今週の一冊『集中経営 〜ボトルネックを打ち破れ!〜』
(本日のお話 1713字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
先日は11kmのランニングでした。
また、午後からは宮崎から東京に戻ってきました。
なんだか忙しいと思ったら、この10日で
6日間の研修が入っていることに気づきました。
また研修動画のスライドや台本を作成するのに、苦労しているこの頃。
いずれにせよ、まずは、9月中旬に落ち着くであろう時期まで走り抜きたいと思います。
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さて、そんな中ですが、友人であり勉強会仲間の経営コンサルタントの藤本さんが『集中経営』という書籍を出版され、
その勉強会に参加してまいりました。(藤本さんのnote、非常に勉強になりオススメです)
https://note.com/fujimotomasao
今日はその本のご紹介と、学びをご共有させていただければと思います。
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『集中経営 〜ボトルネックを打ち破れ!〜』
新宅剛 (著), 藤本正雄 (著)
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■『集中経営』とはどんな本か?
本書は、経営コンサルタントとして15年以上、中小企業を中心に支援してこられた著者の藤本さん、新宅さんによる実践知に満ちた一冊です。
中小企業とは、時間がない、お金がない、人がない、とリソースが限られているケースが非常に多いです。
その中で、経営コンサルタントとして、あれこれお伝えしたくなるし、そのためのツールや考え方もたくさんあるものです。
その中で、どうすれば中小企業の経営を目指す方向に近づけられ、成果に繋げられるのかを、「集中すべき課題(ボトルネック)」を特定し、そこに経営資源を集中的に投入する手法を体系的に解説した一冊になっています。
■なぜ成果が出ないか?4つの壁
多くの企業が目の前の現象に振り回され、本質的な課題を見誤ってしまう現状を、本書では「4つの壁」というフレームで整理しています。
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⑴ 内容の壁:そもそも目的が曖昧
⑵ 理解の壁:社員に伝わらない
⑶ 感情の壁:心情的に受け入れられない
⑷ 行動の壁:何をすればいいかわからない、忙しくてできないなど
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この壁のいずれかが「ボトルネック(瓶の首)」のようになっており、社員に伝わらない(歩留まりが悪い)状態になっていると指摘します。
これらの壁の突破により、組織の方向性を明確にし、一歩ずつ成長の階段を登るための行動指針を、具体的に提供しています。
■5つの経営改善領域
特に、私がなるほど!と思った部分については、「中小企業の経営」に絞っている点です。
たとえば、中小企業の場合、「経営者がなりたい姿」なくして、成果を定義することはできませんし、売上・利益ではなく、「経営者自身のなりたい自分・会社に近づくこと」を成果と位置づけ、数字を目的ではなく指標とする視点を提案しています。これがブレているから、従業員も動かないというのを最初にあげています。
また経営者の三資源として、「気力・体力・時間」という三つの資源を守ることが経営の前提であるとも述べています。これも確かに、そうだよな…と思わされます。
また、本書では「5つの経営改善領域」も合わせて紹介されます。
事業概要、商品サービス、自社の独自性、また外部環境分析(市場やテクノロジー、競合他社など)や内部環境(ヒト・モノ・カネ)などの分析方法も語りますが、それらも、あくまでも大きな流れの中で捉える必要があることを伝えています。
あくまでも、それらを中小企業の経営者が「4つの壁」と照らし合わせながら、どの順番で、何を見ていく必要があり、どの部分のボトルネックのつまりを解消すべきなのかを見立てられるような構造になっています。
■まとめと感想
ピーター・ドラッカー氏、市倉定氏、ジム・コリンズ氏、入山章栄氏らの経営者・経営学者などの知見を一つのストーリーとしてシンプルにまとめた一冊だと感じました。
一方、著者のお二人の経験談を伺うと、本に書かれている以上の膨大な知見があることを感じさせられます。
実際に、中小企業に介入する上では「踏み込むところは踏み込む」という覚悟を持って臨まれていること、また日頃からの膨大な勉強と経験を持って、経営戦略も、マーケティングも、人事制度も、あらゆることを実践を通じて積み重ねていることに、尊敬の念を覚えました。
中小企業の経営者自身にとっても、外部支援者にとっても、組織の道筋を分析し、合意するための共通認識を得るための、実践知の結晶のような一冊だと感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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