ドラッカーがめちゃくちゃ重要と言った「インテグリティ」の意味を今、紐解こう
(本日のお話 2056文字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、研修の準備。また執筆など。
その他、6kmのランニングでした。
*
さて、本日のお話です。
現在、出版にまつわるプロジェクトで「強み」に関する概念をまとめているのですが、「言葉の意味」とは本当に難しいものだなあ…と、しみじみ感じております。
そんな中で、2025年12月号のハーバード・ビジネス・レビューにおいて、『没後20年 P.F.ドラッカー「真摯さ(インテグリティ)」とは何か』という特集が組まれていました。
「インテグリティ」とは「誠実さ」「真摯さ」などに翻訳されることもある概念。ドラッカーは「企業経営においてインテグリティこそが重要である!」とその大切さを説き続けてきたキーワードでもあります。
そんな「インテグリティ」について、東京大学 東洋文化研究所 中島教授が、この言葉についての背景を詳しく語っている記事があり、大変勉強になりました。このことを理解することで、「経営とはいかにあるべきか」も考えるきっかけにもなるように思います。
ということで、今日はこの記事からの学びを共有させていただければと思います。
それでは、どうぞ!
■「インテグリティ」という概念
まず、普段はなかなか「インテグリティ」という言葉は使うことはありません(よね?)。
ただ、その翻訳例の「誠実さ」などの言葉は、しばしば使われるのを目にします。強みの概念でも「誠実さ(Honesty)」というものがあります。ただ、何がどう違うのか、これを考えるのはなかなか混乱するもの。
…たとえば、逆に「誠実さ」に紐づけて調べてみるとこんな説明が見つかりました。
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<「誠実さ」を英語にすると?>
●Integrity (インテグリティ):
・強い道徳観を持ち、不正をしない高潔さ、一貫性のある誠実さ。ビジネスシーンで重視される。
・例/He has great integrity.(彼は非常に誠実だ/高潔だ)。
●Sincerity (シンシアリティ):
・心からの誠実さ、偽りのない気持ち。相手への思いやりも含む。
・例/I was impressed by her sincerity.(彼女の誠実さに感銘を受けた)。
●Honesty (オネスティ):
・嘘をつかない正直さ。誠実さの意味でも使われる
・例/He is a man of honesty.(彼は正直な人だ)。
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この説明の中では、インテグリティは「道徳観」「不正をしない」などと書かれていますが、実際のところ、どうなのでしょうか?
ここから中島教授のインタビューに戻って、詳しく見てみたいと思います。
■「インテグリティ」とは、全体のために個人を活かすこと」
以下、インテグリティが持つ意味について、いくつか印象的だったことを、ピックアップして簡単に整理してみたいと思います。
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・インテグリティの語源は、ラテン語の「否定(in)」✕「触れる(tangere)」で出来ている。その意味をそのまま訳すと「触れて傷つけたり、変形させたりすることができない」という意味となる。
・インテグリティの意味の中には「公共善」が含まれている。「皆が大事にするなにかのために」を大切にしている。
・また、インテグリティの前提には、西洋の「個人主義」の考え方がある。元々の西洋の「個人主義」とは、私的な欲望とは異なるものであり、「個人にふさわしいあり方でまとまること」を意味する。
・西洋の「個人主義」とは「公共的なものや公共善が先立ち、後から個人が参与していく」ものである。
・しかしこれはあまり日本では根付かなかった。なぜならば、日本や朱子学化・陽明学化により、私的な欲望を抑えることが重視された歴史もある。
ゆえに日本では「個人主義」という言葉が、「私」という利害にまみれた言葉と混同されている。(この「公私」というのは中国由来の考え方である)。
・一方、日本の歴史で「インテグリティ」が体現されていることの事例としては「戦国時代の陣形を組んで戦う姿」がそれに相当する。
理路整然とした配置、銃が得意な人は銃で、刀が得意な人は刀で、全体のためにそれぞれの役割を果たしている状態。これは個人が無視されることなく活かされ、全体に貢献している例である。
・インテグリティを、ラテン語の語源を含めて日本語に訳すと「公共的なものに開かれた立派さ」と言えそうである。「皆が大事だと思うものに対して、公平無私に、自分を貢献させていく」ことである。
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■まとめと感想
インテグリティとは「全体のために、個人を活かすこと」。
皆が大事だと思うことのために、個人のあり方で、貢献をすること。
この考え方は、「個人の強みを活かして貢献する」ということにも、近しい考え方のようにも感じました。
そのために、「自分自身のあり方とはなにか」ということを問うていくこと。日本文化の調和や協調のスタンスも大事にしつつも、時代に合わせてこうした考え方を取り入れていくことも、大事なのかもしれない。そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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