ということで、ご興味がある方は、
以下書籍をご参考にしてみてくださいませ。

※参考書籍
『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』
エドガー・H. シャイン (著), Edgar H. Schein (原名), 金井 寿宏 (翻訳)
https://amzn.asia/d/eWjP5Yu

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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<本日の名言>

自分自身を愛することは、
一生涯続くロマンスを始めることである。

オスカー・ワイルド
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