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4413号 2026年3月26日

表面的なコーチングは、5歳児でも見抜く

(本日のお話 2054字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は朝から17kmのランニング。
その他、外部支援者として関わらせていただいているクライアント様との
打ち合わせでした。

”組織は、今日も順調に「課題」だらけ”

大学院で師事した中原先生の言葉ですが、
まさにそのことを感じる時間でもありました。

それでも、そうした課題に熱を込めて向き合うことが、
未来に繋がっていくと信じて、歩を進めていきたい、そのように思った時間でもありました。



さて、本日のお話です。

ものすごく私事ですが、
我が家(紀藤家)は、私も妻もコーチングを学んでいます。
ゆえに、傾聴・質問などのちょっとしたコーチング技法が、ちょいちょい繰り出されます。そしてそれは5歳のうちの息子に対しても、そう。

その中で、「表面的なコーチングは、5歳児にもバレるものである」と感じたお話がありましたので、今日はそのことについて共有してみたいと思います。ゆるりとお読みいただければ幸いです。それでは、どうぞ。

■「傾聴と要約」は、5歳にも効く

私の友人のU君。
ちょっとガタいがよくて、子ども時代はやんちゃだったそう。運動ができて、腕っぷしが強かったようです。大人になって穏やかになった彼は、自分の幼少期を振り返り、こう語りました。

ーーーーーーーーーーーーー
「自分は、小学校くらいまでは、つい手が出ちゃってたんだよね。友達を殴ったり、蹴ったり。
でも、そうなるときは決まって、『口で言おうとしても、なんて言ったらいいか言葉がでなくて、手が出てしまっていた』ことがほとんどだったんだよね」
ーーーーーーーーーーーーー

なるほど、確かにそうだよな。
「この感情を、なんと言葉にしたらよいかわからない」→「だから感情が爆発してしまう」。

この構造はよくわかる気がします。
幼少期などで、自己制御などの社会情動的スキルが未発達な年齢であれば、なおさらそう。

だから、そのイライラを言葉にする手伝いをすると、”爆発”は静まることがあります。

実際に、息子(5歳)を見ても、イライラしているときは「何と言ったらよいかわからない」ときであるように見えます。
たとえば、夕食の時間に、こんなことを言うときがあります。

ーーーーーーーーーーーーー
「だいすけ君(仮)、キライなんだよ」
ーーーーーーーーーーーーー

そうすると、コーチング的に聞いてみます。

「なんで、キライなの?」

すると、息子はこう答えます。

「おもちゃを取ったからだよ」。

そこで、「感情の言語化」を意図してこのように返します。

ーーーーーーーーーーーーー
「だいすけ君がおもちゃをとったと"感じていて"、だからイヤだなって思ったんだね」
ーーーーーーーーーーーーー

これは、いわゆるコーチングの傾聴→要約の流れです。
5歳児ですが、こうしたことを丁寧にやると、きちんと言葉が返ってきます。

ーーーーーーーーーーーーー
「そうなんだよー。だいすけ君がおもちゃをとって嫌な気持ちだったの!」
ーーーーーーーーーーーーー

と。もしかすると、これは大人の解釈に寄せてしまっているのかもしれませんが、
自分のモヤモヤとした気持ちを、何かしらストーリーとして言語化することで、なんとなく感情の矛先が見つかるようにも思われます。

傾聴&要約のプロセスは、5歳児にも有効なようです。

■表面的なテクニックは、相手を苛立たせる

⋯かといって、この「〇〇なんだね」という安易なテクニックは、大人でもそうですが、「コーチング的な技法を使ってるな」とあからさまに見せると、不快に感じることがあります。

その理由は、「対話の型に当てはめて対応されることで、自分が大切にされていない感」を覚えるから、ではないでしょうか。

そして、これはどうも5歳児でも、そうした違和感は覚えるようです。

たとえば、息子(まだ夜はオムツ)がお風呂上がりに、自分でオムツを履こうとする。
しかし、お風呂上がりで身体が湿っているので、引っかかって上手く履けない。
オムツが丸まってビキニのようになってしまい、イライラしているようす。明らかに、ムキーッ!となっています。

ちょっと面白がって言っている自分に気づいており、でも言わずにはいられず、こんな風にいってみました。

ーーーーーーーーーーーーー
私:「オムツが上手く履けなくて、イライラしているようだね」
ーーーーーーーーーーーーー

すると、その内心の茶化した気持ちを見透かすかのように、すかさずこのように返してきました。

ーーーーーーーーーーーーー
息子:「そういうこと、言わないで!あっちいって!」
ーーーーーーーーーーーーー

つまり、同じテクニックを使っても「拒絶」される時があるという話。

おそらく、息子が見抜いたのは「話の型」ではなく、こちらの「面白がっているようす」という心です。

さらに、相手の感情が高ぶっているときに茶化したような繰り返しをすると、火に油を注ぐかの如く、対話のツールも全く機能しなくなる。そんなことを痛感したのでした。

■まとめ:人には敏感なセンサーがある

ここで学んだことは、テクニックの前に「対峙する姿勢」がセンサーに触れるのだ、という教訓です。

相手とのコミュニケーションとは、その場の文脈(感情、雰囲気)などを読みながら行わないと、それが誠意がないと伝わるものです。

そして、5歳でもそうした空気や行間を読み取って、イラッとしたりするのはやっぱりあるんだなあ⋯というのが個人的に新鮮だったのでした。

人には敏感なセンサーがある、という前提に立ち、勇気と思いやりを持って、相手に対峙することが大事なのだなと、改めてそんなことを思った次第。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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