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856号 2016年6月18日

信頼は時を超える

(今日のお話 1905字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。

本日は東京駅にて、英語塾。

イランから出張で帰ってこられた
塾のメンバーから、イランの実情について、
色々とお話を聞かせてもらいました。

何となくですが、

「イランとかイラク、
 ○○○スタンとつくような中東の国々は、
 全部危ないんじゃないか」

と思われがちですが、
イランの場合、大変綺麗で、
道路もセキュリティも問題ない国であるとのこと。
(政治リスクはあるそうですが)

私自身、実際を知りもしないのに、
イメージで物を考えてしまいがちだったな、
と気が付かされました。

英語塾のおかげで世界情勢への興味が、
急激に高まっている今日この頃です。



さて、本日のお話です。

今日は、「イラン」にまつわるお話で、
英語塾のメンバーら聞かせていただいた
とあるエピソードを元に、

「信頼は時を超える」

というテーマで、
思うところをご共有させていただきたいと思います。

それでは、どうぞ。

■イラン帰りのIさん。

彼は、英語塾のメンバーの一人です。

世界を飛び回るバイリンガルのビジネスパーソンで、
意見をまとめる力、幅広い見識など、
僅かな時間を共に過ごすだけで
大変な能力の持ち主であると感じさせられる、

そんな人物です。

そんな彼に、英語塾の講師が、
イランについてこんな質問を投げかけました。


「イランの日本人に対する印象は、どう?」


非常にシンプルな質問です。
すると、彼は答えます。

「非常に良いですよ」

まあ、日本人は確かに
そんなに悪い印象は持たれていないだろうな、
と思いましたが、

改めてその理由を聞いた時、
「なるほど」と思うと同時に、


『”信頼”は時代を超える』


という、目に見えない力を感じたのです。


■「なぜイラン人は日本に対して好意的なのか」。

その理由は、こんな話でした。

イランは、石油産業で有名です。

未だ多くの政治や宗教、
人権問題などがあるにせよ、

人口は7000万人を超え、
世界2位の石油資源を元に、
中東の中では、安全でクリーンな国として、
一定の成長を遂げてきました。

そして石油産業が伸びる礎となった、
1960-80年代の石油プラントを建造した時代
様々な国から、プラント建造のために外国のエンジニア企業が
やってきました。

そして、それぞれの国のエンジニアは
当時、こう言います。

「大丈夫ですよ、任せといてください!」

しかし、いざ蓋を開けてみると、
どの外国の企業も結局、納期に間に合わない。

そしてそのまま去っていくということすら、
あったとのこと。

そして、日本の場合。

”出だしが遅い”という特徴があり、
最初は「大丈夫か?」と思われていたものの、

しかし、一度計画を宣言し、計画を伝えると
日本人は、必ず納期を守ってくれた。

それは、例外なく、
100%そうだった。

だから、イラン人は日本人のことを、
信頼しているし、好意的に感じるのだ、

そんな話をIさんは、
イランの人から聞いたと語ってくれました。


■この話を聞いて、思いました。

それは、

『信頼は時代を超え、伝わる』

ということ。

それがたとえ数十年前の話でも、
その印象は、脈々と語り継がれ、
「信頼感」が息づいていく。

普段意識しないですが、
「信頼」とは時代や場所を超え、

”波のように伝播していく”

ものだろう、そのように感じたのです。


■1953年に、出光興産が日章丸事件において
イランの石油を持ち帰ったことで、イランの経済的危機を救った。
そして、それが今のイランと日本の関係の土台となっている。

そんな話もありますが、
同様の話かもしれません。

いずれにせよ、遠い昔の話や、
自分と関係ない人であったとしても、

一度、組織の外に出てみれば、
私達が「個人」ではなく「日本人」「○○会社」という

”組織の代表”

としてみなされるものです。

特に海外旅行などに行くと、
多少なりとも感じたことがある人も、
多いのではないかと思います。


■基本的に、人は自分、または、
自分が想像出来る範囲の中を超えて、
物事を考えづらい傾向があると思います。

でも、イランが日本のことを、
好意的に感じてくれている理由が、
自分が知らない「過去の歴史にある」とされるように、


『「信頼」は、時代を超えて伝わる』


ものであり、このことは、
認識しておく必要があるのでは、
と思ったのです。

そして、その人の、
その時の対応によって、


”所属する組織・社会の「信頼」が
 時代を超えて、プラスにも、マイナスにも拡散しうるものである”


そう考えてみると、
これからの次世代の未来を考えた時に、
自分たちのあり方を、もっと考える必要性を感じるのかもしれない、

キレイ事のようですが、
実際そうなのだろう、と改めて思うのです。

というわけで、私も、
誇りある日本人を、目指して行きたいと思う次第。
(祖母は中国人ですが)


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本日も皆様にとって素晴らしい一日となりますように。

【本日の名言】 相互信頼を本物にするために、
まず自分自身が他から「信頼される人」になろうと努めよ。
信頼を相手に要求してはならない。

土光敏夫

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