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4421号 2026年4月3日

読書レビュー『ユング心理学入門』ー第6章 アニマ・アニムスー

(本日のお話 1854字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

先日より続けております「ユング心理学入門」について本日も続けてまいります。

夢分析、無意識など、かなり深い心の中の話なので、なんだか重たくなっておりますが、
人の心に興味がある方にとっては、なかなかおもしろい章なのではないかな、と思います。

第6章は「アニマ・アニムス」というなんだか聞き慣れない言葉について、解説をしていきたいと思います。

それでは早速参りましょう!

■アニマ・アニムスって何だ?

「アニマ」と聞いたときに、私は学生時代にハマっていたファイナルファンタジーのゲームの召喚獣の名前が真っ先に思い浮かびました。
なんだか毒々しい見た目の怪獣みたいなもので、「アニマ」と聞いてもなんだかピンとこない、そんな印象を持っていました。

さて、本書においてはこのアニマ、そしてアニムスとはこのように説明されています。
以下引用いたします。

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ユングは、夢のなかに現れる異性像、すなわち、男性であれば女性像、女性の場合は男性像が、心理的に非常に大きい意味を持つことに気づき、それらの元型として、女性像の場合をアニマ(anima)、男性像の場合をアニムス(animus)と呼び、その意味を探求したのである。
P213
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのこと。

夢の中で、自分と同性の人物は「影」として人格化され、比較的意識しやすいそうですが、「異性像」は、無意識のより深い層にあって、把握することが困難である、とのこと。

先日私が夢に見た、「背を向けて料理をしている女性」というのも、ここで言えばまさに「アニマ」となるわけです。

■ペルソナをまず知ろう

アニマ・アニムスを知るためには、まずそれと対応する「ペルソナ」という言葉を知る必要があると述べます。
ペルソナとは古典劇で「仮面」と呼ばれたものです。

私たちは、まるで仮面をつけるごとく、世の中に適応していくために、適切な態度を身に付けていくという側面があります。
これを「外的適応」と呼びます。そう、父親は父親らしく、マネジャーはマネジャーらしく、というように。

しかし、本書でも、ある留学生がものすごく留学先で友達もつくって、ホームパーティーも上手にこなして、ガールフレンドもいて、先生にも好かれている。
しかし、慢性的に「(胃腸などの)消化不良」に悩んでいるという事例が紹介されます。

それは極めて良好に「外的適応」をしている一方、外界を尊ぶあまり自分を無視してしまっていた、つまり「内の適応」ができていなかった一つのケースとして例示されます。

そして、この外界に対するものを「ペルソナ」、内界に対するものを「アニマ(アニムス)」とよんだわけです。
一般的に、男性の場合のペルソナは、力強く、頼もしいものです。女性の場合は、優しく、従順でとなるものです。

しかし、ペルソナとアニマは相補的に働くので、「欠けている部分を補う」ことを求める。
よって、男性にとってのアニマ、女性にとってのアニムスが重要な意味を持つ、となるわけです。

■ペルソナとアニマと、上手に距離を取ろう

さて、とはいえ「ペルソナ」は重要です。
なぜならば外界から期待されている役割が異なるので、それによってペルソナの種類を変えていくことが求められるからです。

ペルソナを発達させることを怠る人は、外界と摩擦を起こしやすくなります。他人の感情を害したり、能力の発現がしづらくなるなど⋯。

かといって、ペルソナの形成に力を入れすぎ、それと同一視が強くなりすぎると、仮面がその人の全人格を覆ってしまい、その人らしい、個性的な生き方が難しくなる。
会社一筋50年の昭和お父さんが、定年後その仮面がはずれなくなるように。

ペルソナを論じる(アニマ・アニムスを重視しすぎる)だけではなく、同一視しないように上手に距離を取ることがポイントとのことでした。

■まとめと感想

夢の中の「異性像」が、こうした意味があるというのは知らなかったので、これから夢を見たときの意味合いが変わりそうです。

本書の著者である河合隼雄氏の別の著書でも「人間に夢をみさせないようにすると、だんだん感情不安定になってきて、白昼夢をみたりするようになる、という実験がある(『中年危機』より)」という話が紹介されていました。

改めて、夢というのは、それ自体が治療的な意味を持つ、そうした事を考える良い機会になっております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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